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老後に十分な蓄えがなかったら?高齢者が資金を用意する方法を解説

資産が少ない高齢者は、どうしても老後の生活を不安に感じがちです。
しかし高齢者になっても、老後に必要なお金を用意する方法はあります。
本記事では高齢者が必要な資金を調達できる方法と、注意すべきポイントを解説していきます。

資産と収入について解説

老後の蓄えが十分ではない悩みを抱える家庭は多い

老後の蓄えが十分ではない悩みを抱える家庭は多い

お金があまりないまま老後を迎えてしまった方のなかには、「まわりはお金を持っているのに自分だけ貧乏」と思うかもしれません。
しかし老後の蓄えが十分でないことを不安に感じる家庭は、あなただけではありません。
多くの家庭が、医療費や介護費用の出費に悩んでいます。

本記事ではまずこの点について、解説していきます。

●金融資産が少ない家庭はたくさんある

「老後を過ごすには2,000万円の資産が必要」といった内容が、2019年に話題となりました。
もちろん以下に示す金融審議会の報告書にもある通り、すべての人が2,000万円の資産がないと老後を過ごせないわけではありません。

夫 65 歳以上、妻60 歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約5万円であり、まだ20~30 年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で1,300 万円~2,000 万円になる。この金額はあくまで平均の不足額から導きだしたものであり、不足額は各々の収入・支出の状況やライフスタイル等によって大きく異なる。当然不足しない場合も
ありうるが、これまでより長く生きる以上、いずれにせよ今までより多くのお金が必要となり、長く生きることに応じて資産寿命を延ばすことが必要になってくるものと考えられる。

引用元:金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」

一方で預貯金などの金融資産が少ない家庭も、少なくありません。
金融広報中央委員会が公表した「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成30年)」によると、金融資産が1,000万円を下回る世帯の比率は以下の通りです。

金融資産 60代 70代以上
なし 22.0% 28.6%
500万円未満 11.3% 11.4%
500万円以上1,000万円未満 12.3% 11.1%

上記の表を見ると、およそ2人に1人は金融資産の額が1,000万円未満にとどまっていることがわかります。
特に金融資産がない世帯が60代で2割超、70代以上では3割に迫ることは見逃せません。
この通り老後に十分な資金がないことは、決して他人事ではありません。

●お金がなくても、医療費や介護費用はかかる

「老後を迎えた方が安心して暮らすための資産運用ポイント」記事でも解説している通り、病気の治療や介護が必要となった場合は、お金がなくても支払いをしなければなりません。
その費用は、決して少額とはいえません。
たとえば介護保険を利用する場合は、以下の金額まで負担を求められる可能性があります。

  • 市区町村民税が非課税の世帯は、月額24,600円(生活保護受給者などは1人あたり月額15,000円)
  • 市区町村民税が課税されている世帯の場合は、月額44,000円

もちろん健康保険や介護保険外の費用は、別途負担しなければなりません。
このため生きていくために必須とはいえ、十分な資産がない家庭にとって、医療費や介護費用はどうしても負担に感じざるをえません。

●生活を切り詰める老後の日々は、ぜひとも避けたい

ここまで解説した通り、いかに生活が苦しくても、医療費や介護費用は必要です。
医療費についてはジェネリック医薬品を選ぶ方法はありますが、削減するにも限度があります。
そのぶん、衣食住に関するほかの費用を削らざるを得ません。

もちろん、「生活が苦しくてもなんとか切り詰めて日々を過ごす」ことは1つの選択です。
しかし、このようなことはできれば避けたいものです。
可能であれば少しでも資金を多く用意して、余裕のある老後を過ごしたい方は多いでしょう。

高齢者が資金を増やせる代表的な方法を紹介

高齢者が資金を増やせる代表的な方法を紹介

ここでは、高齢者が資金を増やすことができる方法を紹介します。
現役世代よりも選択肢が少ないことは確かですが、高齢者でも新たに資金を用意することは可能です。
どのような方法があるか、順に確認していきましょう。

●高齢者でも、働いて収入を得ることは可能

現役世代と同様、働くことは資金を増やす主な方法の1つです。
内閣府「平成29年版高齢社会白書」によると、65歳以上の正規・非正規就業者数は以下の通り、増加し続けています。

