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  • 桑原

    公開日: 2019年09月30日
  • リハビリについて

多発性硬化症(MS)と診断を受けたら?知っておきたい病気の症状とリハビリ、注意点について解説します

多発性硬化症(MS:Multiple Sclerosis)という病気を聞いたことがあるでしょうか?
難病にも指定されている神経の脱髄疾患の一つで、脳や視神経、脊髄に関連した症状が現れます。
今回はその多発性硬化症についてガイドラインも参考に、詳しく解説していくことにしましょう。

多発性硬化症について詳しく解説

多発性硬化症は難病指定の進行性の疾患。その症状や原因は?

多発性硬化症は、難病にも指定されている中枢神経が障害される病気で、脳や脊髄、目の神経の機能が障害されます。
この章では、多発性硬化症の症状や原因について詳しく解説することにしましょう。

●多発性硬化症ってどんな病気?遺伝はするの?

多発性硬化症ってどんな病気

多発性硬化症とは、神経の導線に巻かれた絶縁体の部分が壊れてしまい、神経がむき出しになってしまうことで伝達がうまくいかなくなる病気です。
これを脱髄と医療用語では呼びますが、脳や脊髄、ときに視神経に起こるために、

  • 腕が痺れて上がらない
  • お風呂に入っても熱さを感じない
  • 突然片方の目が見えなくなる
  • フラフラして歩けない
  • 排尿ができない

などの症状が現れます。
症状には個人差があり、その程度もまちまちですが、30代前後の若い方に多く、さらに女性のほうが男性にくらべて約2.4〜2.9倍の確率でなりやすい傾向にあるといわれています。(出展:多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017)

上記の症状は繰り返し起こり、一旦落ち着いたように見えることがあったり、急にまた症状が進んだりと慢性の経過をたどり、その経過に関しても個人差があります。
多発性硬化症になりやすい体質が遺伝することはあるといわれていますが、親子での遺伝は認められていません。

●多発性硬化症の原因は?治療は炎症の沈静と再発予防

多発性硬化症の原因

多発性硬化症の原因は、脳や脊髄、目の神経のような中枢神経の自己免疫疾患だと考えられています。
自己免疫疾患は自分の体の一部を敵と認識して攻撃してしまうために、体のあちこちで炎症を引き起こします
多発性硬化症の場合、身体のいろんな場所にある神経の絶縁体を攻撃してしまうということになります。
根本的な治療に関しては今後の研究が待たれるところですが、症状が強く現れた急性期にはステロイドを大量に投与して炎症を抑える治療が行われます。
また症状の再発予防としてインターフェロンという薬を投与して治療を行います。

多発性硬化症と診断されたら?リハビリ内容、公的支援について解説します

多発性硬化症と診断されたら?リハビリ内容、公的支援について

多発性硬化症と医師に診断されたら、日常生活やリハビリの際にどのようなことに注意したらよいのでしょうか。
また、高額な医療費などの支払いには国からの補助などを利用できるのでしょうか。

●多発性硬化症と診断されたら、国からの助成は受けられるのでしょうか

多発性硬化症は、厚生労働省から難病指定されたものの一つで、医療費の免除を受けることができます。
この病気が疑われる場合には適切な診断治療のため、神経内科での診察を受けるのが良いでしょう。

●多発性硬化症はどんなリハビリを行いますか?

多発性硬化症のリハビリは疲労を翌日に残さない程度での筋力・平衡感覚・関節可動域の維持と向上が重要となります。
特に筋力の維持は歩行能力、循環器系の機能維持のためにも重要です。
神経を侵されることで起こりやすくなる痙縮と呼ばれる筋肉が痙攣してコントロールが効かない状態に対してもストレッチなどのリハビリが有効です。
多発性硬化症のリハビリはQOLの確保、うつ症状の予防にも非常に重要な役割を果たしており、可能な範囲での運動を継続して取り入れるリハビリが望ましいでしょう。

多発性硬化症の自宅で気をつけたい日常生活上の注意点、早期からの治療は重要

多発性硬化症は病気の経過時期により、自宅での過ごし方にも注意する必要があります。
また早期の治療は大変重要で、予後にも大きく影響するカギとなります。
これらについてもご説明しましょう。

●多発性硬化症と診断されたら、日常生活でどんなことに気をつけたらいいですか

多発性硬化症はストレス・疲労・風邪などが引き金となり、再発を引き起こすきっかけになります。
そのため、風邪の予防や休憩をこまめにとる、睡眠の確保などの日常生活での配慮が必要となります。
また体温が高くなると症状が悪化するため、入浴の際は温度に気をつけるといいですが、神経質になりすぎないことが大切です。
多発性硬化症自体では余命には影響を与えず、3/4の人は車椅子が必要になることもなく生活することが可能です。
服用している薬剤によっても日常生活での配慮する点が異なりますので、医師や薬剤師の指導を仰いでください。

●多発性硬化症は早期治療開始がカギとなる!

多発性硬化症は症状が強く現れる急性期を過ぎた後も、身体の中で炎症の火がくすぶっている状態だといわれます。
再発を起こさないようにしっかりと予防し、長期的治療につきあっていくことが重要です。
症状の進み具合や程度も個人差が大きく、再発までの期間に関しても人それぞれです。
そのため病気の発症早期から治療を続け、再発予防に努めることが最も重要となります。

多発性硬化症は長期的な再発予防が重要

多発性硬化症は脳や脊髄、目の神経が繰り返し侵される可能性があるため、継続した治療やケア、リハビリが必要となります。
またリハビリでは疲労に注意を払い、日常生活でも同様に疲労しないように過ごす必要があります。
再発予防のための内服の継続、日常生活動作の維持が重要となります。
多発性硬化症についてよく知った上で、身体機能を維持しうまく付き合っていくようにしましょう。

参考:
難病情報センター 多発性硬化症/視神経脊髄炎.(2019年9月28日引用)
国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 免疫研究部 MSとはどんな病気でしょう 多発性硬化症とは.(2019年9月28日引用)
難病情報センター 多発性硬化症/視神経脊髄炎.(2019年9月28日引用)
日本神経学会 多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017.
(2019年9月28日引用)

  • 執筆者

    桑原

  • 1998年理学療法士免許取得。整形外科疾患や中枢神経疾患、呼吸器疾患、訪問リハビリや老人保健施設での勤務を経て、理学療法士4年目より一般総合病院にて心大血管疾患の急性期リハ専任担当となる。
    その後、3学会認定呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士の認定資格取得後、それらを生かしての関連学会での発表や論文執筆でも活躍。現在は夫の海外留学に伴い米国在中。
    保有資格等:理学療法士、呼吸療法認定士

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