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リハビリについて

高齢者に多い手首の骨折!ギプス固定中でもできるリハビリの方法を理学療法士が解説します

高齢者が転倒して手をついた場合、手首を骨折してしまうことが少なくありません。
骨折後は手術せずギプスで固定することがありますが、固定している期間もできるリハビリがあります。
そこで、ギプス固定中でも簡単に行えるリハビリの方法をご紹介します。

手首の骨折でギプス固定をしてもリハビリが必要な理由

高齢者が手をついて転倒したときにみられる手首の骨折ですが、手術をせずにギプスで固定をして、骨がつくのを待つことも少なくありません。
しかし、固定しているから、まだ骨がくっついていないからと言って全く動かさないより、リハビリを行ったほうが良い理由があります。

●関節が固まるのを防ぐ

手首を骨折した場合のギプス固定は、手首を動かさないように固定し、指や肘は動くようになっています。
そのため、骨折したからと言って、動かせるようになっている指や肘、肩の関節を全く動かさなくしてしまうと、それらの関節まで固まってしまいます。
そのため、ギプスが外れていざ動かそうとして場合に、指の関節も固まってしまったという場合があり、リハビリが遅れてしまう場合があります。

●むくみを予防する

ギプスにより関節が固定されてしまうことで、血液の循環が悪くなりむくんでしまうことが少なくありません。
むくみをほうっておくと関節が固まりやすくなったり、その後のリハビリを邪魔する原因になってしまいます。
そのため、リハビリを行いむくみを少しでも減らすことが重要になります。

●腱が癒着するのを防ぐ

ギプス固定期間に指を動かさなければ、指を動かすための腱がくっついてしまい(癒着)、動かせなくなってしまいます。
そのため、動かせる範囲で腱を動かしておき、癒着を予防します。

無理な運動は禁物!リハビリを実施する上での注意点

運動をしたほうが良いと言っても、無理に運動をしないほうが良い場合もあります。
そこで、リハビリを実施する上での注意点を紹介します。

●痛みには細心の注意をしよう

痛みがある場合に無理をすると症状を悪化させたり、合併症を引き起こす可能性があります。
専門家によるリハビリでは痛みをうまく調整しながら行いますが、ご家庭で行う場合は痛みが出るまでを動かす範囲の限界という目安にして、痛みが出ない範囲で行いましょう。

●合併症が出ている場合は無理をしない

手首の骨折では、安静にしててもずきずき痛む、骨折した部分以外の広い範囲で痛みがあるといった症状が見られる場合、合併症の恐れがあります。
少しでも異常を感じたら、必ず医師の診察を行い、医師の指示があるまでは、決して無理をしないようにしましょう。

高齢者でも自宅でできる!ギプス固定中でも行いたいリハビリ3つ

ギプス固定中に手を動かさないことで起こる悪影響を予防するために、自宅でも行えるリハビリの方法を紹介します。

●骨折している側の手を心臓の高さより上にする

循環が悪くなって起こるむくみの対策として、骨折している側の手を心臓の高さより上にしましょう。
そうすることで、固定している部分の周辺に滞った血液が、心臓まで戻りやすくなり、むくみの軽減、悪化予防になります。
運動などで一時的に手を上げるより、生活の中で手を上げる時間を確保していくほうが有効です。
例えば、テレビを見るときにテーブルなどの上にタオルをおいて心臓より高い位置にしたり、寝ているときにクッションを敷いたりといった工夫ができます。

●ギプスから出ている指の運動

手首の骨折でギプス固定をする場合、指は固定せずに動かせるようになっています。
固定されていない指を動かすことで、むくみの解消、関節の固まりを防ぐ、腱の癒着を防ぐといった効果があるので、しっかり動かしましょう。
以下に具体的な方法として、6種類の方法を紹介します。

  1. 1.全部の指をしっかり伸ばす
  2. 2.指の付け根の関節だけ曲げる(他の関節は伸ばす)
  3. 3.指の第1関節と第2関節を曲げて付け根の関節はそのまま
  4. 4.指の関節をすべて曲げて握りこぶしを作る
  5. 5.指を横に広げたり閉じたりする
  6. 6.指で輪っかを作る(人差し指から小指まで順番に)

単純ですが、様々な手の動きが含まれる運動ですので、時間があればできるだけ行うようにしましょう。
例えば、テレビのCM中、起床後、寝る前、食事前など自分の中でルールを決めて実施すると忘れずに実施でき、回数もしっかり行えるのでお薦めです。

●肩や肘の運動

手首を骨折して、肩や肘は怪我をしていなくても、ギプス固定中に動かさなければ、関節が固くなってしまってしまいます。
そのため、肘の曲げ伸ばしや、肩を回したり、バンザイしたりといった肘や肩の運動を行うことが重要です。
肩の運動では、心臓より怪我した部分を高く上げることにもなるので、むくみの予防にもなります。
指の運動と同様に、時間があるときはできる限り行うようにしましょう。

ギプス固定中でもできることはある!リハビリで後遺症を残さないようにしよう

ギプス固定中でもできるリハビリはたくさんあります。
処置をしてもらった医師と相談しながら、できる限りリハビリを継続しましょう。
また、手首の骨折は転倒で骨折することが多いため、転倒の予防も必要です。
紹介したリハビリで後遺症を残さないようにしながら、転倒予防の体操など日頃から体を動かすようにして、元気な生活を続けましょう。

参考:
病気がみえるvol.11 運動器・整形外科.MEDIC MEDIA,東京,2017,pp.324-325.
神野哲也(監):ビジュアル実践リハ 整形外科リハビリテーション カラー写真でわかるリハの根拠と手技のコツ.相澤純也,中丸宏二(編),羊土社,東京,2012,pp.156-168.
山本泰雄,小畠昌規,他:高齢者における前腕骨遠位部骨折後の理学療法. 理学療法第35巻4号:317-324,2018

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