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体操・ストレッチ 新型コロナウイルス

椅子に座ったままできる筋トレで、代謝をアップしコロナ太りを予防しよう!理学療法士オススメの方法を紹介します

コロナ禍で外出自粛が続き、自宅の椅子に座っている時間が長くなると活動量が極端に減り、筋肉が痩せ、代謝も落ちてしまいます。
すると、余計に動くのが億劫(おっくう)になり、活動量が減り、体重だけが増えていくという悪循環につながります。
この悪循環を断ち切るために、座りながらできる筋トレでコロナ太りを予防する、オススメの方法をお伝えします。

座ってできる筋トレでコロナ太りを予防しよう

筋トレをすると基礎代謝がアップし、太りにくくなる!

基礎代謝 60%,熱の算出 10%,運動での消費 30%

基礎代謝とは、人が日々生きるために必要最低限なエネルギーのことをいいます。
安静にしている状態でも、内蔵を働かせることや体温維持のためにエネルギーが消費されます。
一日に消費される総エネルギーは、基礎代謝が約60%、食事を摂取することによる熱の産生が約10%、運動などの活動で消費されるものが約30%といわれています。
ここで重要なのは、基礎代謝の量は、筋肉の量に比例して増減するということです。
たとえば、筋肉ムキムキのボディービルダーと、筋肉が痩せているお年寄りの場合、ボディービルダーのほうが基礎代謝が良いということになります。
筋トレを行うことで基礎代謝が良くなり、エネルギー消費が増え、身体に余分なエネルギーが蓄積しにくくなるため太りにくくなる効果が期待できます。
では、手っ取り早く代謝を良くするには、どの部位の筋肉をトレーニングすれば良いでしょうか。
正解は、太ももやお尻まわりの筋肉です。
これらの筋肉は身体のなかでもサイズが大きく、歩くことや椅子からの立ち座りなどさまざまな日常生活動作で使用するため、筋トレをすることで自然と代謝量が上がります。
また、下半身のみならず、お腹まわりや上半身の筋トレを行うことも重要です。
特に、背中まわりやお腹まわりの筋トレを行うことで胸椎(きょうつい)と呼ばれる背骨に刺激が加わります。
これにより、日々猫背になりやすい姿勢を予防することにつながり、呼吸が安定するため代謝が良くなります。
また、猫背によってもたらされる肩こりを予防する効果も期待できます。
このため、身体のバランスを考えながら、トレーニングすることをオススメします。

太もも、お尻まわりのトレーニング

浅く座って膝を伸ばす,腕を耳に触れるようにまっすぐに挙げる

人によって筋肉量には差があるため、一概に何回を何セットという負荷量だけでは不十分になる場合があります。
トレーニングの回数、セット数に関しては、トレーニングしている場所に「疲れた」という感覚が出るまでを、1日に2~3セット実施するようにしてください。
また、いずれのトレーニングも可動域を目一杯使うことがポイントになります。
最後の最後まで筋肉を縮ませることで、筋トレの効果アップが期待できます。
ぜひチャレンジしてみてください。

●膝を伸ばすトレーニング

太ももの大腿四頭筋(だいたいしとうきん)という筋肉をトレーニングする方法です。

  1. 1)椅子に浅く座り、良い姿勢を保ちます。
  2. 2)大きく息を吸って、吐きながら片方の膝を伸ばしきります。
    1秒で膝を伸ばし、5秒かけてゆっくり足をおろします。
    身体が後ろに傾かないように注意しながら実施することがポイントです。

●足を開くトレーニング

足を開くための、中殿筋(ちゅうでんきん)、小殿筋(しょうでんきん)という筋肉をトレーニングする方法です。

  1. 1)椅子に浅く座り、良い姿勢を保ちます。
  2. 2)大きく息を吸って、吐きながら膝を伸ばしたまま足を大きく左右に開きます。
  3. 3)行けるところまで足を開き、止まったらもう一息足を頑張って開きます。
    このとき、お尻の横に力が入っていることを意識します。

●お尻を浮かせるトレーニング

お尻にある大殿筋(だいでんきん)や、もも前の大腿四頭筋、もも裏のハムストリングスを一気にトレーニングできる方法です。

  1. 1)椅子に浅く座り、良い姿勢を保ちます。
  2. 2)姿勢はまっすぐのまま、身体を前に傾けていき、スクワットのような体勢をとります。
  3. 3)できるだけ足裏に体重がかかるようにしたら、お尻を1cmだけ椅子から浮かせ、3秒止めます。
    このとき、つま先にしっかりと体重をかけるように意識してください。

