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介護認定

介護サービスの利用にはどうすれば?~実際の例で介護認定から開始まで、わかりやすく解説

介護保険によるサービスを受けている方は、年々増えています。
高齢化が進んでいますから、さらにこれからも増えていくことでしょう。
しかし実際には、介護を受けなければならない状態になっても、どうすればよいのかわからない方がほとんどです。
今回は実際の例を交えて、サービスを利用する流れを説明したいと思います。

脳卒中で倒れた親のために介護サービスを受けたい!

ここでは、脳卒中で倒れた人を例にお伝えしたいと思います。
Aさん(女性85歳)は夫と二人暮らし。
子どもは二人いますが、同じ市の別の場所に住んでいます。
ある日、Aさんは自宅で脳卒中を発症、救急搬送されて入院することになりました。
検査を行うと、脳の血管が詰まって脳細胞の一部が壊れてしまう「脳梗塞」を起こしていました。
手足にマヒがでており、家族(夫・子)は主治医から「今後は介護が必要になると思います。介護保険の手続きを行っておいてください」と言われました。
多くの方は、このような状態になって初めてサービスの必要性について認識し、手続きを行います。
手足にマヒがでてしまったこともショックだと思いますが、介護の必要性を主治医から告げられて、さらにショックは大きくなったと思います。
しかし落ち込んでいる暇はありません。
退院後の生活を冷静になって考え、速やかにサービスを受けられるようにしなければならないのです。
もう一つ事例を挟んでから、サービス活用までの流れについて詳しく説明していきたいと思います。

一人暮らしの親がどうも認知症・・・介護サービスを受けたい

ここでは、一人暮らしをされている認知症高齢者の事例をお伝えします。
Bさん(女性87歳)は、夫が亡くなってから長い間、一人暮らしをされています。
子どもは一人いますが他市に住んでおり、数カ月に一度は自宅に帰ってきていました。
ここ数年、Bさんのもの忘れが多くなってきたと感じていた子どもは、ある日実家に帰ったときに、几帳面だったBさんの自宅内が、荒れていて片付いていない状態だったことに驚いたといいます。
さらに冷蔵庫を見ると、同じものがたくさん入っており、そのなかには賞味期限が切れているものもそのままとなっていました。
「これは、ひょっとして認知症・・・」
子どもはBさんを病院に連れていきました。
主治医からは、アルツハイマー型認知症であるとの診断結果が告げられました。
一人暮らしの状況などを主治医に伝えると、すぐにサービスを受けられるように助言されました。
このようなパターンで、サービスを開始する方も少なくありません。
しかし、身内の方が認知症である場合、その事実をなかなか受け入れられないという家族は少なくありません。
小さい頃から親の姿を見てきた人にとっては、それも当然のことだと思います。
しかし認知症であっても、うまくサービスを活用することで、いままでのように生活することは十分可能なのです。
一人暮らしの認知症高齢者の場合、悪徳商法などの被害に遭うこともありますから、早い段階で地域の福祉とつながっておくことをおすすめします。

介護保険サービスの活用の流れ~地域包括支援センターをフル活用する

2つの例をお伝えしましたが、どちらのケースもまずは要介護(要支援)認定を受ける必要があります。
認定を受けるには、市町村の窓口に申請しなければなりませんが、そのまえにおススメしたいのが「地域包括支援センター」に相談することです。
これは地域にある高齢者の相談窓口です。
介護サービスだけではなく、高齢者に関するさまざまな相談をすることができます。
おおむね中学校区内に1つは設置されていますから、家族の住む地域にはどこにあるのか、事前に確認しておきましょう。
さて、この地域包括支援センターでは、要介護認定を受けるための手続きを代行してくれるサービスがあります。
もちろん無料で受けることができます。
地域包括支援センターを通さずに、市町村の窓口に申請することもできますが、その場合「サービス開始にあたっては家族がケアマネジャーを探さなくてはならない」というデメリットがあります。
また、市町村の窓口では、ケアマネジャーが在籍する居宅介護支援事業所の住所などは教えてくれますが、それ以外の情報は教えてくれません。
その点、地域包括支援センターに相談しておくと、要介護(要支援)認定の代行申請、今後の介護サービスの利用、居宅介護支援事業所の手配なども依頼することができ、複雑な手続きもスムーズに行うことができます。

要介護(要支援)認定がでるまでに介護サービス開始

介護認定は、申請を行ってから約1カ月後に結果が通知されるようになっています。
市町村によっては、それ以上の期間が必要なところもあります。
認定がでるまでの間でも、「暫定期間」として介護サービスを受けることはできます。
介護サービスは「申請時にさかのぼって」受けることができるからです。
事例の一番目「Aさん」の場合は入院されていますので、どのくらいの入院期間になるのかを病院の主治医やソーシャルワーカーに確認しながら、サービスの調整を進めていくことになります。
退院後、段差の多い家で住みにくくなることが予想できるようであれば、住宅改修によって段差解消や手すりの設置などを行うことになります。
その場合、退院前に一時帰宅し、ご本人の動きなどを確認しながら、必要な住宅改修を決めていきます。
これを家屋評価といいます。
退院する日に合わせて、住宅改修が完了しておくように調整しましょう。
またほかのサービスについても同様に調整を行うことになります。
事例の二番目「Bさん」の場合は、すぐに介護保険サービスが必要になるでしょう。
地域包括支援センターに現在の生活状況などを伝えておけば、必要な介護サービスの提案をしてくれます。
家族がなにをどう決めたらよいのかわからなくても、その提案の流れにそって介護サービスを決めていけばいいと思います。
Bさんのケースでは、冷蔵庫に同じものが入っていたり、賞味期限切れのものがあるなどの症状がありますので、ヘルパーによる生活支援が必要だと考えらます。
サービスを活用して、Bさん自身が自立した生活ができるように配慮していきます。
自立した生活といっても、Bさんの状況はケアマネジャーなどから離れた地域に住む家族にもお伝えすることができるため、安心できると思います。

まとめ

今回はサービスを実際に利用する流れについてお伝えしました。
とても複雑な制度ですから、なかなか一般の方では把握しづらいと思います。
そのために国は、制度と市民をつなぐ機関として「地域包括支援センター」の設置をしているのです。
突然始まる「介護」のことが、なにもわからない状態でも、地域包括支援センターに相談すれば、サービスについては解決することができます。
お住まいの地域にある支援センターの場所と連絡先は、必ず把握しておくようにしましょう。

介護度判定のながれについては、こちら(介護度はどのように決まる?基準や判定方法をケアマネ視点でご紹介します)で紹介しています。

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