正規の従業員 非正規の従業員 合計
2013年 81万人 204万人 285万人
2016年 99万人 301万人 400万人

ところで「70歳まで雇用を延長!介護の仕事で70歳まで雇用できる?雇用率が高い仕事とは」記事でも解説の通り、高齢者が働ける職種は介護や清掃が代表的です。
これらの職種では、90歳を超えても働いている方がいます。
しかし高齢者を求める業種は、これに限りません。

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構と厚生労働省は、「高年齢者雇用開発コンテスト」を毎年開催しています。
上位に入賞した企業のうち、70代以上の高齢者の力を積極的に生かす企業の業種は、以下のとおり多彩です。

  • ○食品の製造・販売
  • ○飲食業
  • ○学童保育などの社会福祉事業
  • ○先行技術の調査
  • ○情報サービス業

皆さまの想像以上に、高齢者はさまざまな業種で活躍できるのです。
もちろん高齢者を求める企業を探し、入社することは簡単ではありません。
しかし努力次第で、多くの職種で仕事を見つけることは可能です。

働いて収入を得ることができれば、年金を繰下げ受給できる可能性が高まります。
もし繰下げ受給ができれば、将来1年間に受け取れる年金額が最大で42%も増えます。
このため今だけでなく将来の収入も増やせる点で、一石二鳥の方法です。

また金融審議会の報告書で触れられている通り、高齢者が働く動機には「健康にいいから」「いきがい、社会参加のため」といったものが挙げられます。
このように働くことには、お金以外のメリットが得られることも見逃せません。

●資産運用はリスクの低い商品を主体にする

十分とはいえないまでもある程度まとまったお金をお持ちの方は、「資産運用でお金を増やそう」と考えるかもしれません。
しかし「老後を迎えた方が安心して暮らすための資産運用ポイント」記事でも解説の通り、一部の方を除き、高齢者は高い収入を得にくいものです。
このため、一度資産を減らすと元に戻しにくいことに注意が必要です。

従って高齢者が資産運用をする場合は、リスクの低い商品への投資を主体にすることをおすすめします。
積極的にお金を増やしたい方でも、株式や投資信託、外貨預金など「リスクのある金融商品」は、全体の3割までにとどめましょう。

特に以下の商品はリスクが高いため、避けることが賢明です。
ときには業者から「儲かるのでおすすめ」と勧誘されるかもしれませんが、商品の内容をよく確認し、検討することが重要です。
仕組みがよくわからない商品には、投資をしないようにしましょう。

  • ○先物取引
  • ○暗号資産(仮想通貨)
  • ○FX(外国為替証拠金取引)
  • ○信用取引

●スキルのある方はクラウドソーシングサイトなど、業務委託の仕事も1つの方法

もしスキルをお持ちの方は、クラウドソーシングサイトなどを活用し、業務委託の仕事を受けて収入を増やすことも1つの方法です。
これらの仕事は、会社のように年齢制限がないことが魅力です。

一方で高齢者だから高い評価を受けるわけではなく、仕事の評価は成果物の良し悪しにより決まります。
このため、年齢に関係なく実力を求められることには、注意が必要です。

老後に資産を増やすための心構え

ここまで、老後に資産を増やせるさまざまな方法を解説しました。
本記事の最後では、資産を増やすための心構えを3点取り上げ、解説していきます。

●経験やスキルを棚卸しして、幅広く探す

仕事で収入を上げて資産を増やそうと考える場合は、前職を生かすことは1つの手段ですが、あまりこだわらないことも重要です。
お持ちの経験やスキルを一度棚卸しした上で、幅広く仕事を探すことがおすすめです。
これにより、いきいきと働ける仕事が見つかる可能性もあります。
また適切な仕事を選ぶことで収入アップだけでなく、生きがいを得ることにもつながります。

●一獲千金を狙わない

「資産運用をする」項目でも述べた通り、いくら高い収入を得られる可能性があるからといって、リスクの高い方法を取ることは避けるべきです。
それは単純に収入源や資産を失うことにとどまらず、逆に借金を背負う恐れもあります。特に悪質な事業者は高齢者を狙い、「一獲千金を狙いませんか」などと勧誘してくるかもしれませんが、このような危険な誘いには乗らないことが重要です。

資産が少ない高齢者でも、努力と心がけ次第で必要なお金を用意できる

高齢者になっても収入を得てお金を用意する方法は、想像以上にバラエティに富んでいるものです。
そのため資産が少ないまま高齢者になった方でも、「もう死ぬまでギリギリの生活を続けるしかない」などと思いつめる必要はありません。
努力と心がけ次第で、資産を増やすことも可能です。
お持ちのスキルに合った方法を選んで、老後を少しでも豊かに過ごすための資金を用意するように努めましょう。

