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入院が必要なのに保証人がいない!保証人代行サービスの特徴とポイントを解説

病気などで入院する際、ほとんどの医療機関では連帯保証人や身元保証人が求められます。
近年では、身内以外に保証人を依頼できるサービスが登場しています。
ここでは保証人の代わりとなるサービスを取り上げ、特徴と課題を解説していきます。

入院の保証人代行サービスとは

入院時には保証人が求められる場合が多い

入院する際には、多くの病院が保証人を求めていることが実情です。
2017年以降に行われた調査では、以下の通り大多数の病院で、入院時に保証人を求めています。

  • 〇神奈川県病院協会が2019年に行った調査では、全体の97%
  • 〇総務省・中国四国管区行政評価局の調査(2017年)では、中国地方の25病院すべて

一方で一人暮らしの方が増加するなど、保証人を用意できない方も少なくありません。
ここでは保証人をめぐる実情について、解説していきます。

●保証人が用意できないと、入院や転院ができない場合もある

もし保証人が用意できない場合は、入院や転院に支障をきたすケースもあります。
これについて日本医療社会福祉協会は、「身元保証を付けることができない入院患者の転院先や施設入所先が制約され、患者の権利が侵害されている」と指摘しています。

また山縣らは「医療現場における成年後見制度への理解及び病院が身元保証人に求める役割等の実態把握に関する研究」で、以下の調査結果を公表しています。

このように入院時は、多くの病院で保証人を求められることが実情です。
もし保証人を用意できない方は、代わりとなるサービスの活用が求められています。

●保証人を依頼できない方は増加する見込み

高齢化社会の進展と世帯人員の低下は、一人暮らしの高齢者が増えていることを示します。
これにより、入院時に保証人を依頼できない方の増加も見込まれています。
日本総研では2040年の見込みを以下の通り示し、早期に対策する必要性を指摘しています。

このように誰でも安心して入院できるようにするという観点でも、保証人の代わりとなるサービスが求められています。

●クレジットカードや入院保証金で代えられない場合もある

もし保証人の目的が「入院費を確実に徴収する」ためだけならば、クレジットカードや入院時の保証金で代えることも可能です。
中国四国管区行政評価局では、「実際にクレジットカード番号の登録でも可としている病院では、番号登録しておいて支払を決済できている。」という見解を示しています。

しかし保証人には医療費の確実な徴収のみならず、以下に示す6つの目的があります。

上記のように、保証人にはさまざまな役割が求められています。
一方でクレジットカードや入院保証金では、上記のうち一部の役割しか果たせませんから、保証人の代わりとはなりません。
この点でも、保証人の代わりとなるサービスが求められています。

保証人の代わりとなる2つのサービス

もし保証人が用意できない場合、その代わりとなるサービスはいくつかあります。
ここでは2つのサービスを取り上げ、それぞれの特徴を解説していきます。

●高齢者向けサポートサービスの活用

高齢者の方は、高齢者向けサポートサービスの活用が可能です。
高齢者向けサポートサービスとは身元保証だけでなく、生活支援や金銭管理など、高齢者の生活と暮らしをサポートするサービスを指します。
入院時の身元保証サービスは、これらのメニューの1つとして提供されます。
1つの契約でさまざまなサービスが受けられ、安心が買える点で心強いサービスであることには間違いありません。
運営母体は社団法人やNPO法人、法律事務所、司法書士法人などさまざまです。

これらのサービスは、継続的に提供されるサービスが多いことが特徴です。
そのため入会金に加えて、毎月定額の利用料金がかかることが一般的です。
加えて入院時の立ち会いなどは1時間当たり数千円の料金を請求されますから、数日にわたる依頼をすると思わぬ高額な料金となる場合もあります。

●医療費用保証サービスの活用

これは医療費用保証会社と契約することで、保証人を不要とするサービスです。
賃貸物件では家賃保証会社の利用が一般的ですが、この医療費版と考えると想像がつきやすいのではないでしょうか。
保証会社によっては、病院と提携している場合もあります。

費用は保証限度額(医療費の想定額)によって変わります。
しかし身内に保証人をお願いするくらいなら、お金を払うほうが気楽という方も多いのではないでしょうか。

一方でこのサービスは「入院費に関する保証」をするだけのサービスです。
そのため手術の立ち会いや説明、日用品の差し入れなどは、身内などほかの方に依頼する必要があります。

