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訪問型サービスCって何をするの?リハビリ職なら知っておきたいサービス内容や関わり方の事例を紹介

「訪問型サービスCって聞いたことがあるけどどのような関わりをするの?」
介護予防事業の中でもリハビリ職が直接サービスを提供する訪問型Cですが、サービス内容や関わり方を知らない方も多いのではないでしょうか。
今回は具体的な事例を交えながら、訪問型Cのサービス内容、サービスの流れ、関わり方のポイントについて紹介します。

訪問型Cのサービス内容とポイントを解説

訪問型Cのサービス内容や実施の流れを紹介

訪問型Cのサービス内容や実施の流れを紹介

2015年から始まった「介護予防・日常生活支援総合事業」の中で、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といったリハビリの専門職が直接的に関わるサービスとして通所・訪問型サービスCは位置付けられています。
まずは訪問型サービスCのサービス内容やサービスの流れについて紹介します。

●専門職が短期間に集中して関わり生活機能の改善を目指す

訪問型Cは生活機能が低下している高齢者に、リハビリ専門職などが短期間に集中して関わることで機能の改善をはかり、以降の自立した生活へとつなげるサービスです。
具体的なサービス内容や期間を以下に示します。

サービス内容 保健師やリハビリ専門職等が自宅に訪問して、運動や口腔機能の向上、ADL・IADL・栄養の改善に向けた相談や指導、調整を行う
サービス期間 3~6カ月の短期間で行う(終了を前提とする)
サービス頻度 月に2~4回(実施主体により異なる)
サービス提供者 保健・医療の専門職(医師、保健師、リハビリ専門職等)

以上のようにサービス内容はあくまで相談や指導、調整です。
そのためリハビリ職が普段行っているような関節可動域練習や運動療法など直接的な業務は行ってはいけません。
またサービスを受けるにあたり利用者さんの自己負担はありません。

※介護予防事業全体については「介護予防・日常生活支援総合事業とは?そのサービス内容や対象者などを解説」で詳しく紹介しています。

●サービスの対象者

サービスの対象者

前述のようにサービスの利用者さんは「要支援認定者や基本チェックリストで生活機能低下が見られた高齢者(事業対象者)」です。
しかし、上記に当てはまる方が誰でもサービスを受けられる訳ではありません。
訪問型サービスCは要支援者や事業対象者の支援を行う地域包括支援センターや地域包括支援センターから委託を受けた居宅介護支援事業所の介護支援専門員による対象者の選定から始まります。
そして利用者さんを選定するための目安があります。

  • ○ADLやIADLにできないこと、やりにくくなっていることがある
  • ○筋骨格系の疾患がある
  • ○フレイルがある
  • ○障害高齢者の日常生活自立度がJ1~A2
  • ○認知症高齢者の日常生活自立度がⅠ~Ⅱb

これらの目安には、「専門職による短期集中的な助言や指導により生活機能が改善する可能性のある方」という視点が含まれます。
そのため、継続的な介入が必要な進行性の難病や認知症の方や疾患の管理が重要ながんや心不全、呼吸器疾患の方は訪問型サービスCは不向きになります。
しかし、パーキンソン病など難病や認知症の初期であれば、生活指導や環境調整で生活機能の改善が見込めるため、サービス提供の対象となる場合もあります。

●サービスの流れ

サービスの利用者は地域包括支援センターや介護支援事業所による選定のほかに、市町村で開催される地域ケア会議などで、サービス導入の必要性が提案されることもあります。
それ以降のサービスの流れは以下の通りです。

利用者の決定

サービスを受ける利用者さんの担当者と実施する事業所との連携

サービス担当者会議

サービスにおける目標設定とケアプランの確認

実施する事業所とのサービス契約

サービス実施

担当者とサービス提供者で進捗状況を随時確認

サービス終了後の社会参加のための行き先や課題解決に向けての確認

サービス卒業・社会参加

サービスCは別名「短期集中予防サービス」と呼ばれ、期間限定で集中的に関わるサービスです。
そのため、介護保険サービス利用時と比較して、より卒業・社会参加に向けて具体的な目標設定や課題の抽出が重要になります。
その点については次の項目で詳しく解説します。

