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肩こりで悩んでいませんか?理学療法士が伝授する3つのストレッチで予防しよう!

肩こりに悩まされている方は、生活様式の変化から、年々増加傾向にあります。
頻繁に医療機関を受診するわけにもいかず、なかには改善しないと諦めている方もいることでしょう。
しかし、ストレッチをすることで症状の軽減や、痛みのコントロールができることをご存じでしょうか?
今回は、このストレッチに注目し、その内容についてまとめました。

肩こりの原因となる筋肉はこれ!

肩こりには、筋肉が深く関係していると理解されている方も多いと思います。
原因となる筋肉と、なぜそのような状態になってしまうのかを述べていきます。

●原因となる筋肉はこれ!

直接的な原因となる筋肉は、肩甲挙筋(けんこうきょきん)と僧帽筋(そうぼうきん)の2つです。
2つの筋肉の共通点は、けい椎と呼ばれる首の骨と肩甲骨を結んでいることです。
これらの筋肉は、肩甲骨を頭の方に持ち上げること、腕を挙げるときに肩甲骨を大きく動かす役割を担います。
姿勢を横から見たとき、頭の位置が肩よりも前にでて、肩が前に巻き込まれるようにでてくる状態、いわゆる巻き肩になるような姿勢をとると、これらの筋肉が緊張し、硬くなります。
筋肉の中にも血管が走行しており、筋肉が緊張して硬くなることで血管も狭まります。
血管が狭まると循環が悪くなり、痛みを感じる物質が筋肉内に停滞するようになります。
その結果、肩に重だるさや痛みが引き起こされ、肩がこるような症状が現れるのです。
ほかにも、小胸筋(しょうきょうきん)や大胸筋(だいきょうきん)、ひし形筋(りょうけいきん)の硬さも原因となります。
小胸筋と大胸筋は胸側に、ひし形筋は背骨と肩甲骨の間に位置します。
胸の筋肉(小胸筋と大胸筋)が硬くなると、肩甲骨が胸の方に引き出されていきます。
それに伴い、背中の筋肉(ひし形筋)は引き伸ばされてしまうため、硬くなってしまいます。
これらの筋肉の硬さも、巻き肩の姿勢をとることが原因となります。

●姿勢、巻き肩になっていませんか?

たとえば座った姿勢でずっとスマートフォンの操作をしていたりすると、頭は前に倒れ、肩甲骨が正しい位置よりも外に出る、いわゆる巻き肩の姿勢になります。
デスクワークで長時間モニターに向かうことや、ソファーなどの座面が低い椅子にもたれ掛かるように座ることでも、同様の姿勢となります。
こうした姿勢が続くことで上述した筋肉が硬くなり、痛みが生じます。
しかしこれらの筋肉の柔軟性を改善すること、同一姿勢をとらないように気をつけることで症状の軽減が期待できます。

●予防するコツは、メリハリをつけること!

「巻き肩姿勢」をとることで、肩こりの原因となる筋肉が硬くなり、痛みが生じてしまうというプロセスは上述しました。
では逆に、良い姿勢をずっと続けていれば痛みは生じないのでしょうか?
答えはNOです。
問題なのは悪い姿勢をとることだけでなく、「姿勢を変えないこと」だからです。
同じ姿勢を続けることで症状がでるのであれば、こまめに姿勢を変えることが重要になります。
そこで、なにか長時間の作業をする際は、ストレッチをしたり、姿勢を変えるなどの「リセット」をする時間を設けると良いでしょう。
人間の集中力の持続時間はおおよそ1時間といわれていますので、この1時間のサイクルのなかで行うことをおすすめします。
たとえば50分仕事に集中したら、10分間は後述するストレッチの時間にあてていただくといったやり方です。
上記以外にも人によっては温めるとラクになるなど、その方法はさまざまですが、症状が軽減するような対策を1つでも知っているだけで、痛みのコントロールにつながります。
筋肉のリセットは良い気分転換にもなるため、普段の生活のなかにぜひ、取り入れてみてください。

理学療法士が厳選するストレッチ3選!