保証人のサービスを利用する際の課題

ここまで解説した通り、保証人のサービスにはさまざまなものがあります。
そのため、身内に依頼できない方にとっては強い味方であることは確かです。

一方で、サービスを利用する際にはいくつかの課題もあります。
ここでは保証人のサービスを利用する際の課題を3つ取り上げ、解説していきます。

●申し込みにはある程度のお金が必要

高齢者向けサポートサービスや医療費用保証サービスでは、申し込む際にある程度のお金が必要です。

とりわけ高齢者向けサポートサービスの場合は、入院以外にも以下に挙げるさまざまなサービスが提供されます。
このため、初期費用は30万円~150万円と高額になりがちです。

  • 〇生活支援
  • 〇財産管理・金銭管理
  • 〇有料老人ホームの紹介
  • 〇法律相談
  • 〇不動産の管理

加えて月5,000円~15,000円程度の会費も必要となりますから、ある程度の財産を持っている方であることが求められます。
トラブルを防ぐためにも、費用の総額を計算した上で申し込むことが必要です。

●入院した際の要望にどれだけ対応可能か

入院した患者さんは以下の通り、お金以外にも対応してほしいことがあるものです。

  • 〇入院中に必要となる日用品等の差し入れ
  • 〇緊急時に病院から連絡がつくようにする
  • 〇手術の同意書への署名や、当日の立ち会い

上記の項目にどれだけ対応可能かは、サービスにより大きく異なります。
とりわけ、入院時の付き添いなどには1時間当たり数千円の費用が必要な場合も多いです。
したがって利用する際には、提供される内容や料金をよくチェックした上で申し込むことが求められます。

●サービスを提供する団体の財務状況も確認を

本来あってはならないことですが、代行サービスを提供する団体が破綻する可能性を考慮しなければならないことも課題の1つです。
その1つである「公益財団法人日本ライフ協会」は、2016年4月27日に破産開始決定を受けました。
日本ライフ協会は利用者が払い込んだお金(預託金)の保管を第三者が管理する代わりに、その3割以上を事業に流用したり他社に貸したりしたことで、国から勧告を受けました。
その後預託金の回復やスポンサーの見込みが立たず、破産に至っています。

公益財団法人は、国や都道府県から公益性を認められた団体です。
このような団体でも破綻する可能性があるため、申し込む際には可能な限り財務内容を公開している団体を選び、事前にチェックすることが勧められます。

サービスを活用する際に心がけたいこと

保証人のサービスを活用する際には、注意すべき点もあります。
ここでは4つのポイントを取り上げ、解説していきます。

●まず公的サービスを活用できないか検討する

自治体のなかには、公的サービスで保証人と同等のサービスを受けられる場合があります。
たとえば東京都足立区では、社会福祉協議会の「高齢者あんしん生活支援事業」として、以下のサービスが用意されています。

  • 〇保証人に準じた支援
  • 〇指定連絡先への連絡
  • 〇医療説明時の同席や入院契約の立ち会い
  • 〇入院セットのお届け
  • 〇入院費用のお手伝い支援

このため「保証人のサービスを利用したい」と思ったら、まず公的サービスの検討からはじめるとよいでしょう。
ただし利用できるまでに日数がかかる場合があるため、早めの情報収集がおすすめです。

●サービス内容や料金をよくチェックする

さきに解説した通り、保証人のサービス内容はさまざまです。
このため利用する場合はサービス内容や料金をよく確認し、以下の点をチェックした上で申し込むことが必要です。

  • 〇あなたの求める項目が、サービス内容に含まれていること
  • 〇支払可能な料金であること。また支払後、生活ができるだけの支出にとどまること

利用できるサービスの種類が豊富になると、どうしても料金は高くなりがちです。
そのためお金に余裕がない方は、本当に必要なサービスに絞った利用がおすすめです。

●転居してもサービスを受け続けられるか確認を

多くのサービスでは、対応エリアを限定しています。
もし転居が必要になった場合は転居先でのサービスが受けられなくなる上に、申し込みの際に入金したお金の一部、または全部が返還されない可能性もあることには留意が必要です。
このことは、保証人のサービスを契約してしまうと住む場所が制約される可能性があることを意味します。

転居が必要になる状況は、以下のように案外よくあることです。

  • 〇子どもや親戚の家で同居し、暮らすようになった
  • 〇何らかの事情により転居しなければならなくなった

安心して生活を続けるためには、転居した際に改めて別のサービスを契約することなく、今のサービスを受けられることが最善です。
そのため申し込む際には転居してもサービスを受け続けられるよう、なるべくサービスエリアが広い運営会社に申し込むことがおすすめです。

●中途解約した場合の条件も確認することをおすすめ

保証人のサービスを利用していると、あなたのニーズに合わなくなったり、もっと良いサービスを使いたくなったりすることもあるかもしれません。
その場合、なかには中途解約する方もいるでしょう。

