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リハビリについて

現役の理学療法士が答えます!急性期のリハビリに関する7つのQ&A

リリハビリと聞くと、関節の運動や歩行練習が想像できますが、手術直後などの急性期においてもリハビリが行われていることはご存知でしょうか。
本記事では、急性期病院に勤務する理学療法士の立場から、急性期リハビリの目的や内容などについて、Q&A形式で解説します。

急性期のリハビリに関する7つのQ&A

ここでは、急性期のリハビリに関する7つの疑問について、詳細な解説つきで答えていきます。

●Q1「なぜ急性期からリハビリが必要なの?」

A「入院前の生活動作能力を維持するためには、長期間のベッド上安静や活動量の低下を予防することが必要だからです」

解説
骨折による手術後や脳卒中を患った方だけではなく、肺炎など臓器の病気でも早い段階からリハビリを実施することが一般的になっています。
「そんな早く動く必要があるの?」と疑問に思われるかもしれませんが、これには理由があります。
園田ら(2015)によると、1日のベッド上安静によって2〜4%の筋力が低下すると報告されており、また加齢に伴う筋肉量の減少も影響して、入院中に立つ・歩くなどの基本的な動作ができなくなる恐れがあります。
「病気は治ったけど歩けなくなった」、「自分で動けないと家に帰れない」という状況を回避するために、1日も早く体を動かすことが重要です。

●Q2「急性期のリハビリってなにをするの?」

A「起きる練習や歩く練習など、動くために必要な動作からスタートします」

解説
怪我や病気などによりベッド上で自由に動くことができない場合には、まずは起きる練習や座る練習が主流となり、基本的な動作が獲得できるように進めていきます
また、肺炎や心不全などで入院された場合でも、病気による体調不良や治療中の安静によって全身の筋力が低下し、入院前にできていた動作が困難になることがあります。
そうならないために、点滴や人工呼吸器などの医療機器がつながった状態でも、可能な限り早くから動く練習を開始し、動作能力が低下しないようにすることが重要です。

●Q3「急性期病院に入院すると全員がリハビリの対象になるの?」

A「全員が対象ではなく、入院中に筋力や生活動作能力が低下する恐れのある方が対象となります」

解説
急性期病院においては、「身の回りの動作が自分で行える」、「入院中に生活動作能力が維持できる」と医師が判断した場合などは、リハビリの適応にならないこともあります
一方で、骨折をして手術をされた後や、脳卒中により手足に麻痺が残った場合はリハビリを実施する必要があります。
また、肺炎や心不全など臓器に関する病気でも、治療期間中に運動機能や生活動作能力が低下する恐れのある場合はリハビリの適応になります。
急性期のリハビリでは、低下した能力を改善するだけではなく、入院前の能力が低下しないようにすることも重要です。

●Q4「急性期でリハビリが中止になるのはどんなとき?」

A「血圧や呼吸状態に異常がある場合や、貧血が進行している場合などは中止します」

解説
手術後で痛みが強い場合や、肺や心臓の病気で全身の状態が不安定な場合でも、医師や看護師など多職種が話し合ってリハビリの方針を決めています
例として、血圧が低くて点滴をしている場合なら、「血圧は◯◯まで下がったら運動を中止しましょう」や、「息切れが強いため、ベッドから起きる動作までにしておきましょう」など、リハビリの実施については各施設ごとに一定の基準を設けています。
ただし、活動のメリットよりもリスクが大きいと判断した場合や、痛みが強くてご本人が拒否される場合などは、無理にリハビリを行うことはないので安心してください。

●Q5「どんな職業の人がリハビリに関わっているの?」

A「理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などのリハビリ専門職をはじめ、多くの職種がリハビリに関わっています」

解説
急性期に限らず、多くのリハビリ場面においては上記の3職種だけではなく、医師や看護師も協同して患者さんのリハビリをサポートしています。
まず最初に医師がリハビリ開始の指示を出し、リハビリ専門職が患者さんの身体機能や動作能力を把握します。
その後、「どんな運動なら安全に行えるか」、「動作を行うときに注意するべき点はあるか」などを多職種で相談します
その結果をもとに自主練習を取り入れたり、介助しながらトイレ動作を行ったりと、病棟生活のなかで少しでも体を動かせるように工夫してリハビリを進めます。

関連記事:リハビリテーションとは?理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の違いと役割をわかりやすく解説!

●Q6「急性期とそれ以降のリハビリの違いは?」

A「急性期では主に生活する上で基本となる動作の獲得を目指しますが、それ以降のリハビリ(回復期・生活期)では自宅環境の整備や仕事への復帰など、目的はさまざまです」

解説
急性期では、起きる・立つ・歩くなどの練習が中心になりますが、その後の回復期・生活期と呼ばれる時期では、それらの基本的な動作能力をもとに排泄や入浴の練習、家事動作の獲得などが目標になります。
また、外出や仕事への復帰など、その方の生活の質・人生の質を高めるために介入することも重要な目的です。
明確に分けることは難しいですが、急性期では基本動作、回復期以降では日常生活動作や屋外での移動など幅広い活動が重視されることが多いです。

●Q7「退院した後のリハビリはどうすればいい?」

A「回復期病院でのリハビリや、介護保険サービスでのリハビリを継続します」

解説
急性期病院では、救急搬送される方の受け入れや、手術目的に入院される方が多いため、一人ひとりの入院期間が短くなる傾向にあります。
そのため、月単位のリハビリが必要な方はリハビリ病棟やほかの病院などに移動することになります。
しかし、介護認定をお持ちの方で、退院後は介護保険サービスでのリハビリ継続が可能な場合は、デイサービスや訪問リハビリなどを導入されます
退院後のリハビリに関しては、リハビリ担当者からの説明や、介護保険サービスの担当者を交えて話し合いの場を設けるなど、ご本人・ご家族の意向を伺いながら検討します。
急性期のリハビリは約1カ月程度ですが、回復期病院や介護保険サービスでは3〜6カ月と必要に応じて期間が変わってきます。

急性期のリハビリは退院後の生活にむけた第一歩

急性期病院では、運動機能や生活動作能力を改善するだけではなく、今後のリハビリに必要な期間や実施場所などを見定める必要があります。
そのためには、リハビリ専門職だけではなく、医師や看護師など多職種が情報共有して退院支援をすることが重要です。
急性期のリハビリは、患者さんが1日でも早く自分らしい生活に戻れるように、回復期病院や介護保険サービスに橋渡しをする役割を担っているといえるでしょう。

参考:
園田茂:不動・廃用症候群.The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine.52,265-271,2015.(2018年6月24日引用)

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