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  • syusei

    公開日: 2019年02月28日

高齢者の介護予防におすすめなウォーキングのコツを理学療法士が解説します

介護が必要になる状態を予防して、健康寿命を伸ばすためには運動が欠かせません。
なかでも特別な器具を使わず、気分転換をしながら気軽に運動ができるウォーキングはおすすめです。
姿勢を良くして歩くことはよく知られていますが、そのほかにも効果的なウォーキングをするコツがあります。
今回は、介護予防のために必要な歩く速さや歩数、ウォーキングを継続するための方法を解説します。

介護予防のために必要な歩く速さや歩数、ウォーキングを継続するための方法を解説

なぜ介護予防にウォーキングなの?おすすめの理由を紹介

なぜ介護予防にウォーキングなの?おすすめの理由を紹介

年齢を重ねると身体や心に変化が起きて、転倒や日常生活の不都合がおきやすくなります。
その結果、身の回りのことに介護が必要になってしまいます。
このような高齢になり健康や生活に不都合がおきやすい状態を「フレイル」と呼んでいます。
そのため、身体や心の健康を保ち、フレイルを予防することが介護予防では重要になります。

●身体の健康とウォーキングとの関係

高齢になると筋力や体力など、さまざまな身体の機能が低下しますが、特にフレイルの原因の1つである「歩く速さの低下」は、将来的に介護が必要となるリスクをあげる要因となるとされています。
さらに、歩く機能の低下は寿命の低下や日常生活の動作を阻害する要因となるという研究もあります。
そのため、ウォーキングにより歩く力をしっかり保つことは身体の健康に非常に重要です。
また、日常的に体を動かす量が低下することも、介護が必要になるリスクを高める大きな要因です。
もっとも一般的で簡単な運動の1つであるウォーキングは、活動量を保つために最適です。
実際、内閣府が調査した国民が行っている運動・スポーツ種目では、ウォーキングが圧倒的に多く行われています。
高齢者の結果においても、60歳代では60%、70歳代では70%もの人がウォーキングを行っています。

●認知症とウォーキングとの関係

認知症の予防には運動がおすすめですが、とりわけウォーキングや自転車、水泳などの有酸素運動が効果的とされています
たとえば、普段の歩く量と9年後の脳について調べた研究では、歩く量が多い高齢者の方が、脳の中で記憶に関連する海馬(かいば)などの量が保たれていたと報告されています。
このように、ウォーキングは有酸素運動の1つとして、脳を活性化させ認知症を予防する運動としておすすめです。

効果を出すために知っておきたい「歩く速さ」と「歩数」

 効果を出すために知っておきたい「歩く速さ」と「歩数」

介護予防のためには、ただ歩くだけでなく、歩く速さと歩数を工夫して歩くことで、より効果的なウォーキングになります。
そこで、おすすめの速さと歩数を具体的な効果を交えながら紹介します。

●「速く歩く」をまぜながら歩く

健康を保ち介護を受けずに生活を続けるためには、軽めの運動より、少し負荷をかけた運動をする必要があります。
運動の強さの目安として、METsと呼ばれる数値が使用されますが、普通の速さで歩く場合は約3METsとされています。
介護予防に効果的な運動は3METs以上6METs未満の強さとされ、階段の上り下りや畑仕事などに相当します。
そのため、ウォーキングで3METs以上の強さを行うためには、普通の速さだけではなく、「速く歩く」時間を加えることが必要になります。
「速く歩く」の目安は、歩いたときの自分の感覚で「少しきつい」と感じる程度の速さです。
具体的なウォーキング方法としては、「インターバル速歩」と呼ばれる方法がおすすめです。
インターバル速歩は「ゆっくり歩く」のと「速く歩く」を数分ごとに交互に繰り返して歩く方法です。
そして、速く歩くの合計が15分以上となるように歩くことで、効果的な強さの運動を行うことができます。
たとえば、「ゆっくり歩く」と「速く歩く」を3分間ずつ交互に歩けば、30分間のウォーキングで「速く歩く」を15分間行うことになります。