目標や課題の明確化が重要!サービス提供のポイントを解説

目標や課題の明確化が重要!サービス提供のポイントを解説

サービスに関する理解を深めるために、サービスを提供する上で知っておきたいポイントを紹介します。

●事前に目標や課題を明確にしておくことが重要

短期間で目標を達成するためには、事前に達成可能、解決可能な課題を明確にしておくことが重要です。
以下の表を参照してください。

よくない目標 効果的な目標
・脚の力をつけたい
・もっと歩けるようになりたい
・食べにくいのを改善したい
・元気な生活を続けたい
・声をしっかり出したい
・今の生活を保ちたい
・脚の力をつけてゲートボールがしたい
スーパーまで歩けるようになりたい
好きな鴨南蛮をこぼさずきれいに食べたい
趣味の絵手紙を続けたい
近所の友達との会話で声が聞こえるようにしたい
・今までのように食事を自分で作りたい

左側は曖昧な目標ですので、何をもって目標達成なのか、サービスの終了につながるのかが不明瞭になってしまいます。
そのため、右側のように具体的な目標を設定すれば、効果的なサービスの内容をプログラムしやすく、達成に向けて必要な支援を行いやすくなります。
また課題に関しては、できるだけ詳しくアセスメントしておくことが重要です。
たとえば、「ゴミ出しが難しい」という課題があげられたとしても、ゴミ出しをする過程でどのような動作や作業が難しいのかが明確になっていないと課題解決に向けてのアプローチにズレが生じる危険性があります。

  • ○ゴミ出しまでに段差や坂道があるから難しい
  • ○ゴミ袋を持ち上げたり運ぶのが難しい
  • ○ゴミ袋を用意したり縛ったりするのが難しい
  • など

以上のように課題を分析して、具体的にすることでアプローチが必要な部分がどこなのかわかりやすくなります。

●思いをしっかり引き出して目標に反映しよう

サービスを提供する上で立てる目標は、利用者さんが住み慣れた地域で生活を続けるためにやりたいことという視点を踏まえる必要があります。
そのため、利用者のしたいことは何か、困っていること、楽しみ、生活の中の張り合い、大切にしている付き合いなどといった「思い」をしっかり引き出すようにしましょう。
いわゆるICFでいう環境因子や個人因子といった部分です。

  • 「今まで続けてきた楽しみは何ですか?」
  • 「昔していてもう一度してみたいことは何ですか?」
  • 「最近難しくなってきてまたできるようになりたいことはありますか?」

といった質問をしながら思いを引き出しましょう。
また興味関心チェックリストなどのツールを活用して、目標を具体的に引き出すことも有効です。

●日頃から地域資源に目を向けることを忘れずに

サービス終了後の社会参加を見据えた場合、関わるリハビリ職が参加する地域資源のことを何も知らなければ、導入に向けての具体的な介入を阻害してしまいかねません。
そのため、日頃から自分の働く施設のある地域の社会資源に関心をもち、積極的に知るようにしましょう。
介護予防拠点事業に参画したり、通所リハや訪問リハで卒業を見据えたサービスを積極的に展開したりすることで、自ずと地域資源に対する知識や理解が深まります。
そうすれば、訪問型サービスCの利用者さんの卒業先を提案できたり、具体的に知った上でプログラムを組んだりというように、アプローチの幅が一段と広がります。

