在宅介護やリハビリなど健康をとり戻す生活に役立つ情報を。

  • Facebook

健康応援 OGスマイル

この記事に関するタグ

リハビリの違い。病院とデイサービスのリハビリは目的や内容がこんなに違う。

高齢化に伴い、要介護認定を受ける高齢者も年々増えてきています。近年では、リハビリ特化型と紹介している通所介護(デイサービス)も増えてきましたが、「病院とデイサービスでのリハビリはどう違うの?」と疑問を持つ方もおられるでしょう。
今回は、一般的に病院で提供されているリハビリと、デイサービスにおけるリハビリの違いについてご紹介します。また、デイサービスを選ぶ際のポイントについても解説していきます。

病院でのリハビリとは?

まずは病院で行うリハビリとはどのようなものなのかをご紹介します。
病気や加齢に伴い生活に何らかの支障がでてくると、医師がリハビリを処方することがあります。

◯病院のリハビリが目指すもの

病気になったり、治療を進める上で安静が必要になったりすると、さまざまな機能が低下しています。
病院でのリハビリでは、筋力や動作能力などさまざまな機能を向上させることを目標とします。
元通りの生活を送れるよう、必要な機能を獲得することがゴールとなります。
また、急性期と呼ばれる救急医療を担う病院では、年々入院期間の短縮が求められています。
そのため、多くの病気において手術後は早期からリハビリを開始します。
しかし、立つ・歩くだけでは自宅での生活は送れません。
たとえば、食事や顔を洗う動作を実現するためにも、さまざまな機能が必要になります。
また、趣味や外出なども含めると、日常生活においてはさまざまな活動があります。
病院では、その方が目指すゴールに合わせて理学療法・作業療法・言語聴覚療法という3つの専門的リハビリを提供していきます。

◯代表的な5つのリハビリ内容

リハビリでよく取り組む代表的な例をいくつかご紹介します。
次の例を確認して、病院のリハビリに対するイメージを膨らませてみてください。

1.起き上がり練習

手術後の痛みや安静による筋力低下などによって、ベッド上で寝返ったり、起きたりする動作が難しくなります。
リハビリでは、たとえばベッドの柵を利用するなどして自分一人で起き上がれるように練習していきます。
どのような動作を意識すればいいかアドバイスすることもリハビリの一環です。

2.筋力トレーニング

活動量の減少などが原因で筋力が落ちた場合、まずは弱ってしまった筋力を回復させることが必要になります。
リハビリのスタッフが手足の運動に抵抗を加えながら行う訓練や、スクワットなど自分の体重を利用したトレーニングが一般的です。
また、ある程度動けるようになると、リハビリ室でマシントレーニングを行うこともあります。

3.歩行練習

起き上がりや立ち上がり動作が獲得できると、平行棒や歩行器などを用いて歩く練習が行われます。
もともと杖やシルバーカーを押して歩いている方もおり、患者さんの歩行能力はそれぞれです。
その方に合った練習方法を選択します。

4.日常生活で必要な動作の練習

基本的な動作として、食事・着替え・整容・排泄・入浴の5つの動作が挙げられます。
これらの動作を円滑に行えるように練習していきます。
自宅で着ていた服に着替える動作や、自宅の浴室を想定して入浴動作の練習をします。
こうした練習を通して、在宅での自立した生活へと導いていきます。

5.食事・発声の練習

脳梗塞で体に麻痺が生じた方や、寝たきりで全身の筋力が弱ってしまった方は、飲料や食物がうまく飲み込めなくなります。
喉の筋肉を鍛える練習や飲み込みの練習を通じて、少しずつ固形物が食べられるようにリハビリを進めていきます。
また、言葉がうまく話せない方では、話すリズムを整えたり、写真を見て言葉を思い出したりと、会話ができるようになることを目指したリハビリを実施します。

病院でのリハビリ

◯リハビリの期間と実施者

病院でのリハビリは、どのくらいの期間受けることが一般的なのでしょうか。
また、どの職種のスタッフがリハビリに当たるのかをご紹介します。

1)リハビリの期間は?

急性期と呼ばれる病院では、2週間から1カ月を目安に自宅退院を目指します。
回復期と呼ばれるリハビリ主体の病院では、機能の回復に時間がかかる方が多く、また自宅の環境も整える必要があるため、3〜6カ月と長期にわたるリハビリが展開されます。
もちろん状態によって差はありますが、これらの期間を目安として捉えておきましょう。

2)誰が実施するの?

病院では理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などのリハビリ専門職が勤務しているため、こうした職種による専門的なリハビリを提供します。

デイサービスでのリハビリとは?


