ある朝起きたら首が回らなくなる原因のわからない寝違え!そのストレッチ方法を解説します
ある日朝起きたら突然首に激痛が起こり、動かせなくなる寝違えに困ったことがある、または現在困っているという方もいらっしゃることでしょう。
今回は寝違えで困ったという方のためのストレッチなどの対処法について、ご紹介しましょう。
目次
寝違えは検査や画像での異常は見られないが、首を動かすことが困難となる症状
ある朝起きたら首が動かない、動かすと痛いという経験のある方はいらっしゃいませんか。
そんな寝違えの原因や症状についてお話ししましょう。
●突然起こる寝違え!痛みや可動制限はそれぞれ
起床時に首の後ろ側、肩から首にかけての痛みが認められるものを寝違えと呼びます。
動かすことで痛みがでることや痛くて首を回すなどの運動が制限されますが、その症状は人により強弱があります。
●寝違えは通常、レントゲンでの異常は見られない。原因として考えられるものは?
寝違えに対する検査や画像などでは、変化が見られないことが多く、これといった原因が判明しにくいといわれています。
しかし起床時に突然起こることから、睡眠中に何らかの理由で筋肉の血流が十分でなくなり、痛みを起こすと推測されています。
また、寝違えが起こった近日になれない運動や仕事をした、重いものを手で持つ機会が多かった、長時間のパソコン作業や事務作業を行うなど、首の筋肉に負担をかけたため、筋肉の疲労や痙攣、関節炎などが寝違えとして現れることがあります。
寝違えの治療法、発症直後は安静や鎮痛剤が有効。痛みが強ければ無理に動かさない!
もし寝違えになってしまった場合には、どのように対処すればよいのでしょうか。
●寝違えになってすぐは安静第一!無理に動かさない
寝違えが起こった直後には、炎症を落ち着かせるために痛みがある部分を安静に保つことが重要になります。
痛みがあるにもかかわらず、無理に首を動かしたり、首のストレッチやマッサージを行うと痛みが長引いたり、かえって症状がひどくなる場合もあります。
寝違え直後には局所の安静を保ち、ストレッチやマッサージは痛みが落ち着いてから徐々に行うようにしましょう。
入浴時に温めたり、ホットパックなどでの温熱療法に関しても、痛みの強い初期にはできるだけ避けるようにしたほうがよいでしょう。
●初期には痛み止めなどの湿布、鎮静剤や筋弛緩剤などが効果的
寝違えが起こってすぐの急性期には、冷感湿布や鎮痛剤で痛みを除去することが主な治療の手段となります。
湿布のなかには痛み止めの成分が含まれているものもあり、痛みのある部分に貼ることで効果が得られます。
筋肉の緊張やこわばりも同時に感じられる場合には筋弛緩剤も首の痛みに効果的です。
長引く痛みの場合には、椎間板ヘルニアや脊髄に問題がある場合もありますので、医師の診察で相談されることをおすすめします。
寝違えになってしまったら、自宅でできるストレッチと生活習慣を見直そう
寝違えになってしまった際に自宅でできるストレッチを紹介します。
また、予防策として生活スタイルや習慣を見直す必要があります。
●自宅でできる寝違えのストレッチ
首の筋肉は肩や肩甲骨などにもつながっており、背骨の首部分や首の筋肉の不調は首そのものだけではなく、背中や肩の不調や筋肉のこわばりなども影響することがあります。
ゆっくりと首を全方向へストレッチするだけではなく、肩や背中のストレッチも行い、首の付け根である背中や肩甲骨周りのストレッチも有効です。
- 1)肘を伸ばしたまま両腕を、胸を張るようにバンザイをする
- 2)頭の後ろで手を組み、肘を背中側に倒すように胸を張る
- 3)椅子に座った状態で上半身のみを左右交互にひねる
- 4)首を前後左右にゆっくりと倒す
- 5)後ろを振り返るように首をねじる、ゆっくりと首を回す
痛みが治まった後はお風呂やホットパックなどで温めた後、筋肉がリラックスした状態で行うのも効果的です。
各運動2~3回程度から始め、可動範囲や回数はご自身の痛みに合わせて調節するとよいでしょう。
●寝違えの予防策は手の使いすぎや同じ姿勢の持続を防ぐことが大切
先ほども書いたように、寝違いの原因には長時間のパソコンや事務作業、手や腕の使いすぎ、重いものを持つなども原因の一つであるといわれています。
長時間同一姿勢での作業の場合には、途中休憩に首のストレッチや運動などを取り入れ、首の筋肉の血行の改善や筋肉をほぐすようにしましょう。
また睡眠時の姿勢なども首の筋肉の虚血などを引き起こし、同じように寝違いの原因といわれているため、枕の高さや睡眠時の体勢などが首の負担にならないようにして、再発が起こらないようにすることをおすすめします。
寝違えの急性期は安静第一、落ち着いたら再発予防にストレッチを!
寝違えはさまざまな理由から起こるといわれていますが、検査や画像での変化が見られないために、原因がわからない場合が多くあります。
急性期には安静を第一にして、痛みが落ち着いてからストレッチやマッサージを行うようにしましょう。
また寝違えの対処法として、自宅でのストレッチや生活習慣の是正などにより、再発防止に努めるようにしましょう。
参考:
公益社団法人 日本整形外科学会 「寝違え」.(2020年3月24日引用)
-
執筆者
-
1998年理学療法士免許取得。整形外科疾患や中枢神経疾患、呼吸器疾患、訪問リハビリや老人保健施設での勤務を経て、理学療法士4年目より一般総合病院にて心大血管疾患の急性期リハ専任担当となる。
その後、3学会認定呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士の認定資格取得後、それらを生かしての関連学会での発表や論文執筆でも活躍。現在は夫の海外留学に伴い米国在中。
保有資格等:理学療法士、呼吸療法認定士