リハビリ職の関わり方の事例で理解を深めよう

リハビリ職の関わり方の事例で理解を深めよう

ケアマネジャーからの依頼から目標設定、実際の支援、そして卒業後の社会参加までの事例を紹介しますのでサービスをイメージして理解を深めましょう。

●ケアマネジャーからの相談

ケアマネジャーのAさんの担当である利用者Bさん(女性)がサービスに適応されるかどうか以下のような情報提供と相談がありました。

変形性膝関節症や変形性脊椎症の既往があるBさんは基本チェックリストの結果で事業対象者となりました。
一人暮らしをしているものの以前は近所の方とも交流が頻繁にあり、杖などの歩行補助具は使わず近所の公民館で行われていた百歳体操にも参加していました。
しかしコロナウイルスによる影響で活動自粛、百歳体操も中止になり家に閉じこもりがちになってしまいました。
現在は百歳体操は再開しているものの、家の周辺は坂道があり、今の状態では近所の公民館まで行くのも不安ということです。
Bさんとしてはまた気軽に外出して、みんなと交流をしたり、百歳体操もできれば続けたいという思いがあるようです。
以前行われていた社会参加の再開に向けて、訪問型サービスCはどうでしょうか?

この相談を見てみると、サービス対象者の目安として、筋骨格系疾患であることや、活動自粛による活動性低下からくるフレイルの可能性があることがわかります。
また、卒業後の社会参加も明確であり、利用者さんの思いもくみ取れるためサービス提供は可能であると判断できそうです。

●具体的な目標設定と担当者会議での情報共有

サービス利用により生活機能の改善、卒業が可能であるということで、担当者会議を実施して具体的な目標を設定することになります。
会議ではBさんの思いをしっかり引き出し、「自分の好きなときに近所の友達と話をしに行って、300m先の公民館での百歳体操も再開して健康な生活を続けたい」という思いを目標として設定しました。
このように、利用者さんの大切にしていることや具体的な課題を目標として設定することが重要です。

●実際のサービス提供内容

サービスの初回には実際に必要な動作や環境を確認する必要があります。
今回であれば、公民館までの道のり(距離や坂道の傾斜、交通量、道幅など)をチェックして、実際にできる範囲で利用者さんと一緒に歩いてみます。
また、自宅でもできるような自主トレーニングを指導して、自粛期間中に低下したと想定される筋力の向上を目指します。
2回目以降も初回のように目標となる公民館への歩行練習を近所の方との交流も想定しながら実施します。
実際に公民館まで行けるようになれば、百歳体操にも一緒に参加して、参加後に帰宅することができるかなど、より目標実現に向けた具体的な課題を解決していきます。

●サービス卒業と社会参加への支援(必要に応じてモニタリング)

無事目標が達成できれば、必要に応じて卒業後の社会参加に対する支援やその後のモニタリングをします。
参加先の住民の方に利用者さんの状態を説明したり、注意点などの助言をしたりすることもあります。
また、一定期間過ぎたのちにモニタリングとして、実際に現場に赴いたり、ケアマネジャーに連絡を取ったりすることもあります。
事例ではうまくいった内容を紹介しましたが、目標設定や課題の抽出がうまくいかなかったり、サービスの対象者の選定が不十分であったりして結果が出にくいこともあります。
そのため、今回ご紹介したサービス内容の理解や提供のポイントを十分に踏まえることが大切になります。

訪問型サービスCを理解・実践して活躍の場を広げよう

これからの時代、リハビリ職は直接サービスを提供する「プレイヤー」としてだけでなく、自立した生活を送るために必要な助言を専門職として行う「アドバイザー」としての役割も重要になります。
また、介護予防拠点などの自立を促すために必要な社会資源の創出をしたり、地域住民が自立支援やリハビリといった視点を持てるように促したりする「プロモーター」としての役割も求められます。

そして訪問型サービスCはアドバイザーやプロモーターといった幅広い視点を踏まえる必要があります。
ぜひ機会があればサービスの提供を実践して、リハビリ職として活躍の場を広げていただければと思います。

  • 執筆者

    蔵重雄基

  • 整形外科クリニックや介護保険施設、訪問リハビリなどで理学療法士として従事してきました。
    現在は地域包括ケアシステムを実践している法人で施設内のリハビリだけでなく、介護予防事業など地域活動にも積極的に参加しています。
    医療と介護の垣根を超えて、誰にでもわかりやすい記事をお届けできればと思います。

    保有資格:理学療法士、介護支援専門員、3学会合同呼吸療法認定士、認知症ケア専門士、介護福祉経営士2級

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