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その手のしびれは手根管症候群かも?!自宅でできるエクササイズと日常生活での工夫を解説

手根管症候群になってしまうと「指先がしびれる」「ペットボトルのふたが開けられない」などの症状がでてきます。
さらに進行すると料理や物を持つ動作にも影響がでてきてしまい、ボタンの掛け外しも困難になることがあります。
手根管症候群とはどのようなものなのか、概要と日常生活での注意点を解説していきます。

手根管症候群ってどんな病気?しびれ・筋力低下があれば要注意

手根管症候群は神経が圧迫されることによって、しびれや痛み、感覚障害や筋力の低下が起きてしまう疾患です。
なぜ神経が圧迫されるのか、その原因と症状について解説していきます。

●手根管とは神経の通り道!

手根管とは手首の手のひら側にある神経の通り道のことです。
手根管は骨や靭帯で囲まれており、トンネルのような構造になっています。
このトンネルの中には「正中(せいちゅう)神経」という神経と、指を曲げる筋肉の腱(9本)が走行しています。

●主な症状は手のしびれと感覚障害、筋力低下!

主な症状は手のしびれと感覚障害、母指球筋という親指のつけ根にある筋肉の萎縮(いしゅく)です
明け方や運動時、夜間時に症状が強くなるのも特徴です。

1)しびれ、痛み、感覚障害

しびれや痛み、感覚障害は、親指、人差し指、中指、薬指の親指側半分にでてきます。
初期は人差し指や中指のしびれから始まり、進行していくにつれて親指へと広がっていきます
また、感覚障害では、触ったときに鈍い感じがすることがサインです。
手根管症候群が重度になると手のひらまで症状がでてくるケースもあります。
手を振ると一次的に症状が改善するのも特徴の一つです。

2)母指球筋の萎縮

手根管症候群が進行すると母指球の筋肉が萎縮(やせる)し、親指と小指の指の腹をくっつける動き(対立運動)や親指と人差し指でOKの丸をつくる動きができなくなります
握力も全体的に低下していきます。

これらの症状が進行していくと、以下のような動作が困難になります。

  • ○ボタンの掛け外し
  • ○小銭を握ったり、落としたコインを拾う
  • ○字を書く
  • ○針仕事などの手先を使った細かい作業

手にしびれや痛みがあり、さらに生活場面でこうした動作がしにくいと感じるときは、手根管症候群になっている可能性があります。

●手根管症候群は女性に多い!なりやすくなる原因とは?

手根管症候群の男女比は圧倒的に女性が多いです。
筆者が勤務する病院に来院される方も、ほとんどが女性です。
男性で受診される方は、調理の仕事に従事していたり、工事現場で機械を扱うなど、手を酷使する職種の方が多い印象を受けます。
発症する原因はまだ解明されていませんが、同じ動作の繰り返しや、骨折・腫瘍などによる圧迫、加齢による組織の肥厚(厚くなること)による圧迫などが挙げられます。
また出産前後・更年期の女性がなりやすいといわれており、ホルモンバランスが影響していると推定されています。

手根管症候群の治療法は?

手根管症候群の治療は、まずは手術を行わない治療(保存療法)が用いられます。
それでも効果がなければ手術を行います。
具体的な治療方法について、それぞれ解説していきましょう。

●治療の第1選択は薬と注射!

