生涯学習などの社会活動への参加で脳を活性化!地域活動を有効利用しよう
超高齢社会の日本において、いかに健康に余生を過ごすかということは非常に重要な課題となっています。
身体的な健康も重要ですが脳機能や精神的な健康も重要であり、いかに刺激を与えることで脳を活性化させて認知症などの予防を適切に行うかも重要です。
最近では地域包括ケアの一環として生涯学習によって高齢者への介護予防などを公民館や地域の至る所で行っているものもあります。
地域で行われている取り組みや生涯学習で脳に与える影響などを解説することにしましょう。
目次
生涯学習の場は公民館や大学などさまざま。ボランティア活動やスポーツなども
生涯学習は子どもに対して行う義務教育とは異なり、年齢性別を問わずさまざまな場所で行われています。
●生涯学習は公民館などでの知的欲求を満たす学習、大学や病院での公開講座なども
生涯学習とは、学校、社会での教育や文化活動、スポーツ、レクリエーション、ボランティア、職場などの企業内での教育や趣味など、人が生涯に行うさまざまな学習や活動のことを指します。
学習の場は、学校や会社などだけではなく、公民館やカルチャーセンター、集会所などの地域社会におけるものや、大学や病院などでの公開講座もあります。
最近では地域包括ケアシステムの一部として、介護施設や地域における介護予防事業の活動拠点などで行われるものや博物館などの公共施設、ジムなどの施設でも行われています。
●ボランティア活動やスポーツ、趣味も生涯学習の一つ
生涯学習と聞くと机上での学習、つまり学校での教育現場を思い浮かべてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、それだけではありません。
ボランティア活動などはコミュニティーの形成などにも役立ち、さまざまな人との交流など人とのつながりを通して社会的な孤立をさけることが可能であり、人とのコミュニケーションによって脳にも刺激を与えることが可能です。
生涯学習によって脳を活性化。地域包括ケアシステムとしての生涯学習の事例
生涯学習によって得られる効果と、それを利用した市町村の取り組みについてお話しします。
●生涯学習は認知症の予防にも効果がある。認知機能低下後でも効果は見られる
生涯学習は非薬理的予防法のアプローチの一つとして、認知機能低下を緩和するための取り組みの一つとして注目されています。
なかでも日常的な知的活動、たとえば読書や書字、新しいテクノロジーを使用するといった記憶機能を刺激する活動では、認知機能を維持する可能性があるといわれており、さまざまな方法で試されています。
例を挙げると、図書館での子どもへの読み聞かせのボランティア活動、集会所などでのクラブ活動(囲碁や将棋など)、またインターネットを用いて囲碁や将棋で対戦するなどさまざまな形で認知機能維持を試みます。
たとえば囲碁を用いた認知機能維持のためのプログラムでは認知機能の低下が明らかになった後でも、ルールの習得が回数を重ねるとともに可能となり、また複数の人と行うことによりさらなる空間認識機能の向上が可能となります。
今までに経験していないことを学習することにより認知機能や脳の活性化が示唆されています。
●地域包括ケアシステムに生涯学習の要素を取り入れている市町村も
地域包括ケアシステムは、超高齢社会を迎えた日本の地域社会で自分らしく生活していけるように市町村などで助け合う現在注目されている生活支援体制のことをいいます。
そのなかには、介護予防や認知機能の維持を目的とした市町村が運営している市民講座やイベントがあり、それらの活動を通して仲間づくりや、手芸、書道、体操、麻雀などの文化的活動を利用して認知機能の維持を目指しています。
たとえば東京都武蔵野市の「地域健康クラブ」では週1回の体操教室や男性向けの料理教室、千葉県船橋市では公開市民講座などによる生涯学習を兼ね備えたプログラムが行われています。
また、東京国立博物館(トーハク)などで募集されていることもある博物館のボランティアでは、さまざまな世代の来館者と交流したり、学んだ知識を生かして来館者をガイドしたりすることで、脳の活性化を促すことができます。
生涯学習によりコミュニティーを形成することができ、市町村のサービスとも連携して学習意欲を誘発
生涯学習を通したコミュニティーづくりも他者とつながることが認知機能維持につながり、認知症予防にも効果的といえます。
●生涯スポーツのような身体活動により脳を活性化
先にもお話ししたように、スポーツやレクリエーションなどの身体活動を行うことで脳を活性化します。
またスポーツやレクリエーションを行うために、自宅から外出して活動するという行為自体が高齢者の孤独を癒やし、コミュニケーションの場にもなります。
他者とのコミュニケーションを持つことは、高齢者の認知機能を維持するために非常に重要なことです。
●生涯学習の一つ、市民講座への参加で学習者に利点をつくる市町村の取り組みも
地域活動を高めるための施策として、生涯学習ネットワークと地域社会を結びつける事業も行われています。
たとえば群馬県前橋市では、商店街の活性化を図り、生涯学習を受講した際に商店街で利用できるポイントを発行するサービスを商工会と市が連携して行っています。
ほかにも年間300ほどにも及ぶ市民講座が開講する際に、イベント情報や買い物に関する情報を合わせて発信しています。
講座に関する情報や予約などに関しても、スマートフォンなどのインターネットが利用可能な端末から、気軽にアクセスできる仕組みをとっており、さまざまな年代の方々が参加できるため、市民講座での地域交流や地域活性化も期待できるものとなっています。
市町村の行う生涯学習の取り組みを上手に利用して脳を活性化しよう
今回は生涯学習の種類や参加することによって得られるメリットについてご紹介いたしました。
学習を続けるということには大きな効果があり、脳を活性化して認知機能を維持するということは健康に余生を過ごすためにも重要なことです。
市町村の行う取り組みや生涯学習を利用して健康に余生を過ごしましょう。
参考:
文部科学省 第3章 生涯学習社会の実現(2021年8月11日引用)
前橋商工会議所 まちなかキャンパス(2021年8月11日引用)
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執筆者
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1998年理学療法士免許取得。整形外科疾患や中枢神経疾患、呼吸器疾患、訪問リハビリや老人保健施設での勤務を経て、理学療法士4年目より一般総合病院にて心大血管疾患の急性期リハ専任担当となる。
その後、3学会認定呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士の認定資格取得後、それらを生かしての関連学会での発表や論文執筆でも活躍。現在は夫の海外留学に伴い米国在中。
保有資格等:理学療法士、呼吸療法認定士