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介護保険

レスパイトケアをもっと利用しよう。在宅介護の継続には介護者の休息が大切です

レスパイトケアは介護者のためのサービスです。
在宅介護は年中無休で24時間体制、介護者をじわじわ追い詰めていきます。
しかし介護者の多くは「休むのが申し訳ない」と、積極的に休息をとろうとはしません。
本記事では介護者が休息をとることの重要性についてお話します。

介護者が休息をとることの重要性

レスパイトケアとは?

レスパイトケアとは

レスパイト(respite)で辞書を引いてみると、仕事や苦痛からの「一時的休止」「ひと休み」などと記されています。
レスパイトケアとは、難病の子供のお世話や高齢者の在宅介護を一時的にお休みして、介護者が休息をとる「介護者のため」のケアを指す言葉です。
具体的には要介護者を施設などに一時的に預けて、その間に介護者が体調を整えたり、気分転換してリフレッシュしたりすることです。
本記事では高齢者の在宅介護におけるレスパイトケアを中心にお話していきます。

●介護を他人に頼むことに抵抗がありますか?

介護保険制度が開始される前は、介護は家族がするものという考え方が一般的でした。
その時代を生きてきた方は、今でも他人に介護を頼むことに抵抗を示す傾向があります。
元気な自分が休んで良いのか?という罪悪感にさいなまれることも。
しかし、現在の日本は超高齢化社会。
核家族化が進み、老老介護の世帯も増えています。
老老介護の世帯が「介護は家族がするものだ」「自分が頑張らなければ」と他人に頼らず、社会とのつながりがなければどうなるか、想像してみてください。
介護者の健康状態が急に悪化すれば、在宅介護の継続は困難になります。
そうなれば、要介護者は突然どこかへ預けられることになるでしょう。
レスパイトケアの利用は不測の事態に備えるためにも有効です。

レスパイトケアにはどんなサービスがある?

レスパイトケアがなにか?が分かったところで、実際にどんなサービスがあるのかをみていきましょう。
自費で受けることのできるサービスもありますし、広い意味でいえば友人などに預かってもらうこともレスパイトケアですが、ここでは介護保険制度で利用できるサービスをご紹介します。
介護保険を使って利用できる、レスパイトケアのサービスとして代表的なのが「デイサービス」と「ショートステイ」です。

●デイサービス(通所介護)

事業者の運営する介護施設へ通い、介護サービスを受けます。
食事、入浴、レクリエーションなどのサービスのほか、事業者によっては理学療法士がリハビリテーションを行うところもあります。
レクリエーションは施設ごとに工夫されていますので、いくつか見学してみるのも良いでしょう。
デイサービスは日帰りのサービスです
デイサービスについて、以下の記事も参考になります。

関連記事:
デイサービスの1日体験利用時にチェックしたいポイントとは?
デイサービスを上手に活用する方法。温泉や食事内容、レクリエーションや様々な療法をご紹介

●ショートステイ(施設短期入所)

ショート(短期間)ステイ(滞在)の名の通り、短期間宿泊型の介護サービスです。
1泊から利用でき、原則として30日を超えて連続で利用することはできません。
宿泊することがメインなので、レクリエーションはデイサービスほど充実していませんが、基本的な見守り、食事や入浴のサービスを行ってくれます。
宿泊型のサービスですから、介護者はまとまった休息をとることができ、高いレスパイト効果が期待できます。

●レスパイトケアが要介護者に与える影響

筆者は訪問看護師をしているのですが、介護者にレスパイトケアを勧めると「自分は元気だから大丈夫」という方がいらっしゃいます。
しかし、レスパイトケアは「介護者だけのため」のものではないのです。
筆者は訪問看護をするなかで、以下のような要介護者側に良い変化が起きたケースを幾度も経験しています。

  • ○他者と関わることが苦手だった方が、デイサービスに行く日を心待ちにするようになった
  • ○身体能力が上がり、自分でできることが増えた
  • ○入浴サービスを受けることで、スキントラブルが改善した

すべての方に良い影響があるわけではありませんが、少なくとも外へ出て他者と関わること、つまり社会参加することは要介護状態になっても重要なことだと考えます。

レスパイトケアを利用するにはどうすればいいの?

レスパイトケア利用の手続き

レスパイトケアを利用するにはいくつかの手続きが必要です。

●まずは相談!窓口は市町村役所・役場、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所

一番分かりやすい相談窓口は市町村役所・役場でしょうか。
高齢者福祉の担当者が相談に応じてくれます。
次に、地域包括支援センターです。
地域包括支援センターは中学校区ごとに設置されていますので、お住まいの地域にも必ずあります。
居宅介護支援事業所がお近くにあれば、こちらで相談するのも良いでしょう。
(地域包括支援センター、居宅介護支援事業所について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。)

●要介護認定の申請

65歳になると市町村から介護保険被保険者証が届きますが、これだけではサービスを受けることはできません。
要介護認定を受けて、要介護度(どのくらいの介護が必要かを数字化したもの)を判断してもらう必要があります。
必要書類や手続きの方法は、上記でご紹介した相談窓口で教えてもらえます。
こちらも合わせてご覧ください。

●プランの作成とサービス事業者との契約

要介護度が決定したらケアマネジャー(介護支援専門員:介護が必要な人の相談に乗り、必要なサービスが受けられるようコーディネートしてくれる)と利用したいサービスについて話し合い、ケアプランを作成してもらいます。
サービス事業者と契約をしたら、サービス利用開始です。
ケアマネージャーの役割についてもっと知りたい方はこちらの記事が参考になります。

レスパイトケアの利用を勧める理由

日本の在宅介護の現状を知っていますか。
以下は、要介護者のいる世帯の世帯構成の年次推移を表にしたものです。(厚生労働省の平成28年国民生活基礎調査より抜粋)

(単位:%)

年次 核家族世帯
(夫婦のみ)
単独世帯 三世代世帯 その他の世帯 高齢者世帯
2001年 29.3(18.3) 15.7 32.5 22.4 35.3
2010年 31.4(19.3) 26.1 22.5 20.1 47.0
2016年 37.9(21.9) 29.0 14.9 18.3 54.5

表を見ると分かるように、核家族世帯、単独世帯は年々増えており、反対に三世代世帯は年々減少しています。
これは、在宅介護に関わる家族の人数が年々少なくなっていることを示しています。
また同調査によれば、介護者の悩みやストレスの有無について「ある」と答えた方は約7割となっており、悩みやストレスの原因は「家族の病気や介護」が圧倒的に多くなっています。
次いで「自分の病気や介護」「お金のこと」「家族との人間関係」「自由にできる時間がない」と続きます。
これらの悩みやストレスは、レスパイトケアを利用することで多少なりとも解消できるはずです。
要介護者のQOL(生活の質)が重視されるのと同様に、介護者のQOLも尊重されなければなりません。
「介護うつ」ご存知ですか?介護うつになるまえに、こちらもご覧ください。

レスパイトケアを利用して「無理をしない」在宅介護を

無理のない在宅介護にはレスパイトケア

「疲れた」「休みたい」在宅介護をしている方ならだれでも思うことです。
休むことに罪悪感を感じる必要はありません。
介護者が元気ならば、要介護者にも良いことが圧倒的に多くなります。
レスパイトケアを上手に使って、無理をしない介護をしましょう。
介護者の心身の状態を整えることは、在宅介護を継続する上でなによりも大切です。

参考:
厚生労働省 平成28年国民生活基礎調査の概況.(2018年10月4日引用)

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