手根管症候群の治療は、まずは安静にして、痛みや炎症を抑えるための投薬、注射を行います。

1)スプリントによる固定

安静を守るためにスプリントと呼ばれる装具を使用して手首を固定します。
手根管のなかで圧が高まると症状がでるため、手首の角度を適切に保つ目的で、装具を使用する場合があるのです。

2)薬による治療

一般的に使用される痛み止めのほかに、ビリビリとした神経系の痛みに作用する神経障害性疼痛の薬、神経を再生・保護するためのビタミン剤の投薬を行います。
湿布や塗り薬などを併用することもあります。

3)注射

手根管の中に直接ステロイドを注射して炎症や痛みを抑えます。
ステロイド注射は日本神経治療学会のガイドラインでも効果が認められています。

●改善しなければ手術も・・・

保存療法で効果が見られない方、母指球の筋肉がやせている場合は手術の適応になります。
手術にもいろいろな方法がありますが、基本的には関節鏡と呼ばれるカメラを使用する「鏡視下手術」と、皮膚を切開して直接的に患部を見る「直視下手術」が多いでしょう。
どちらも傷は小さいため体への負担は少なく、合併症が発生する率も極めて低いです。

自宅でできる運動と日常生活で気をつけたいこと

自宅でもできる運動と、日常生活のなかで気をつけたいことを紹介していきます。
基本的には腱の滑りを促す運動や筋力強化、指の細かい動作の獲得が目標になります。

●自宅でできるグライディングエクササイズ

手根管症候群に対する運動では、手根管内を走る腱が滑走(滑る)できるように促すことが重要になります。
グライディングエクササイズは、手根管内を走る腱の滑走を促す運動です。
指の関節は、爪の近くにある末端のものを第1関節として、手首方向に向かって順番に第2・第3関節と呼びます。
手首、指先をまっすぐに伸ばした状態から、次の運動を行います。

  1. 1)第1関節、第2関節は伸ばしたまま第3関節だけ曲げます。
  2. 2)手首と親指はそのままでほかの指を曲げて握りこみます。
  3. 3)第3関節は動かさずに第1、第2関節だけ曲げてひっかくような形にします。

それぞれの運動を5秒~10秒ずつ行いましょう。
この運動に慣れてきたら、手首の位置を反らしたり曲げたりした状態にして同じ運動を行うことで滑走をより促すことができます。
ただし、手首を動かすと手根管を圧迫してしびれなどの症状が強くなる場合があるため、無理のない範囲で少しずつ実践してみましょう。

●つまむ力の強化と握力強化!

1)洗濯バサミでつまむ力を鍛えよう

手根管症候群になるとつまむ動作ができなくなります。
トレーニングとしては、洗濯バサミを指でつまむようにすると、つまむ力を鍛えることができます。

2)ボールを握って握力アップ

柔らかいゴムボールを握って握力を鍛えていきます。
ポイントは握りつぶすようなイメージでギュッと握るということです。

●物を持つときは要注意!日常生活の注意点

手根管症候群になると物をつかみにくくなるため、日頃の生活にも注意が必要になります。
基本は、痛いほうの手を使用する頻度はできるだけ減らして安静にすることです。
ここでは、筆者が実際に患者さんに伝えている注意点を挙げていきます。

  1. 1)フライパンや鍋は両手で持つようにする
  2. 2)取っ手を太くして握りやすくする
  3. 3)買い物のときは重たい物は悪くないほうの手で持つようにする
  4. 4)バッグはリュックかショルダーバッグにする
  5. 5)手関節は同じポジションにせず休憩を挟むようにする
  6. 6)パソコンなどを使用するときは丸めたタオルを下に敷いて手首は真っすぐに保つようにする
  7. 7)しびれが強くなると、物を握る感覚もわかりにくくなるので、落とさないように目で見て行う

日常生活においては、できるだけ負荷を減らすための工夫を行い、できる範囲で段階的に自主トレーニングを続けてみてください。

まとめ

手根管症候群は女性に多く見られますが、女性は普段の家事などで手を酷使することが多く、しびれが出始めても安静にしていないケースが多いです。
しかし症状が進んで筋の萎縮が起きてしまうと、保存的な治療だけでは改善せず手術が必要になってしまいます。
症状が進むまえに、症状がみられたら早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることをおすすめします。

参考:
日本整形外科学会 手根管症候群(2018年3月11日引用)
日本神経治療学会 手根管症候群(2018年3月11日引用)

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