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介護認定

介護認定の主治医意見書を書いてもらえないことはあるの?断られたときはどうすればよいのか

介護保険を申請するときに気になるのが主治医意見書。
「断られてしまうのでは」「ちゃんと書いてもらえるだろうか」など気になることは多々あるかと思います。
この記事では、介護認定申請から主治医意見書記入までの流れや費用についてお伝えします。

「断られない?」「書いてもらえる?」主治医意見書について解説

介護認定で主治医意見書はなぜ必要なのか

日常動作に介助が必要になってきたら介護認定を検討しましょう

要介護状態になる場合、精神的・身体的な側面からさまざまな疾病を抱えていて、その疾病の状態が影響していることがあります。
たとえば以下のようなケース。

  • ・持病の腰椎椎間板ヘルニアに加え、最近骨粗しょう症と診断され、歩行に見守りが必要になってきた
  • ・物忘れが出てきて、周囲とコミュニケーションが取れず、家にこもるようになった
  • ・変形性膝関節症の症状が進み、今まで歩けていたのに車いすが必要になった

介護認定と医学的な所見は切り離せないもので、今持っている病気の状態がどうなのかは主治医でないとわかりません。
医師が専門的知見から、現在の状態を示すのが主治医意見書なのです。

主治医意見書の記入依頼は利用者自身がするの?

主治医意見書の記入にかかる費用は市町村が負担

介護保険の利用希望者が市町村に認定申請をすると、市町村が医療機関に主治医意見書の記入を依頼するため、書類が郵送されます。
利用者自身(またはその家族)が意見書の記入を依頼することはありません。
介護保険の認定申請をすると担当者から「かかりつけ医はありますか?」と質問されます。
普段通院している医療機関を告げると、市町村から医療機関へ主治医意見書の記入依頼をするという流れです。
なお、既往歴がなく、主治医が決まっていない場合は市町村が指定した医師に主治医意見書を書いてもらうことになります。
この場合は、指定された医療機関を受診すれば、この医療機関の医師が記入することになるのです。
また、現在入院している方が認定申請をすると、入院中の主治医あてに意見書の依頼が来ます。
医師に書類を書いてもらう場合、「高額な料金がかかるのだろうか」と心配される方もいますが、主治医意見書の記入にかかる費用は市町村が負担します。
認定申請者が医療機関の窓口で書類の作成料を支払うことはありません。

主治医意見書の記入を断られることはある?

主治医意見書の記入は市町村からの依頼なので、記入を断るということはありません。
記入をしなくても特に医師に対して法的な罰則はありませんが、私が医療機関で勤務していて、「忙しいから断る」などと言っている医師は見たことがありません。
病院を受診して、診断書の記入を依頼したら断られることはないはずです。
主治医意見書の記入も、同じように医師にとっては通常の業務なのです。
ただ、要介護状態になった理由が骨折であり、整形外科を受診している場合は、市町村には整形外科の担当医の名前を告げたほうが良いでしょう。
普段のかかりつけ医が内科医だからと市町村の担当者に内科医の名を告げた場合は「介護認定の理由ではない病名なので書けません」と言われるケースもあります。
「主治医意見書を書いてもらえない」と感じる利用者さんは、市町村の担当者に伝えるべき医療機関・主治医の名前を間違っているのかもしれません。
複数の医療機関に通院している場合は、その旨をもれなく市町村の担当者に伝えましょう。
一方、医師はすべての患者さんの診察が終了した後の時間を使って書類を記入するので、書くべき書類がたまっていることは多々あります。
ケアマネジャーや市の担当者からすると、意見書が仕上がるまでに時間がかかるため、なかなか主治医意見書を書いてもらえないと感じることもあるようです。

主治医意見書の開示請求はできる?

意見書にどんなことが書かれているか気になる…開示はしてもらえないの?

利用者さんの情報は利用者さんのものですので可能です。
しかし、内容を知りたいからという理由で市町村がただちに本人やその家族に開示をするものではありません。
意見書の内容の開示については周囲の状況を配慮して、慎重に判断されます。
認定者本人に開示をした場合にショックを受ける場合もありますし、家族に開示した場合、のちの相続問題に影響することもあります。
主治医意見書の開示請求は、主に介護保険サービスを利用者さんに請求する業者が、利用者さんの同意を得て市町村に対して行うことが多いです。
これは、主治医の意見を紙面で知ることで、利用者さんの介護計画立案に生かすためのもの。
利用者さんの利益になることですから正当な理由と判断され、開示されます。
なお、医師が開示の可否を判断することはないので、担当医に開示を請求することはできません。
外来診察についていると、ごくたまに主治医に「意見書には症状を重めに書いてください」と頼んでいる方がいます。
しかし、医師にはそのようなことはできません。
マニュアルにのっとって、医学的な意見を客観的に書くだけであり、これを確認したいからと開示請求するのは難しいでしょう。

主治医意見書に対しての過剰な心配は不要

介護認定を申請した場合、記入の依頼は市町村が行うため、利用者さんが「主治医意見書を書いてもらえないかもしれない」など心配する必要はありません。
主治医が決まっていない場合でも、市町村が指定した医療機関を受診し、記入を依頼すればよいのです。
記入までの流れはシステムで決まっているものですので、気に病まなくても大丈夫だということを覚えておきましょう。

参考:
那覇市 介護主治医意見書のQ&A(2021年3月22日引用)
狭山市  Q.介護保険の申請をしたいが、主治医がいない場合はどうすればよいですか。(2021年3月22日引用)
独立行政法人 福祉医療機構 Ⅰ 介護保険制度における主治医意見書について(2021年3月22日引用)
厚生労働省 要介護認定における主治医意見書の実態把握と地域差の要因分析に関する調査研究事業報告書(2021年3月22日引用)
一般社団法人 大阪府医師会 主治医意見書マニュアル’19(2021年3月22日引用)
日本医事新報社 主治医意見書の開示請求への対応(2021年3月22日引用)

  • 執筆者

    島谷 柚希

  • 小児外科・整形外科病棟・総合病院の外来などを経て2015年より医療・看護ライターに。並行して派遣看護師としてデイサービス・整形クリニック・健診機関などで勤務しています。看護師歴は20年以上。看護の知識と実践で得たことを糧に、読者様にわかりやすい記事を届けます。

    保有資格:看護師・介護支援専門員

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