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高齢者が食べるスナック菓子は貴重な栄養源!?運動後の間食をおすすめする理由を解説します!

サクッと手軽に食べられるスナック菓子を、嫌いだという方は少ないでしょう。
一方で、カロリーが高いことや添加物が気になり、食べたくても敬遠してしまう、という方もいます。
しかし高齢者においては、手軽にとれるスナック菓子を活用し、健康を維持できることをご存じでしょうか?
ここでは、高齢者とスナック菓子の意外な関係性についてまとめました。

高齢者は低栄養状態!?スナック菓子で脂質とタンパク質を効率的に補給しよう!

高齢者のなかには、低栄養になっている方が多いことをご存じでしょうか?
厚生労働省の国民健康・栄養調査(2017)によると、低栄養傾向の65歳以上の高齢者の割合は、17.9%にもなります。
つまり、高齢者の5人に1人が低栄養傾向にあるということです。
この低栄養を予防、改善するために、スナック菓子に含まれる次の成分が高い効果を発揮します。

●脂質

低栄養傾向にある高齢者の割合と比例して、1日の摂取カロリーが基準値に満たない高齢者も増加傾向にあります。
1日に必要な摂取カロリーは、消費されるエネルギーと釣り合いがとれるようにすることが適切とされています。
つまり運動や代謝によって「出ていくエネルギー」と、食品によって「取り入れるエネルギー」が釣り合わなければならない、ということになります。
厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2015)によると、1日に必要な推定エネルギー量として、70歳以上の高齢者は活動レベルに応じて、以下のエネルギーが必要であると述べています。

男性 女性
活動レベル 1 2 3 1 2 3
70歳以上 1,850 2,200 2,500 1,500 1,750 2,000

注)単位はキロカロリー

活動レベル1 生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合
活動レベル2 座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合
活動レベル3 移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合

ちなみに、日本食品標準成分表によると、おにぎり1つは約179キロカロリーです。

加齢に伴い体力が減少する、独居である、年金暮らしなどの生活要因がかさなり、うまくカロリーを摂取できないのが高齢者の特徴といえます。
その点スナック菓子は、100gで500キロカロリーをこえるものが多く、少ない量でもカロリーを補給することができるので、食の細い高齢者にもオススメといえます。

●タンパク質

肉類などの動物性タンパク質を、毎日積極的に摂取する高齢者の割合は低く、3食のうち1食にも加えていないこともあります。
これは、肉料理には加熱調理が必要であり手間がかかること、豚肉や牛肉はほかの食品にくらべて高価であることが考えられます。
高齢者における1日に必要な推定摂取量として、厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2015)では、男性60グラム、女性50グラムを推奨しています。
文部科学省の食品成分データベースによると、クロマグロの赤身100グラムでは、26.4グラムのタンパク質が摂取できます。
ちなみにスナック菓子だと、ブリットル(キャラメルにナッツを加えたもの)で100グラムあたり13.3グラム、ポップコーンは10.2グラム、クラッカーは8.5グラムを摂取できます。
このようにスナック菓子でも、こまめに食べることで1日に必要なタンパク質を補うだけの分量を摂取することができます。

スナック菓子のメリットとデメリットは?

高齢者がスナック菓子を摂取することで、必要なカロリーを手軽に摂取できるとお伝えしましたが、そのほかにもメリット、そしてデメリットもあります。

●スナック菓子を摂取するメリット

スナック菓子は「カロリー摂取」というメリットのほかに、安価に入手できることがあげられます。
タンパク質を豊富に含む食品、その代表格である肉類は、比較的高価な食材です。
年金受給者や、独居の場合はさらに調理の手間もあり、なかなか手が伸びにくい食材でもあります。
その点スナック菓子は比較的安価なものが多く、長期保存も可能なので手軽に摂取できます。
また最近では、野菜の成分を取り入れた商品もでており、お好みの味を選ぶことができるので、食べる楽しみをつくることができます。

●スナック菓子を摂取するデメリット

スナック菓子を摂取するデメリットとしては、すべての栄養素をカバーできるわけではないということです。
また、心配になるのがいわゆる添加物の存在です。
食品安全委員会の調査結果(2006)では、過去10年間食品添加物による健康被害は報告されていないと述べられています。
このため、現在のところは心配ないといえそうですが、過剰摂取には注意が必要です。
そして添加物以上に心配なのは、スナック菓子に含まれる塩分です。
高齢者に必要な塩分量は、厚生労働省(2015)によると1日に3~6gとされています。
スナック菓子にもよりますが、25g入りの小袋に0.6gの塩分が入っているものもあります。
このため、スナック菓子を選択する際には、裏の成分表にも目を向けて、1日にどのくらいの塩分を摂取しているか把握することが重要です。

スナック菓子を摂取するタイミングは運動前後!?

スナック菓子を摂取するメリットとデメリットについては、ご理解いただけたと思います。
では実際の生活のなかで、どのタイミングで摂取したらよいかについて解説します。

●運動の前後に摂取するのが効果的!

鈴木(2009)によると、スナック菓子などの高エネルギー食品は運動の前後、特に運動後に摂取すると、筋肉を合成するホルモンの活性化が得られると述べています。
一般的に、トレーニング後の30分はゴールデンタイムと呼ばれており、この時間にタンパク質を摂取することで筋肉がつきやすくなることが知られています。
加齢による筋力低下を予防するためにも、運動を実施したあとに間食としてスナック菓子の摂取を心がけると良いでしょう。
たとえば友人宅へお茶を飲みに行くとき、普段は車で行くところを徒歩に代え、その流れでお茶菓子としてスナック菓子を摂取すると、タイミングとしては効果的です。
少しずつ運動の習慣を取り入れることもおすすめします。

●高齢者は、間食を有効活用しましょう!

加齢に伴い、自然と食事の量が減ってしまうのが高齢者の特徴です。
このため、3食で栄養をまかなおうと考えてしまうと、食べるのもおっくうになりますし、食事の楽しみがなくなってしまいます。

この方法では、無理なく1日に必要な栄養素を補給することができ、空腹の時間を短くすることにもつながります。
空腹時には筋肉から必要な栄養を取りだそうとする働きがおきるため、特に高齢者は注意が必要となります。
高齢者にかぎらず、間食を有効活用することで、必要な栄養素を補給することができます。
無理のない範囲で、少しずつ取り入れてみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は高齢者とスナック菓子の関係についてまとめました。
なかなか敬遠されがちなスナック菓子ですが、塩分などに注意しながら選べば、高齢者のカロリー摂取に有効となる食品になってくれます。
また、親しい友人や知人とみんなで食べられるスナック菓子は、周囲とのコミュニケーションツールとしても非常に有用です。
3食の食事をより彩りある楽しいものにするためにも、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

参考:
厚生労働省 平成28年国民健康・栄養調査報告 結果の概要(2018.2.13引用)
厚生労働省 日本人の食事摂取基準の概要(2015)(2018.2.13引用)
日本食品標準成分表(2018.2.13引用)
文部科学省 食品成分データベース(2018.2.13引用)
食品安全委員会 食品添加物の複合影響に関する情報収集調査報告書2016(2018.2.13引用)

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