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ウォーミングアップやクーリングダウンは必要?目的や効果、メニューについて理学療法士が解説

「運動前にウォーミングアップしているけど何に良いのか知らない…」
このように漠然とウォーミングアップやクーリングダウンをしている方も多いのではないでしょうか。
しっかり目的や効果を知ることで正しい方法の実施や効果的なメニューの選択につながります。
そこでウォーミングアップやクーリングダウンの目的や効果、具体的なメニューについて解説します。

ウォーミングアップやクーリングダウン

ウォーミングアップとクーリングダウンの目的や効果

ウォーミングアップとクーリングダウンの目的や効果

効果的なウォーミングアップ・クーリングダウンを行うために、まずは目的や効果を知りましょう。

●ウォーミングアップの目的や5つの効果

ウォーミングアップの目的は大きく以下の3つが挙げられます。

  • ○体を動きやすくする
  • ○けがを予防する
  • ○心や気持ちの準備をする

なぜこのような目的のためにウォーミングアップを行うかは、ウォーミングアップにより生じる体への効果によって理解できます。
そこで効果を5つに分けて紹介します。

1.筋肉を温める

名前の通りウォーミングアップには体を動かしたり、ストレッチをしたりすることで筋肉を温める効果があります。
筋肉は糸のような繊維が束になってできており、力を入れると繊維が伸び縮みします。
繊維の中には血液が流れているのですが、筋肉の温度が上がり血液が温められることで、ドロドロした血液がサラサラになり、繊維が滑らかに伸び縮みできるようになります。
結果として、運動したときに筋肉がスムーズに動きけがの予防につながります。

2.心拍数を上げる

運動やスポーツをすると筋肉を動かすエネルギーを作り出すため、酸素を血液の中に取り込む必要があります。
そのため、心拍数を高め、呼吸を多くすることになります。
しかし、いきなりこのような反応が体に起こると、心臓や肺などにかかる負担が大きくなるため、ウォーミングアップで事前に心拍数を上げて準備をすることが大切です。

3.脳を活性化させる

スポーツ選手がプレーの前に声を出したり、ルーティンの体操をしたりする場面を見たことがある方は多いでしょう。
これは、運動前に脳を活性化させて体を動きやすくしたり、自分のイメージ通りに体を動かしやすくするために行う行動です。
運動前に体だけでなく心の準備を行いスムーズに運動を始めることにもつながります。

4.関節の動きを滑らかにする

ウォーミングアップにより関節を動かすことで、関節から滑液(かつえき)と呼ばれる成分が分泌されます。
滑液は関節内の動きを滑らかにする潤滑油のような働きを持つため、よりスムーズな運動が可能になり、けがの予防にもつながります。

5.神経を刺激して反応・反射を良くする

筋肉には神経がつながっており、その神経は背骨の通る脊髄(せきずい)から伸びています。
運動により筋肉が動くと神経から脊髄へと刺激が伝わり、筋肉を反射的に動かすような刺激が返ってきます。
そのため、ウォーミングアップで神経を刺激することで、瞬発的な反応や反射、一瞬に大きな力を必要とする動作をしやすくなる準備ができます。

●クーリングダウンの目的や効果

クーリングダウンの目的には以下のようなものがあります。

  • ○運動による疲れをとる
  • ○運動による体への負担を軽くする

運動は体へさまざまなダメージを与えます。
具体的には筋肉や血管の損傷や炎症、血流や酸素の不足が起こり、結果として疲労がたまったり、筋肉痛が起こったりします。
しかし、運動後にクーリングダウンをすることで、疲労の原因となる乳酸を取り除いたり、炎症を抑えたり、酸素不足を解消したりといった効果が得られ、疲労の回復や体への負担軽減が期待できます。

ウォーミングアップ実施のポイントと具体的な方法

ウォーミングアップ実施のポイントと具体的な方法

ご紹介したウォーミングアップの目的や効果を踏まえて、実施のポイントや方法を紹介します。

●体を温めるために軽めの有酸素運動が重要

ウォーミングアップでは「体(筋肉)を温めること」が重要になります。
そのため、軽い有酸素運動を実施することでじっくり体を温めながら、心f拍数の上昇ができておすすめです。
具体的には次のような運動が挙げられます。