●歩数は体の状態によって変える

歩数は体の状態によって変える

青柳らの研究によると、介護が必要な状態を予防するためには、1日5000歩のウォーキングが効果的と報告されています。
また、高血圧や糖尿病の生活習慣病を防ぐために必要な歩数は8000歩以上が目標とされています。
より詳しい歩数の目安は、東京都健康長寿医療センターの報告を参考にしましょう。
以前は厚労省が国民の健康を保つために「1日1万歩」というスローガンを提唱していましたが、重要なのは歩数に加えて「適切な強さの運動を行う」ことです。
そのため、上記の歩数を目安にしながら、「速く歩く」を組み合わせてウォーキングをしましょう。

ウォーキングを継続するためのポイント5つ

「ウォーキングをしても三日坊主」という方も少なくありません。
そこで、理学療法の現場でも実践している継続するためのポイントを5つ紹介します。

●歩数計を使う

歩数を確認するためには、歩数計の使用は欠かせません。
運動を行った量が具体的になるため、目標が立てやすく、目標に達成したかどうかも確認しやすいです。
最近は、安価な歩数計やスマートフォンのアプリを使用した歩数計もあり、高齢者で活用した研究もみられています。

●毎日記録をとる

毎日の記録をとることで、継続することでの歩数の増加や体調などによる歩数の変化などがわかるため、ウォーキングを習慣にするきっかけを作ることができます。

●目標を設定する

歩くことを目標にするのではなく、ウォーキングの先につながる目標を設定すると、目標達成に向けてモチベーションを保つことができます。
以下に目標の例を挙げてみます。

  • ○膝や腰の痛みを減らす
  • ○血糖値や血圧などの数値を下げる
  • ○ウォーキング大会に参加する
  • ○体力をつけて孫と一緒に野球をする
  • ○1週間続けたらおいしいランチ
  • など

●歩くコースを工夫する

景色のいい場所やいつも通らない道など、歩くコースを同じにするのではなく楽しみが持てるように工夫することができるのも、ウォーキングの魅力の1つです。

●無理に毎日行わない

運動をすると決めると「毎日しなければ意味がない」と思われる方も少なくありません。
もちろん、毎日やるのはいいことですが、あまり気負いすぎるとウォーキングを続けることが苦痛になりかねません。
先ほど紹介したインターバル速歩であれば、週4回以上の頻度でするのが目標です。
また、高齢者が健康を保つためには3METS以上の運動を週に150分(50分の運動では週3回)ほど行うのが効果的との報告があります。

無理に毎日と思い込まず、休みを挟みながら無理のない範囲で継続できるようにしましょう。

●代わりの運動を用意する

代わりの運動を用意する

ウォーキングを継続する上で障害となるのが気候や天気です。
とりわけ、近年の夏の暑さは屋外での活動で健康を損ねる危険性が少なくありません。
また、雨や雪など天気の影響も受けてしまうため、梅雨や雪の多い地域ではウォーキングの継続に支障をきたします。
そのため、ウォーキングの代わりになる運動を用意しておき、運動をしない期間が長くならないように注意しましょう。
以下にウォーキングの代わりになるおすすめの有酸素運動を紹介します。

効果のあるウォーキングでいつまでも健康的な生活をしよう

健康ブームの中でも、ウォーキングは非常に気軽にできる運動として、多くの高齢者が行っています。
せっかく運動を行うのであれば、効果のある方法を知った上で行って、しっかりと健康を保ちたいものです。
そのために、歩く速さや歩数に注意しながら、楽しく継続できるように工夫をすることが重要です。
効果のあるウォーキングを継続して、いつまでも元気で、生き生きとした生活を送りましょう。

参考:
Makizako H, et al : Impact of physical frailty on disability in community-dwelling older adults:A prospective cohort study. BMJ Open 5(9):e008462,2015.
内閣府 スポーツの実施状況等に関する世論調査(平成29年11月〜12月実施).(2019年2月21日引用)
東京都健康長寿医療センター 研究所NEWS No.265.(2019年2月21日引用)
Erickson K.I, et al :Physical activity predicts gray matter volume in late adulthood: The Cardiovascular Health Study.Neurology75(16):1415-1422,2010.

  • syusei

    公開日: 2019年02月28日

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