病院でのリハビリのほかに、デイサービスでリハビリを受けるという方法もあります。
病院のリハビリとなにが違うのかをご紹介します。

◯目的

デイサービスでは病院と違い、短期間での機能の改善を目標とするわけではありません。
利用者さんの活動範囲を広げたり、社会参加を促したりすることが重要視されます。
利用者さんの生活状況を把握し、体の機能面で改善が困難な場合は、代わりの手段を検討しなければなりません。
歩行補助用具など、福祉用具の導入を検討することもリハビリの一環となります。
最終的なゴールは自立支援であることに変わりありませんが、デイサービスでは活動や社会参加を広げるといった目的に重きを置いていくことになります。

◯内容

実際にデイサービスのリハビリではどのようなことを行うのか、その例をいくつかご紹介します。
施設によっても違いはありますが、次のようなリハビリを行うことが一般的です。

1)集団体操

一人の指導者が前で手本を見せながら、肩や膝の運動を行います。
個々の能力に合わせたトレーニングではありませんが、体の柔軟性を維持することや、心肺の機能を保つために軽い負荷をかけることが目的です。

2)個別の機能訓練

マシントレーニングなどの筋力トレーニングに加え、段差を昇降する練習など利用者さんの生活に合わせたメニューを組みます。
個別のリハビリを実施している事業所は「リハビリ特化型」と明記している場合が多く、またトレーニングが中心の半日デイサービス事業所などもあります。

3)外出サポート

実際に個々の利用者さんの外出に直接スタッフが付き添うことは難しいですが、送迎時に自宅の環境を確認し、生活する上でどこに課題があるかを判断することができます。
必要であれば段差の解消や福祉用具のレンタルを提案することもできますし、屋外への移動を想定した個別リハビリを行うことも可能です。

◯リハビリ期間・実施者

デイサービスの場合は、どのくらいの期間リハビリをすることが一般的なのでしょうか。
また、どんな資格を持った人がデイサービスのリハビリに当たるのかを解説していきます。

1)期間は?

具体的な期間は定まっていませんが、長い方では半年から1年間継続する方もいます。
ただ、近年は生活能力や要介護度の改善が着目されており、効果の出ないサービスを長期間続けることは避けるべきであるという考えが多くなってきました。
目標を達成できたらリハビリを終了するという例が増えてくる可能性もあります。

2)誰が実施するの?

病院のように、常勤のリハビリ専門職が在籍している事業所もあります。
ただ、デイサービスでは、看護師や介護職、柔道整復師やあん摩マッサージ師など運動の指導にあたるスタッフはさまざまです。
リハビリのメニューも事業所ごとに異なっており、近年はその質が重要視されています。

どんなデイサービスを選べばいいの?

デイサービスを選ぶ際は、たくさんの事業所があるのでどこが自分に合っているのか迷ってしまうことも多いでしょう。
デイサービス選びの際は、次の視点を持ってみてください。

◯通う目的は何か?

デイサービスでは食事や入浴などの支援を行うことが一般的ですが、最近ではリハビリ特化型と呼ばれる運動を目的とした事業所も増えています。
「入院する前にはトイレまで歩けていたのに」などとお悩みの方は、是非選んでいただきたいです。
自宅で介護をする人がいないという理由だけで利用するのではなく、せっかく通うのであれば心も体も元気になれる事業所を選んでみましょう。

◯サービス提供時間

半日型と明記されているサービスでは、一般的にリハビリが中心の事業所が多いです。
しかし、入浴や食事などのサービスが無いため、生活のサポートを目的とされている場合は注意してください。
事業所によって提供時間はさまざまですが、5時間以上であれば食事や入浴のサービスも受けられると思ってよいでしょう。

◯事業所の設備

実際の見学やパンフレットなどで、建物の大きさや設置されている機器類などもチェックしておきたいです。
浴室などに介助するための福祉用具がそろっているか、リハビリ中心であれば運動機器や歩行練習のための設備が整っているかなどがポイントです。
設備を見ると、その事業所がどこに力を入れているのかが分かります。

まとめ

今回は、病院とデイサービスでのリハビリの違いをご紹介し、デイサービスを選ぶためにチェックしておくべきポイントについてまとめました。
病院のリハビリでは、比較的短い期間で元の生活に戻れるようになることを目指します。
一方、その方の生活に着目して、幅広いリハビリを長く行えるのがデイサービスの特徴です。
「大切な家族だからいつまでも元気でいてほしい!」と思うとき、その希望を叶えてくれるような環境でリハビリを受けたいものです。

コメントをどうぞ

ご入力いただいた名前・コメント内容は弊社がコメント返信する際に公開されます。
また、個別の治療方針や転院に関するご相談にはお答えいたしかねます。ご了承ください。
メールアドレスが公開されることはありません。

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)