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リハビリについて

中高年層に多いアキレス腱断裂!術後のリハビリと復帰までの流れを解説します

アキレス腱とは足首の後ろにある、ふくらはぎの筋肉の腱で靭帯で最も大きい腱になります。
ジャンプや踏み込み動作など、スポーツ中に強い負荷が加わるとアキレス腱断裂を起こしてしまい、中でも中高年層で発生することが多くなっている疾患です。
今回は中高年層に多いアキレス腱断裂術後のリハビリについて解説します。

アキレス腱断裂の原因は?なかには前兆がある場合も・・・

アキレス腱断裂はスポーツをしている最中に受傷することが多いです。
しかし、40代を過ぎてくると坂道で強く踏ん張ったり、階段を踏み外したりしたときなどに突発的な外力が加わり、スポーツ以外で受傷することが増えてきます。
これは、アキレス腱自体の組織の変化が影響しています。

●アキレス腱は退行変性していく!

退行変性とは加齢に伴って、組織が硬くなり正常の組織とは異なる性質を持ってしまうことです。
ガイドラインによるとアキレス腱断裂になる場合は腱の変性が基盤にあると述べられています。

そもそもアキレス腱はふくらはぎにある腓腹筋とヒラメ筋の2つの筋肉からなり、ジャンプやダッシュ、踏ん張るときなど足部で蹴りだすような力を発揮する動きに関わっています。
アキレス腱の変性が起こると組織が硬くなって柔軟性が低下してしまうため、急に負荷が加わったときに対応できず受傷してしまいます。
アキレス腱が断裂したときは、ブチっと大きな音がして「後ろから誰かに蹴られた」と言ってしまうような衝撃が加わります。
また、アキレス腱の部分をよく見てみるとボコッと凹んでいる(陥没)ことがわかります。
ほかの筋肉が代わりに働いて歩行が可能な場合もありますが、つま先立ちはできなくなります。

●アキレス腱が痛い場合は前兆の場合もあるので要注意!

アキレス腱断裂になる前兆として、受傷する2~3週間前にアキレス腱の部分に痛みを訴えることがあります。
これは繰り返される負荷によってアキレス腱が炎症を起こし、なかにはアキレス腱自体に小さな損傷(微細損傷)が起きている場合が考えられます。
そこで無理をして運動を続けてしまうと、アキレス腱断裂を招いてしまう恐れがあるのです。

初期に無理は禁物!アキレス腱断裂術後のリハビリを紹介

アキレス腱断裂の治療は手術療法と手術をしない保存療法がありますが、今回は手術後のリハビリについて解説します。

●腱の修復には時間がかかる!

アキレス腱が修復していくのには時間がかかります。
最初の3週間は腱の修復は不十分な状態で強度は弱く、少しの外力で再断裂を起こしてしまいます。
その後6週間程度で少しずつ修復され、数カ月から数年かけて徐々に強度を取り戻していくのです。
そのため、特に手術後の固定期間は無理は禁物で患部の安静が必要になります。
この時期は患部は安静に保ち、患部外のトレーニングを行います。

●固定期間が長すぎてもダメ!早期運動療法でリハビリをすすめよう

以前は固定期間をもっと長くしているときもありました。
現在はガイドラインによるとギプス固定から装具固定に変更し、早期に歩行や足首の可動域練習(ROMex)を行う早期運動療法が、可動域制限や筋力低下の予防、日常生活(ADL)の復帰も早く行えたと述べられています。
固定期間は各施設によって異なりますが、筆者の勤めている病院の固定期間は3週間程度で、その後アキレス腱断裂専用の装具を履いてリハビリをすすめます。

1)足首の可動性獲得

足首の可動性は歩行や階段、しゃがみ込みなど日常生活を過ごす上で重要になります。
無理に曲げようとするとアキレス腱に過度の負担がかかるため、自分の力で動かせる範囲から動かしていきます。

