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  • 桑原

    公開日: 2019年12月26日
  • リハビリについて

肺炎にはリハビリが必要なの?高齢者がかかりやすい肺炎、急性期や回復期のリハビリの重要性

肺炎のリハビリと聞くと想像しづらい方も多いのではないでしょうか。
高齢社会の現代において肺炎は死因全体の第3位といわれており、よく見かける疾患の一つです。
肺炎と診断されたらどのようなリハビリが行われるのかと、リハビリの重要性についてお話ししていくことにしましょう。

高齢者がかかりやすい肺炎、急性期や回復期のリハビリの重要性

高齢者の肺炎の原因はさまざま。誤嚥により起こることも。呼吸器疾患のある方は急性増悪に注意!

高齢者の肺炎の原因は、肺炎を起こしやすい寝たきりなどの全身状態から引き起こされるものです。
いったいどのようなことから起こるのでしょうか。

●高齢者の肺炎は誤嚥により起こることも多い!呼吸器疾患をお持ちの方は急性増悪に至ることも!

高齢者の肺炎は誤嚥により起こることも多い!呼吸器疾患をお持ちの方は急性増悪に至ることも!

高齢者の肺炎は、さまざまな理由から起こる嚥下能力の低下により、固形物のそしゃく機能や水分の飲み込みなどがうまくいかなくなることで起こる誤嚥性肺炎が大部分であるといわれています。
全身の虚弱(フレイルなど)や中枢神経疾患(脳卒中の後遺症、パーキンソン病など)なども嚥下機能に問題をきたし、誤嚥により細菌などが肺に侵入して肺炎を起こします。
慢性呼吸器疾患をお持ちの方や人工呼吸器管理を受けている方の場合、重症化しやすく急性増悪にも至りやすいため、インフルエンザの予防接種、手洗いやうがいなど感冒の予防をすることが重要な課題です。

●病院内や医療介護施設でケアを受けている方にも肺炎は起こりやすい

病院内や医療介護施設でケアを受けている方にも肺炎は起こりやすい

何らかの原因で病院や医療介護施設でケアを受けている方の中には、寝たきりの状態となってしまい肺炎を起こしやすい状態の方もいらっしゃいます。
そのような場合には口の中にたまった唾液でも誤嚥性肺炎を引き起こすこともあります。
寝たきりや日常生活動作が非常に困難であるような状態では、口の中の乾燥や清潔保持が難しく、誤嚥性肺炎に至ってしまうケースも少なくないようです。

関連記事:誤嚥性肺炎を予防するには?~嚥下訓練と口腔ケアの予防効果~

急性期の肺炎のリハビリでは誤嚥評価と早期離床が大切

急性期における肺炎のリハビリでは、どのような点に気をつけてリハビリが行われているのでしょうか。

●肺炎の中でも高齢者がかかりやすい誤嚥性肺炎。誤嚥評価は治療計画の上でも重要

肺炎の中でも高齢者がかかりやすい誤嚥性肺炎。誤嚥評価は治療計画の上でも重要

高齢者がかかりやすい誤嚥性肺炎はそしゃくや嚥下機能の低下により起こります。
口の中の細菌などが唾液や水分、食物に付着して消化器官である食道ではなく気管に入ってしまうことで起こる肺炎です。
通常ですと、気管に食物や水が入ると咳などを誘発し、異物や細菌を気管の外に喀出しますが、何らかの理由で不可能となると誤嚥性肺炎を起こします。
誤嚥が繰り返し起こるようであれば、食物形態の考慮や嚥下訓練などのリハビリも必要となります。
水分摂取の際にむせるか、痰が絡まったような咳を頻回にするなど評価の必要があります。
ほかにも呼吸器疾患をお持ちの方は風邪などの感染症からでも肺炎に陥ったりするため、呼吸器疾患の有無や呼吸機能、血液中の酸素飽和濃度などさまざまな評価をします。
必要であれば酸素療法が行われます。
また痰が多い場合には、排痰リハビリなどで痰の喀出を促し、体が動かせない場合には体位変換や呼吸音の評価を行なってリハビリを進めます。

