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アクティブシニアの定義や特徴とは?定年後・老後を元気に過ごすためのライフスタイルや就労のあり方

高齢者になると、生き生きと元気に過ごせる方もいれば、そうでない方もいます。
もちろん病気に逆らえないこともありますが、できるだけ元気に過ごしたいという思いは多くの人に共通しているものです。
今回は、毎日を活動的に過ごす「アクティブシニア」について、定義やライフスタイル、就労のあり方をご紹介していきます。

アクティブシニアの定義や特徴とは

アクティブシニアの定義や特徴とは?

何歳から「シニア」と呼ばれるのか、どんな条件を満たせば「アクティブシニア」なのか、といった明確な定義はありません。
アクティブとは、「active(活動的な)」という英単語に由来しています。
一般的に「アクティブシニア」といえば、定年退職したり、65歳以上になったり、年を重ねても活動的な方を意味します。

  • ●まだまだ元気に活動したい
  • ●年をとっても仕事を続けたい
  • ●社会貢献がしたい
  • ●健康増進に努めたい
  • ●趣味を楽しみながら過ごしたい
  • ●生涯現役でいたい など

このような価値観があり、生き生きと過ごしている方をアクティブシニアと呼びます
「もう年だから、なにもしないで家でゆっくりしたい」と不活発に過ごしている方は、アクティブシニアには該当しません。
身近なシニア・高齢者の方を思い返してみて、「若々しい」「元気に活動している」「仕事や趣味を楽しんでいる」という人がいれば、アクティブシニアといえるでしょう。

アクティブシニアのライフスタイル・行動特性

アクティブシニアと呼ばれる人には、旅行・スポーツ・趣味などを楽しむという特徴があるといわれています。
どれもエネルギーが要ることであり、行動に移していれば「活動的」と思われることばかりです。
アクティブシニアのライフスタイルや行動特性に関してよく取り上げられる3つの項目をひとつずつみていきましょう。

●旅行を楽しむ

旅行を楽しむ

ひと言で旅行といっても、日帰り旅行や一泊旅行から海外旅行まで選択肢は幅広いです。
旅行に行くということは、言葉で表す以上にさまざまな機能が求められます。
まず、旅行に行くためには活動に対する「意欲」がわくことが前提となります。
「外に出るのはおっくうだ」「そもそも家から出たくない」という気持ちで過ごしていては、なかなか思い切って行動できません。
行き先を決めて、本やインターネットで情報収集を行い、航空券やホテルの手配をして、荷造りをする過程では、意外と頭を使うものです。
そして、実際の旅行が始まれば、移動や観光においては体力が求められます。
ただ、体力に自信がないときは、高齢者向けのゆったりした旅程のツアーも組まれているため、一度参加してみると「自分もまだまだアクティブに過ごせる」という自信につながるかもしれません。

●スポーツを楽しむ

スポーツを楽しむ

スポーツクラブやジムに通うのは、若者だけではありません。
アクティブシニアのライフスタイルには、スポーツや運動の習慣が組み込まれているといわれています。
社交ダンスや卓球、ゲートボール、エアロビなど、興味のある運動に取り組んでいるアクティブシニアは非常に多いのです。
定期的に外出する機会にもなるため、体を動かす良いきっかけとなります。
継続的に運動することで体力がつくと、アクティブシニアとして元気に過ごす上での資本となるでしょう。
また、スポーツや運動を通してアクティブシニアの仲間ができ、そのネットワークからさらに活動的に過ごすためのヒントが得られることもあります。
運動習慣を身につけると、生活習慣病の予防にもつながるため、一石二鳥といえます。
まずはウォーキングから始めたいという方は、こちらの記事(高齢者の介護予防におすすめなウォーキングのコツを理学療法士が解説します)も参考にしてみてください。

●趣味を楽しむ

趣味を楽しむ

仕事や子育てなどから解放されたシニアの方は、「やることがない」という状況に陥ってしまいかねません。
家庭菜園や手芸、カメラなど、どんなことでも良いので楽しいと思える趣味を持っておくと生きがいにつながります。
書店で本を買って独学でなにかに挑戦するのも良いですし、経済的に余裕があれば習い事の教室に通ってみるのも良いでしょう。
「八十の手習い」という言葉もあるので、まだこれといった趣味がない方もなにかに挑戦してアクティブシニアに近づいてみてください。

なお、高齢者の生きがいについてはこちらの記事(高齢者にとっての「生きがい」とは?調査からわかることや家族ができるサポートを解説)でも解説しています。

就労意欲のあるアクティブシニアも増加している

就労意欲のあるアクティブシニアも増加している

シニア層の方には、長年培ってきた経験やスキルを生かして、まだまだ働きたいという意欲をお持ちの方も増えています。
特にアクティブシニアと呼ばれる方は就労にも意欲的であることが多いです。
実際の就労状況や就労のメリットをみていきましょう。

●シニア層の就労状況

2018年に総務省が発表した統計によると、高齢者の就業者数は807万人で、14年連続で増加しています。
就業者の総数に対して高齢者が占める割合は12.4%であり、働く人の1割以上が高齢者というデータになっています。
自営業者や役員を除くと、雇用者の多くがパート・アルバイト、契約社員として働いています。
働くシニアの多くは、「自分の都合の良いときに働きたい」「家計の足しにしたい」という思いから、非正規雇用を選択しています。

●社会参加は健康維持にも欠かせない

「元気だから仕事ができる」という思いから就労を始めても、結果的に「仕事をするから元気でいられる」といった恩恵も生じます。
仕事をすることによって、中年期に近い活動量を保つことにもつながります。
また、高齢者にとって社会参加の機会を持つことはとても大切であり、数々の研究からも効果が示されています。
たとえば、筑波大学などの研究グループは、社会的なつながりが弱い高齢者では、要介護になったり、死亡したりするリスクが約1.7倍になると報告されています。
有償の仕事、無償のボランティアなど形はさまざまですが、社会参加をしておくことで、結果的に自分の健康維持にプラスとなる可能性があるのです。
いつまでも健康を大切にしてアクティブシニアとして過ごしたい方には、このような観点で仕事やボランティアに挑戦するという選択肢もあります。

会社の定年、子育てからの卒業が「人生の定年」ではない

会社で定年を迎えたり、子育てを卒業したりすると、「老い」に向かっていくというイメージをお持ちの方は多いです。
ただ、それが「人生の定年」ではなく、老後生活は続いていきます。
65歳から老後生活が始まるとしても、平均寿命を考えれば約20年以上もの時間があるのです
その時間を少しでも生き生きと楽しめるものにするために、「アクティブシニア」のライフスタイルを参考にしてみてはいかがでしょうか?

なお、老後の一人暮らしに付随する不安をお持ちの方は、こちらの記事(老後の一人暮らしが不安・心配… 楽しみを持って幸せに生活するためのヒントを解説)から楽しく過ごすヒントを探ってみてください。

参考:
総務省統計局 高齢者の就業.(2019年3月20日引用)

  • 執筆者

    高木雪絵

  • 作業療法士の資格取得後、介護老人保健施設で脳卒中や認知症の方のリハビリに従事。その後、病院にて外来リハビリを経験し、特に発達障害の子どもの療育に携わる。
    勉強会や学会等に足を運び、新しい知見を吸収しながら臨床業務に当たっていた。現在はフリーライターに転身し、医療や介護に関わる記事の執筆や取材等を中心に活動しています。

    保有資格:作業療法士、作業療法学修士

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