2)ふくらはぎの筋力強化は軽い負荷から

アキレス腱断裂で一番筋力が低下するのはふくらはぎの筋力です。
アキレス腱に負担をかけないように弱いゴムチューブを使用し、軽い負荷から徐々に強度を上げてトレーニングをしていきます。
つま先立ち(カーフレイズ)は、ふくらはぎの筋力強化に効果的ですが負荷が強すぎるため、最初は座った状態で開始し、装具除去後より立った状態で行います。

3)歩行は装具をつけて実施!足首の角度に注意して

アキレス腱断裂専用の装具は踵の部分にパッドを入れ、ハイヒールのようにつま先で歩くような姿勢になります。
この姿勢で歩くほうがアキレス腱にかかる負担が少なくなります。
足首の可動性や腱の修復に合わせて、徐々に足首が直角になるようにパッドを外していきます。
筆者の勤める病院では約4週間でパッドをすべて外し、歩行時の足首を直角にしていきます。
手術をしてから8週間程度で杖を外しての歩行へとすすめます。

上記でも述べましたが、アキレス腱の修復には時間がかかります。
そのため、この時期は再断裂に気を付けて、可動域や筋力の回復を急がないことが重要になってきます。

スポーツ復帰は長期化する場合も!再断裂にも注意しよう

通常の歩行は、手術後2~3カ月で獲得ができますが、スポーツ復帰になるともう少し時間が必要になります。

●スポーツ復帰には半年の期間が必要!

アキレス腱断裂はスポーツ活動中に多いことから、いつ頃になると復帰できるか気になる方は多いと思います。
ガイドラインではスポーツ復帰には手術をした場合、約半年の期間がかかるとされています。
保存療法の場合はさらに時間が必要とされており、スポーツ復帰を目指す方は手術を選ばれることが多いです。
片脚でのカーフレイズが安定して行えるようになった時点でジョギングへと進め、その後ジャンプ動作やスポーツ動作の練習を行っていきます。
このときにアキレス腱に痛みや違和感など、なにかしら異常を感じる場合は運動を控え、早めに医師の診察を受けたほうがいいでしょう。
また、筋力が回復していない状態で負荷を強くしていくと再断裂を起こしたり、反対側のアキレス腱断裂を受傷したりしてしまいます。
痛くないからといって無理をしないようにしましょう。

●断裂の予防にストレッチやウォーミングアップは効果的?

ガイドラインではアキレス腱断裂の予防に運動前のウォーミングアップやストレッチとの関連については一定の結論は見いだせないものの、ストレッチの有用性の検証は今後行われる必要があると述べています。
実際にストレッチを行うと組織の柔軟性は向上するため効果があると思われます。
筆者が重要と考えるポイントは、運動前のウォーミングアップ・ストレッチだけではなく運動後のクールダウン・ストレッチと日頃からストレッチを行うことです。
特にふくらはぎの筋肉だけではなく、ふくらはぎの筋肉と連結している太もも裏の筋肉やお尻の筋肉のストレッチを行うことでよりアキレス腱への負担を減らすことができます
また、テーピングを利用してアキレス腱にかかる負担を減らすことも再断裂の予防につながります。

修復過程に沿った治療とストレッチをする習慣を身に付けよう

アキレス腱断裂はスポーツ活動時に多く見られ、中高年の方に多い傾向があります。
アキレス腱の修復には長期間を要し、その時期にあったリハビリを行っていくことが重要なため、自身で勝手に判断せずに専門家の指示に従いましょう。
特にスポーツをする方は、日頃からストレッチを行う習慣を身に付けることが長くスポーツを続けていけることにつながります。

参考:
日本整形外科学会診療ガイドライン委員会編集 アキレス腱断裂診療ガイドライン(2018年9月17日引用)
林 典雄:関節機能解剖学に基づく整形外科運動療法ナビゲーションー下肢・体幹 第1版
.メジカルビュー社,2008, pp.174-177. (2018年9月17日引用)

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