今回お伝えするストレッチは、上記に述べた筋肉に対するアプローチ方法です。
ストレッチを行う際には、必ず20秒は伸ばされた状態を維持するようにしましょう。
渡邊ら(2012)の研究によると、ストレッチの持続時間は20秒~60秒が効果的であるとされています。
これらの理由から、最低でも20秒実施することが重要となります。
頻度としては、1日に複数回、毎日行うと良いでしょう。
必ず実施していただきたいタイミングは、起床時と入浴後です。
入浴後のストレッチが効果的であることは、ご存じの方も多いと思います。
起床時は、長時間安静にしていたことで筋肉がこわばり、その状態をリセットするためにも実施していただくと、血液の循環が良くなり非常に効果的なのです。
では、それぞれのストレッチ方法をみていきましょう。

●肩甲挙筋・僧帽筋に対するストレッチ

  1. 1)まっすぐに姿勢を正します。
  2. 2)右耳を右肩に近づけるように、右側に首をかしげていきます。
    このとき、右肩が上に持ち上がらないように注意しましょう。
  3. 3)右手で頭の上から左耳をさわるようにし、さらに右側にかしげるように引っ張ります。
  4. 4)気持ち良く左の首から肩にかけてストレッチ感が得られたら、そこで20秒数えます。
  5. 5)反対側も同じように、1)~4)の方法でストレッチを行い、それぞれ2~3セット行います。

●胸の筋肉(大胸筋・小胸筋)に対するストレッチ

  1. 1)ひじを伸ばしたまま、両手を腰のあたりで組みます。
  2. 2)ひじが曲がらないように注意しながら、組んだ両腕を上にあげるように伸ばします。
    このとき、体が前に倒れていかないように注意しましょう。
  3. 3)胸のあたりのストレッチ感が得られたら、そこで20秒数えます。
  4. 4)このストレッチを2~3セット行います。

●背中の筋肉(ひし形筋)に対するストレッチ

  1. 1)右手で左の肩を触るように伸ばしていきます。
  2. 2)右手で左肩を押さえ、左の肩甲骨を引っぱりだすように、右肩に向かって引っぱります。
  3. 3)肩甲骨の内側にストレッチ感を得られたら、そこで20秒数えます。
  4. 4)このストレッチを2~3セット行います。

手軽にできる内容ですので、ぜひ生活のなかに取り入れてみてはいかがでしょうか?

ストレッチよりも即時的に効果を出す方法は注射?

ストレッチを行ったことで、症状が一時的に解消されたとしても、また悪い姿勢が長く続くと症状がでてきてしまいます。
「ストレッチをすると確かに楽になるけど、面倒だし、もっと劇的に楽になる治療法はないの?」
このように思われる方も少なくないでしょう。
整形外科の診療において、最近注目されているのがハイドロリリースという治療手技です。

●ハイドロリリースとは?

産婦人科でおなじみの超音波機器(エコー)を操作し、映しだされた患部に対し生理食塩水の注射を打つという方法です。
鶏の胸肉を使い、唐揚げを作るときをイメージしてください。
胸肉の周りには、薄い膜のようなものがへばりついています。
この薄い膜の部分を筋膜と呼び、筋肉の形を維持する役割を果たしています。
肩こりなどの痛みがでている部位では、こうした筋膜や筋肉同士がくっついてしまい、動かなくなっているのです。
このくっついた部分はレントゲンには写りませんが、エコーではっきりと確認することができます。
この部分に生理食塩水を注射し、くっついた部分をはがすようにすることで、痛みが解消されるというメカニズムです。
小林ら(2016)の研究では、エコーを併用しながら患部に生理食塩水を注射することで、高い除痛効果が得られたとされています。
この治療法の注意点としては、出血や感染など注射針による合併症を起こすこともあるということです。
血液をサラサラにするお薬を飲んでいる方や、痛みに敏感な方は、医師とよく相談してから実施することをオススメします。
合併症のリスクはありますが、非常に即効性のある治療法になります。
ストレッチをしてもあまり効果が得られない方や、即効性を求める場合には、こうした治療を行っている医療機関を受診してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は肩こりの予防方法について、医学的な観点からまとめてみました。
ストレッチの持続時間や頻度を守り、効果的にストレッチを実施することで、症状の軽減や改善が期待できます。
また、「同じ姿勢を継続させない」といった注意をしておくことで、さらに高い効果が期待できます。
肩こりに悩まされている方、予防したい方も、ぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか。

参考:
渡邉博史,松岡潤,他:静的ストレッチングの効果的な持続時間について.第47回日本理学療法士協会学術大会 抄録集.2012(2018年2月3日引用)
松崎正史,他:Sportsmedicine NO.193.2017(2018年2月3日引用)
厚生労働省 診療報酬点数表(2018年2月3日引用)
T.kobayashi et al.Effects of interfacial injection of bicarbonated Ringer’s solution.金沢大学十全医学会雑誌2016;125;40-9

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