しかし中途解約した場合、入会金や預託金など、すでに支払った金額は返還されない場合もあります。
次々とサービスを乗り換えるとそのたびに入会金を支払わなければならないため、結果として支出額が多額になってしまうおそれもあります。
このため申し込みの際に、中途解約する場合の条件を確認しておきましょう。
特に申し込み時に一括払いする場合は、慎重に検討する必要があります。

事前によくチェックすることで、保証人の代行サービスを安心して利用できる

気軽に保証人を頼めない方にとって、保証人の代行サービスは入院時の力強い味方です。
それだけに、利用してから後悔することは避けなければなりません。
「サービスを利用してよかった」と思うためにも、事前に公的サービスを含めて、幅広く情報収集することがおすすめです。
必要なサービスに絞って申し込むことで、出費を抑えることも上手な使い方といえるでしょう。

参考:
総務省中国四国管区行政評価局 入院費用等の担保についての連帯保証人以外の選択肢の設定~行政苦情救済推進会議の意見を踏まえたあっせん~.pp.1-3(2020年4月21日引用)
山縣然太朗, 他 「身元保証」がない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン(案).p6(2020年4月21日引用)
山縣然太朗, 他 医療現場における成年後見制度への理解及び病院が身元保証人に求める役割等の実態把握に関する研究.(2020年4月23日引用)
NHK 「身元保証人」がいないと…入院・手術もできない?.(2020年4月21日引用)
公益社団法人日本医療社会福祉協会 身元保証がない方の入退院支援ガイドブック.p3(2020年4月21日引用)
神奈川県病院協会 神奈川県内の病院における身元保証人等の状況.p3(2020年4月21日引用)
日本経済新聞 65%が入院時に保証人要求 医療機関、受け入れ拒否も.(2020年4月21日引用)
日本総研 超高齢社会に相応しい身元保証システムの構築を~「ヒト」に依存した身元保証は早晩行き詰まる恐れ~.(2020年4月21日引用)
厚生労働省 身元保証人等がいないことのみを理由に医療機関において入院を拒否することについて.(2020年4月21日引用)
一般社団法人椿リーガルグループ 入院時の身元保証人がいないなら.(2020年4月21日引用)
一般社団法人椿リーガルグループ 付き添い・生活支援.(2020年4月21日引用)
一般社団法人椿リーガルグループ 対応エリア.(2020年4月21日引用)
えにしの会 サポートのご紹介.(2020年4月21日引用)
えにしの会 横浜事業所.(2020年4月21日引用)
えにしの会 よくあるご質問.(2020年4月21日引用)
想いコーポレーション 身元保証(保証人代行)や終活準備など心託で承ります.(2020年4月22日引用)
NPO法人タスカル トップページ.(2020年4月24日引用)
NPO法人タスカル 支援メニューと料金.(2020年4月24日引用)
シニア総合サポートセンター 総合身元保証サポート.(2020年4月24日引用)
シニア総合サポートセンター 身元保証等の各契約プランと料金.(2020年4月24日引用)
イントラスト 医療費用保証 入院患者様向け.(2020年4月22日引用)
フィリアル 入院時に連帯保証人や入院保証金 不要!分割払可能?医療費用債務保証.(2020年4月22日引用)
呉羽総合病院 連帯保証人代行サービスについて.(2020年4月22日引用)
ソリトン 医療費用保証商品「虹」.(2020年4月22日引用)
ニッポンインシュア 入院費債務保証.(2020年4月24日引用)
消費者庁 「身元保証」や「お亡くなりになられた後」を支援するサービスの契約をお考えのみなさまへ.(2020年4月21日引用)
東京商工リサーチ TSR速報(大型倒産情報・注目企業動向) 公益財団法人日本ライフ協会.(2020年4月21日引用)
内閣府  TSR速報(大型倒産情報・注目企業動向) 公益財団法人日本ライフ協会.pp.8-9(2020年4月21日引用)
Tomaコンサルティンググループ 社団法人と財団法人の違いは何か.(2020年4月21日引用)
足立区 高齢者あんしん生活支援事業 主なサービス内容(2020年4月22日引用)

  • 執筆者

    稗田 恵一

  • 千葉県在住で、ITエンジニアとして約14年間の勤務経験があります。過去には家族が特別養護老人ホームに入所していたこともありました。2018年からは関東にある私大薬学部の模擬患者として、学生の教育にも協力しています。
    現在はライターとして、OG WellnessのほかにもIT系のWebサイトなどで読者に役立つ記事を寄稿しています。
    保有資格:第二種電気工事士、テクニカルエンジニア(システム管理)、初級システムアドミニストレータ

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