参考:
金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」.pp.15-16,21(2020年1月9日引用)
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査 各種分類別データ(平成30年).(2020年1月9日引用)
オージー技研 老後を迎えた方が安心して暮らすための資産運用ポイント.(2020年1月9日引用)
オージー技研 高所得者は高額介護サービス費の上限額が倍増!見直される内容とは.(2020年1月9日引用)
厚生労働省 平成29年8月から月々の負担の上限(高額介護サービス費の基準)が変わります.(2020年1月9日引用)
内閣府 平成29年版高齢社会白書(全体版)4 高齢者の就業(2020年1月9日引用)
オージー技研 70歳まで雇用を延長!介護の仕事で70歳まで雇用できる?雇用率が高い仕事とは.(2020年1月9日引用)
金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」資料.P4(2020年1月9日引用)
高齢・障害・求職者雇用支援機構: 「90歳まで現役を」を合言葉に柔軟で多様な雇用形態を構築 株式会社 ハラキン(茨城県鹿嶋(かしま)市). エルダー2016年10月号: 8-11, 2016.
高齢・障害・求職者雇用支援機構: 高齢従業員の声を改善のヒントに理想の職場づくりに挑戦 有限会社 おとうふ家族(茨城県笠間(かさま)市). エルダー2016年10月号: 12-15, 2016.
高齢・障害・求職者雇用支援機構: 75歳定年と職務の多能化がもたらした融和と結束力 株式会社セブンレストランシステム(北海道札幌市). エルダー2017年11月号: 8-11, 2017.
高齢・障害・求職者雇用支援機構: 柔軟な勤務形態などを活用し高齢職員が活躍できる職場を実現 社会福祉法人龍口会(たつぐちかい)(宮崎県串間(くしま)市). エルダー2017年11月号: 28-31, 2017.
高齢・障害・求職者雇用支援機構: 豊かな経験を仕事として地域に活かし、高齢者も地域も元気になる職場 NPO法人カローレ(埼玉県鶴ヶ島市). エルダー2018年11月号: 20-23, 2018.
高齢・障害・求職者雇用支援機構: あらゆる技術分野の最前線で活躍してきた技術者が、経験を活かして社会貢献できる職場 一般財団法人工業所有権協力センター(東京都江東区). エルダー2018年11月号: 24-27, 2018.
高齢・障害・求職者雇用支援機構: 「生涯現役」を理念に掲げいつまでも働ける職場づくりに挑戦 株式会社シーピーユー(石川県金沢市). エルダー2019年11月号: 12-15, 2019.
日本年金機構 年金の繰下げ受給.(2020年1月17日引用)
一般社団法人全国銀行協会 20代から70代まで、コレだけは知っておきたい資金計画.(2020年1月17日引用)
フジフューチャーズ 第5話「ハイリスク・ハイリターンの秘密」.(2020年1月17日引用)
DMM Bitcoin 仮想通貨詐欺、詐欺コインを見抜いて身を守るには?.(2020年1月17日引用)
All About 恐る恐るのハイリターン・ハイリスク商品.(2020年1月17日引用)
ライブスター証券 FXとは?.(2020年1月17日引用)
日経BP 高齢者が職場で決してやってはならないことは?.(2020年1月9日引用)
一般社団法人 日本人材紹介事業協会 職業紹介業 高齢者雇用推進ガイドライン 活躍するシニア 5つのタイプ ~シニア人材が企業を強くする~.p9(2020年1月9日引用)
金子雅臣: 現代組織の人間関係 職場のさざなみ 第130回 高齢者雇用の困惑. 労働法学研究会報2605: 30-33, 2015.

  • 執筆者

    稗田 恵一

  • 千葉県在住で、ITエンジニアとして約14年間の勤務経験があります。過去には家族が特別養護老人ホームに入所していたこともありました。2018年からは関東にある私大薬学部の模擬患者として、学生の教育にも協力しています。
    現在はライターとして、OG WellnessのほかにもIT系のWebサイトなどで読者に役立つ記事を寄稿しています。
    保有資格:第二種電気工事士、テクニカルエンジニア(システム管理)、初級システムアドミニストレータ

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