●足上げトレーニング

股関節を曲げる働きのある、腸腰筋(ちょうようきん)のトレーニング方法です。
良い姿勢を保つときにも必要な筋肉なので、猫背の予防にもオススメです。

  1. 1)椅子に浅く座り、良い姿勢を保ちます。
  2. 2)鼠径部(そけいぶ)を折りたたむように意識しながら、膝を曲げたままももを上げ、3秒止めます。
    このとき、股関節の付け根に詰まるような感じがあるときは、胡坐(あぐら)をかくように足を開くと楽になります。

これらのトレーニングを行うことで、お尻まわりや太ももまわりの筋肉量が増え、代謝が良くなることが期待できます。
少ないセット数からでもいいので、まずはチャレンジしてみてください。

お腹、背中のトレーニング

腕を耳に触れるようにまっすぐに挙げる

お腹まわり、背中のトレーニングを行うことで猫背姿勢の改善が期待できます。
姿勢が良くなるため呼吸がしやすくなり、安静時の代謝アップにもつながります。
普段あまり使わない筋肉のトレーニングなので、無理せず少ない回数から始めましょう。

●お腹を凹ませるトレーニング

お腹のインナーマッスルと呼ばれる、腹横筋(ふくおうきん)のトレーニング方法です。

  1. 1)椅子に浅く座り、良い姿勢を保ちます。
  2. 2)大きく息を吸い、目一杯お腹を膨らませます。
  3. 3)ローソクの火を消すように、細く長く息を吐きながらお腹を凹ませます。
    このとき、できるだけお腹を凹ませきるようにすることがポイントです。

●足を持ち上げるトレーニング

板チョコレートのように割れた腹筋をつくる、腹直筋(ふくちょくきん)をトレーニングする方法です。

  1. 1)椅子に浅く座り、良い姿勢を保ちます。
  2. 2)お腹に力を入れ、背もたれにもたれかかるように少しだけ身体を後ろに倒します。
  3. 3)膝を曲げたまま足を地面から離し、その体勢を30秒維持します。
    このとき、腰が反らないようにすることがポイントです。

●足をバタバタするトレーニング

腹直筋により強い負荷を加えたトレーニング方法です。

  1. 1)椅子に浅く座り良い姿勢を保ったまま、両膝を伸ばします。
  2. 2)お腹に力を入れ、両足を地面から浮かし、両足を上下に軽くバタバタと30秒動かします。
    足を地面につけないように頑張ること、腰が反らないようにすることがポイントです。

●肩甲骨をななめ下に寄せるトレーニング

猫背姿勢を起こすための、僧帽筋下部線維(そうぼうきんかぶせんい)のトレーニングです。

  1. 1)椅子に浅く座り、良い姿勢を保ちます。
  2. 2)両手をバンザイした姿勢をとり、腕が耳に触れるようにします。
  3. 3)腕を90°ま横に下げながら、肩甲骨をななめ下に寄せるように背中に力を入れ、3秒止めます。
    肩をすくめないようにすること、胸をしっかり張ることがポイントです。

●肩甲骨を内側に寄せるトレーニング

肩甲骨をまっすぐ内側に寄せる筋肉の、僧帽筋中部線維(そうぼうきんちゅうぶせんい)のトレーニングです。

  1. 1)椅子に浅く座り、良い姿勢を保ちます。
  2. 2)前へならえの姿勢をとります。
    このとき、肩甲骨をしっかり前に出すことがポイントです。
  3. 3)肘を曲げ、肩甲骨を内側に寄せるようにして胸を張り、3秒止めます。
    このとき、肩甲骨を目一杯内側に寄せることがポイントです。

最初は無理せず、負荷量を調整しながら!

急に運動をはじめると、筋肉を痛めてしまうことや、関節を痛めてしまう可能性があるためしっかり準備運動をしてから始めることをオススメします。
また、運動をしている最中で明らかに痛みが出てくるときには速やかに運動を中止してください。
身体が硬くてご提案した運動ができない場合には、無理せず行うようにしてください。
椅子に座りながら行えるトレーニングのため、自宅でも簡単に実施できるものばかりです。
ご自身の健康を維持するためにも、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

  • 執筆者

    菊池 隼人

  • 理学療法士として、整形外科に勤務する傍ら、執筆活動をしています。
    一般的な整形分野から、栄養指導、スポーツ競技毎の怪我の特性や、障害予防、 自宅でできる簡単なエクササイズの方法などの記事を書くのが得意です。
    仕事柄、介護部門との関連も多く、介護の方法を自分が指導することもあります。

    保有資格等:理学療法士、福祉住環境コーディネーター2級

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