  • ○ウォーキング
  • ○ジョギング
  • ○自転車エルゴメーター
  • ○ラジオ体操
  • ○縄跳び
    など

これらの運動を5分以上行いゆっくりと筋肉を温めたり、心拍数を上げていきましょう。
疲労を感じるほどの有酸素運動はその後の運動に支障をきたすため、疲れが残らない程度の時間や負荷で調整しましょう。

●ストレッチは動きながら行い体を冷やさないように

ストレッチには反動をつけずに筋肉を伸ばす方法と動きながら筋肉を伸ばす方法があります。
ウォーミングアップには反動をつけずストレッチをすることが多いと思いますが、あまり長く筋肉を伸ばしすぎるとその後の運動のパフォーマンスを低下させたり、けがのリスクが高まったりする可能性があります。
またせっかく有酸素運動で温めた体が冷えてしまうことにもつながります。
そのため、あまり長くせずに1つのストレッチを30秒前後にするようにしましょう。
また、ラジオ体操のように少し反動をつけながらのストレッチをすることで、体を温めるとともに、神経を刺激して体を動かしやすくする効果があります。

基本的には有酸素運動の前か後に動きを伴うストレッチをしましょう。

●最後は競技や運動の種類を考慮したウォーミングアップをしよう

体を温めて、心拍数が上がってきたら、競技や運動に合わせた動きを入れた運動をしましょう。
たとえば野球の前に素振りをしたり、サッカーの前に足上げの運動をしたりすることです。
このような動作は、ウォーミングアップの効果で解説したように体だけでなく脳が運動をする準備をして、体を動かすイメージがしやすくなります。
ランニング前でも軽くジャンプをしたり、その場で足上げをしたりして、「走る準備」を体も頭もするのがおすすめです。

クーリングダウン実施のポイントと具体的な方法

クーリングダウン実施のポイントと具体的な方法

クーリングダウンで代表的なのは運動後に「軽めの全身運動」や「アイシング」、「ストレッチ」をすることです。
それぞれの実施で期待できる効果をあわせて紹介します。

●軽めの全身運動で疲労の回復

運動後に起こる疲労や筋肉痛の原因となる「乳酸」を取り除くためには、安静にしているよりも、軽い負荷の全身運動をするほうが効果があります。
学校の体育などでも見られる「整理体操」と呼ばれるものはこのような効果を期待してされるものです。
具体的にはウォーキングや自転車運動を疲れを感じない軽い強さで行いましょう。
ジムなどでプールが併設されている場合、ジムでのトレーニング後に水中でウォーキングすることもおすすめです。

●アイシング、ストレッチで血流を改善して炎症を抑える

強い負荷のかかる運動をしたあとは筋肉に軽い炎症が起こっている状態になるので、アイシングをしましょう。
またゆっくり筋肉を伸ばすストレッチもおすすめです。
疲労や固さを感じる筋肉を反動をつけずに痛みを感じる手前くらいの強さで伸ばすようにしましょう。

※アイシングの方法は「ランナーに起こりやすいシンスプリント!整形理学療法士が自宅でもできるストレッチやトレーニングを解説」で紹介しています。

正しいウォーミングアップとクーリングダウンを知って楽しく安全な運動をしよう

運動時に体を動かしやすくしたり、けがを予防したりするためにはウォーミングアップやクーリングダウンはとても大切です。
これまで、実施してこなかった方はぜひ実施するようにしましょう。
また、実施している方も今回ご紹介したように、「実施することで体にどのような変化があるのか」を知ることで効果を高めることができます。
そして運動やスポーツの内容や種目、レベルに合わせて応用をしていただき、楽しく安全に運動をしていただければ幸いです。

参考:
谷澤誠, 飛永敬志, 他: 短時間の静的ストレッチングが柔軟性および筋出力に及ぼす影響.理学療法-臨床・研究・教育21(1): 51-55, 2014.

  • 執筆者

    蔵重雄基

  • 整形外科クリニックや介護保険施設、訪問リハビリなどで理学療法士として従事してきました。
    現在は地域包括ケアシステムを実践している法人で施設内のリハビリだけでなく、介護予防事業など地域活動にも積極的に参加しています。
    医療と介護の垣根を超えて、誰にでもわかりやすい記事をお届けできればと思います。
    保有資格:理学療法士、介護支援専門員、3学会合同呼吸療法認定士、認知症ケア専門士、介護福祉経営士2級

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