65歳以上は1日40分以上動けば健康寿命が伸びる!?政府が勧める「身体活動指針(アクティブガイド)」を解説!
日本が世界でも例がないほどの速さで高齢化となっている中、より元気に長生きするためにさまざまな取り組みが行われています。
そして、その一環として政府が進めているのが、身体活動指針(アクティブガイド)です。
そこで今回は、このアクティブガイドについて、ご紹介します!
アクティブガイドって何?
世界一の長寿国である、日本。
しかし、長寿である=健康であるとは限りません。
たとえば、同じ90歳でも、自転車に乗って趣味のために遠出する方がいる一方、寝たきりとなり日常生活すべてにおいて介助が必要な方もいます。
このように、どんなに長寿であっても、日常生活において介助を必要としてしまうのと、一人で身の回りのことをこなせるのでは、生活が全く異なってしまうのです。
そのため、政府は病気によって、料理や買い物、入浴やトイレなど、生活を送るにあたって必要最低限の行為に対して影響を受けることがなく過ごせる期間を「健康長寿」と定義しました。
そして、健康長寿の期間をより伸ばすために厚生労働省が推奨しているのが、「アクティブガイド(身体活動指針)」です。
では具体的に、どういった身体活動指針が提示されているのでしょうか?
そのポイントは、運動の時間を10分プラスすることです。
運動を行うと、体にとってさまざまな良い効果をもたらします。
しかし、なかなか日常生活に運動習慣を取り入れるのは難しいものです。
そこで、毎日運動の習慣を取り入れる前に、まずはどうすれば運動の時間を10分プラスすることができるか。
それを考えることから、このアクティブガイドは始まります。
どんな運動ならばプラス10分できるかどうかを考え、実際に行い、目標を達成したうえで、その効果を周囲へ伝えていく。
この流れができれば、どんどん運動習慣の輪は広まっていきます。
それが、この身体活動指針(アクティブガイド)の目的です。
●年齢に応じた推奨運動時間
運動時間は、年齢によって適切な時間に変動があります。
アクティブガイドでは、16歳~64歳までは1日あたり60分、65歳以上は1日あたり40分を推奨しています。
この年齢は、国や政府における「高齢者」という区分が65歳以上となるために制定されているものであり、実際には65歳になったからといってすぐに20分も運動習慣を下げて良い、というわけではありません。
65歳未満の場合、通学や通勤、育児や介護などで外に出る機会が多く、それに伴い自然と歩くなど運動する時間も長くなります。
一方、高齢者になるとそういった機会が減少することから、運動量が低下することが考えられるため、推奨運動時間がやや短く設定されています。
日常生活におけるプラス10分のヒント
日常生活の中にプラス10分の運動時間を作るにあたり、そのヒントとなるお勧めの運動を5つご紹介します。
この運動ならば、日常生活の中に組み込みやすいのではないでしょうか?
●階段の上り下り
普段、何気なく乗っているエスカレーターやエレベーターをやめて、まずは「階段の上り下り」を意識してみませんか?
普段デスクワークでなかなか動く機会がない方でも、通勤時や会社内での移動時に階段を使うだけで、運動量は多くなります。
●タイムウォッチを使って、床掃除
この方法、実は筆者が自宅で行っている運動方法です。
タイムウォッチを10分間にセットした後、終了の合図があるまで音楽をかけながらひたすら床を掃除します。
小学生時代のように部屋中を雑巾がけすると、運動にもなるし、家がきれいになるしまさに一石二鳥です!
●車からバス、バスから徒歩へ
普段の移動手段が車の方はバスへ、バスの方は徒歩へ変更してみましょう。
たったそれだけで、歩数は飛躍的に増えます。
特に車がある方の場合、近所のコンビニなどでも車を使ってしまいがちです。
車で5~10分程度の場所ならば、歩いても数十分で着くことができます。
移動手段から運動できる10分を見つけてみませんか?
●自転車に乗ってみる
電車やバスといった公共交通ではなく、自転車に乗って移動することも、立派な運動の一つです。
あえて電動ではない、シンプルな自転車にすることで運動効果はより上がります。
都市部ではレンタサイクルといって、気軽に自転車を借りられる制度もあるため、休み時間にちょっと自転車でサイクリング、も可能となりつつあります。
まとめ
筆者は看護師として、糖尿病患者さんへさまざまな生活習慣改善を提案していたのですが、中でも一番大変だと感じたのがこの運動習慣でした。
食事は血糖値というすぐ目に見える効果がある一方、運動はなかなか効果が表れないため、やる気が続かなくなってしまうからです。
運動はなにより、長期間継続して行うことが重要です。
あなたもぜひ今日から、運動時間プラス10分を意識することから始めてみませんか?
参考:
厚生労働 「健康づくりのための身体活動基準2013」及び「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」について(2018年3月4日引用)