高齢者の見守りセンサーは種類が多様!家族の生活に合った機器を導入しよう
高齢者になった家族に、もしものことがあったら…。
そんな思いを抱えている方は、家庭で使える見守りセンサーの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
見守りセンサーでは音や光、赤外線、超音波などを使って安全を見守り、センサーが異変を検知したら、家族のスマートフォンやパソコンに連絡がいく仕組みになっています。
見守りセンサーの種類も多様化してきているため、それぞれの特徴を理解して、ご家族の生活に合った機器を導入してみてください。
目次
高齢者向けの見守りサービスが増加中!
高齢化や核家族化に伴う需要の高まりから、見守りセンサーをはじめ、各種見守りサービスが続々と登場しています。
高齢になったご家族が心配な方は、どんなサービスが普及しているのか確認しておきましょう。
●見守りサービスの代表例
「見守りといえばセンサー」というイメージをお持ちの方も多いですが、実際にはさまざまなタイプの見守りサービスがあります。
種類 | 概要 |
---|---|
センサー型 | 各種センサーの反応から安否確認を行う |
カメラ型 | 居室や玄関などに設置するカメラで見守る (※特定のエリアにモザイクをかけるサービスもあり) |
電話型 | 電話の応答状況が家族にメールで知らされる |
訪問型 | 定期的に自宅を訪問し、家族に状況を報告する |
宅配型 | 食事などの宅配サービスで、同時に安否確認を行う |
緊急ボタン型 | 設置した緊急ボタンを押すとスタッフが駆けつける |
高齢者の見守りサービスを選ぶときに大切なのは、ライフスタイルに合っているかどうかを考えることです。
食事の宅配が必要な方であれば、そのときに見守りも兼ねて行うと一石二鳥です。
カメラ型は手軽に導入できますが、定期的に確認することが難しい場合は、ほかのサービスを視野に入れたほうが現実的です。
独居の高齢者で人との交流の機会を持ちたいときは訪問型も検討してみましょう。
見守りセンサーのメリットとは?どんな高齢者に向いている?
数ある見守りサービスの中で、「見守りセンサー」にはどんなメリットがあるのでしょうか。
ほかの見守り方法と比較したとき、どんな点が異なるのか考えていきましょう。
●見守りセンサーのメリット
見守りセンサーでは、高齢者が普段通りの生活をしているだけで安否確認ができることがメリットといえます。
電話に出る必要もなく、訪問者と話をする必要もありません。
そして、「監視されている」という感覚につながらず、見守られる高齢者にとってもストレスとなりにくいです。
また、異常を検出したときだけ通知してくれるものが多いため、見守る家族も負担を感じにくいというメリットがあります。
●見守りセンサーが向いている高齢者・ご家族
見守りセンサーでは、実際に目でみて高齢者の様子を確認できません。
異常が通知されたときに電話をかけることはできますが、高齢者がその電話に出られない可能性もあります。
したがって、ある程度自立度が高い地域高齢者に対して、24時間365日、最小限の見守りを行うという位置づけになるでしょう。
異常が検知されたときに電話をしたり、駆けつけたりしたいとお考えの場合には、向いている手段といえます。
高齢者の暮らしを支えるホームセキュリティについては、こちらの記事(一人暮らしの高齢者が安心するために、ホームセキュリティ利用のすすめ)でも解説しています。
高齢者向け見守りセンサーの種類と特徴
高齢者の見守りを行ってくれる「センサー」で検知するものは、人の動きだけではありません。
人の動きを検出する場合は超音波や赤外線が使われますが、それ以外にもさまざまなセンサーが活用されています。
次に、高齢者向けの主要な見守りセンサーについて種類や特徴をお伝えしていきます。
●人感センサー
人感センサーとは、赤外線や超音波などを使って、人間の動きを検知するセンサーです。
自宅に人感センサーを設置し、センサーの前で高齢者が歩く・動くなどすると、反応の状況が家族のスマートフォンに通知される機器・サービスもあります。
パナソニックの「スマ@ホーム システム」に含まれるセンサーでは、一度機器を購入し、スマホで確認できるように設定すれば、月額料金などは発生しません。
●生活家電の見守りセンサー
冷蔵庫の開閉状況を検知して知らせるなど、日々の生活でよく使う家電を活用した見守りサービスもあります。
電気ポットの使用状況から見守る、象印の「みまもりほっとライン」というサービスが有名で、家族のパソコンやスマホから状況を確認できます。
温かいお茶を飲むなど、電気ポットを毎日使う習慣のある高齢者には向いています。
ただ、夏場はあまり電気ポットを使用しないなど、ライフスタイルは人それぞれなので、この見守りセンサーが合っているかよく検討してみてください。
●電力・ガスの見守りセンサー
高齢者が無事かどうか、各種インフラの利用状況から探るセンサーもあります。
関西電力では、電気使用量が普段のリズムと異なるときに、家族へメール、LINEで知らせてくれるサービスを無料で提供しています。
普段と違う使用量だからといって必ずしも異変が生じたとは断定できませんが、特別な機器の設置などが不要であることがメリットです。
そして、東京ガスでは、前日にガスが未使用だったときに家族にメールで知らせてくれるサービスを行っています(月額500円)。
お住まいの地域の電力会社、ガス会社でどのようなサービスがあるのか、調べてみても損はありません。
関西電力 はぴeまもるくんご案内
東京ガス 東京ガスのくらし見守りサービス
●電球を活用した見守りセンサー
家の中で電球がついている場所の例として、トイレや浴室、廊下などが挙げられます。
センサー付きの電球に変えることで、長時間電気がついている、点灯したままであるなど、異常を検出したときにメールで通知されます。
電球を取り換えるという簡単な方法で設置できる上に、自宅内の複数の箇所にも導入しやすく、見守られる側もストレスを感じにくいという利点があります。
「見守りサービスMiima」では、電球を1つ9,800円で購入し、月額420円の利用料が必要です。
遠方に住むご家族は警備員出動サービスも併用
見守りセンサーが異変を検出すると、メールや電話で異変を知らせてくれますが、自動的に誰かが駆けつけてくれるサービスは少ないです。
高齢者と同居、近居であれば駆けつけられますが、遠方に住んでいる場合にはすぐに対応することが難しいものです。
そんなときは、見守りセンサーと警備員の出動サービスが組み合わさったものを選ぶと安心です。
たとえば、アルソックの「HOME ALSOK みまもりサポート」では、基本的にボタンを押すと警備員が自宅の状況を確認してくれます。
オプションサービスにはなりますが、自宅に見守りセンサーを設置し、必要に応じて家族が現場確認依頼を出すことも可能です。
遠隔で出動依頼を出せるサービスはそう多くないので、遠方にお住まいの場合はこういった見守りサービスも検討してみると良いでしょう。
高齢者向けの見守りセンサーで安心を手に入れよう
高齢者向けの見守りセンサーは、生活の中で自然に使っていけるというメリットがあります。
見守りサービスの種類によっては、導入に抵抗を感じる高齢者もいますが、センサー型であればストレスになりにくいです。
万一なにかあったとき、高齢者の異変に気づくために、家庭用の見守りセンサーを活用してみてはいかがでしょうか。
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執筆者
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作業療法士の資格取得後、介護老人保健施設で脳卒中や認知症の方のリハビリに従事。その後、病院にて外来リハビリを経験し、特に発達障害の子どもの療育に携わる。
勉強会や学会等に足を運び、新しい知見を吸収しながら臨床業務に当たっていた。現在はフリーライターに転身し、医療や介護に関わる記事の執筆や取材等を中心に活動しています。
保有資格:作業療法士、作業療法学修士