関連記事:呼吸音はどう評価する?呼吸音のアセスメントはどこでどんな音が聞こえるかがキーポイント

●高齢者の肺炎の場合、早期離床は寝たきり予防の観点からも大切

高齢者の肺炎の場合、早期離床は寝たきり予防の観点からも大切

高齢者の方が肺炎に陥った場合には、ベッドサイドでの離床訓練を早期から行うことが重要です。
寝たきりになってしまうと再び肺炎にかかってしまう可能性も高く、離床期間が長くなることで日常生活への復帰にも時間を有してしまいます。
入院治療中も体調が許す範囲内で、ベッド上での座位、椅子や車いすでの端座位などを行い、寝て過ごす時間を減らすことが全身の虚弱や排痰を促す肺炎のリハビリとして有効です。

自宅でもできる肺炎のリハビリ!簡単な体操と重要な口腔ケア

高齢者がかかりやすいといわれる肺炎ですが、嚥下機能の維持や軽い運動などを日常に取り入れることで予防を促しましょう。

●口の周りの運動や発声練習、首の運動も嚥下には大切。口腔ケアも合わせてやってみよう

口の周りの運動や発声練習、首の運動も嚥下には大切。口腔ケアも合わせてやってみよう

口周囲の筋肉や舌は嚥下やそしゃくに大いに関係し、それらの筋力が弱くなると摂食機能に大きな影響を与えます。
以下にご自宅でもできる口周囲や舌の筋力トレーニングをご紹介しましょう。

  1. 1)頬を膨らませたり、へこませる(2~3回)
  2. 2)舌を大きく出したり引っ込めたりする(2~3回)
  3. 3)“パ、ラ、カ“と大きな声で発声する

関連記事:
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誤嚥性肺炎を予防するには?~嚥下訓練と口腔ケアの予防効果~

誤嚥を予防するために食事前の準備体操として行うことも効果的ですので、まずはご自宅で始めてみてはいかがでしょうか。
食後の口腔ケアとして歯みがきの徹底、舌苔の除去など、口の中の細菌を減らす努力も肺炎予防として効果的です。

●軽い運動も重要!自宅でできる上肢のストレッチや首の運動で肺炎予防!

軽い運動も重要!自宅でできる上肢のストレッチや首の運動で肺炎予防!

首や肩の動きも嚥下機能を左右します。
例を挙げますと、コップから水を飲む際には首を反らすことができないとうまく飲めず、飲み込みの際には顎を引くと飲みやすくなります。
また、肩の動きが悪くなると肩甲骨や肋骨の動きも悪くなるため、気管に異物が混入した際の咳をすることに問題が生じます。
ご自宅でも簡単にできる首や腕、肩のストレッチなどを取り入れてみましょう。

  1. 1)首を前後、左右に倒す
  2. 2)首をぐるっと大きく回す
  3. 3)肩をすくめる、肩を回す

余裕があれば、手を組んで背伸びをする、上体を前後左右に倒しストレッチ、腹式呼吸や散歩なども体力維持の面からも重要です。

肺炎のリハビリは嚥下訓練や全身調整を個人に合わせて行おう

肺炎は高齢者のかかりやすい病気の一つであり、呼吸器疾患や脳卒中などさまざまな基礎疾患や寝たきりや日常生活動作がどのくらい可能かということも関係しています。
肺炎のリハビリは、嚥下訓練、寝たきり予防、身の回り動作、ストレッチなどをうまく組み合わせ、個人に合ったリハビリを行いましょう。
また肺炎自体の予防も大切ですので手洗いやうがいなど感染症の予防、インフルエンザ予防のためのワクチン接種なども忘れずに行うといいでしょう。

参考:
海老原覚:高齢者の呼吸リハビリテーション.日本老年医学会雑誌55巻3号,2018.(2019年12月20日引用)
一般社団法人 日本呼吸器学会 誤嚥性肺炎.(2019年12月20日引用)

  • 執筆者

    桑原

  • 1998年理学療法士免許取得。整形外科疾患や中枢神経疾患、呼吸器疾患、訪問リハビリや老人保健施設での勤務を経て、理学療法士4年目より一般総合病院にて心大血管疾患の急性期リハ専任担当となる。
    その後、3学会認定呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士の認定資格取得後、それらを生かしての関連学会での発表や論文執筆でも活躍。現在は夫の海外留学に伴い米国在中。
    保有資格等:理学療法士、呼吸療法認定士

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