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  • 桑原

    公開日: 2020年08月25日
  • リハビリについて

めまいに有効なリハビリ、平衡機能訓練について解説いたします

心筋梗塞や脳梗塞よりも悩まれる方が多いといわれるめまいですが、そのめまいに対するリハビリがあるのをご存じでしょうか。
今回はめまいのリハビリである平衡機能訓練について、解説することにしましょう。

めまいのリハビリを知って QOLを上げよう

めまいやメニエール病などの平衡機能障害の症状や治療法

めまいやメニエール病などの平衡機能障害の症状や治療法

内耳と呼ばれる耳の鼓膜の奥にある三半規管は人間の体のバランス、平衡機能を司る器官であり、その部分が障害されるとめまいやメニエール病などが現れることがあります。

●平衡機能障害の主な症状は、めまいや吐き気

平衡機能障害は、人間の身体の位置や傾きなどの情報の処理能力に問題が生じ、回転性のめまいもしくはフワフワした感覚が生じます。
聴力も同時に影響を受けることがあり、突発性難聴やメニエール病などが代表的な疾患となります。
聴力に影響を与えないものの代表的な疾患は、良性発作性頭位めまい、前庭神経炎などがあります。
平衡機能障害の代表的な症状は先ほども述べたようにめまいであり、めまいに伴い、吐き気や頭痛、うつ病なども合併することがあります。

●平衡機能障害の治療法は薬物療法とリハビリ

平衡機能の障害であるめまいは、寝ればよくなる、時間が経てば快然するといわれ軽く見られがちです。
めまいの治療は原因により異なりますが、対症療法として薬物療法とリハビリを中心に行われますが、そのリハビリについて知らない方も多いのではないでしょうか。
また、めまいを起こす疾患を患っている場合、そのもとの病気に対する治療が優先されます。

めまいのリハビリは長期にわたる平衡機能訓練が必要。日常生活で困難となる点とは

めまいのリハビリは長期にわたる平衡機能訓練が必要。日常生活で困難となる点とは

めまいのリハビリは短期間ではなく長期間の訓練が必要となります。
その重要性について解説します。

●平衡機能障害のリハビリは短期間での成果ではなく、長期にわたるリハビリが重要

平衡機能障害に対するリハビリは薬剤での治療と並行して、もしくは薬剤でのリハビリに効果が期待できない場合に行われます。
頭や首を動かすことに慣らすことや、日常生活上でいかにしてめまいを起こさないように動作を行えるかなどが、リハビリの目的となるため、長期的な計画が必要です。
まずは身体の中心を認識するように導き、体の動きが伴ってもフラツキが生じないようにトレーニングする必要があります。
段階的に進める必要があると同時に、一つひとつのプロセスにおいて時間を有するためにリハビリも長期化します。
めまいがあると、医師からベッドの上での安静を指導されたり、気分の不良により寝たきりになったりすることも多く、その間に筋力低下やめまいの増強などが起こることもあり、筋力増強や日常生活動作などのリハビリが必要になります。

●平衡機能障害は日常生活動作に困難が起こることが多く、動作の反復訓練が重要

先述したようにめまいがある場合には、視覚と耳の平衡機能をうまく連動させる必要があります。
自分の身体の中心がどこにあるのか、またその位置がずれたときにどのようにして修正するのか、動作中に自分の身体の中心にバランスを取りながらいかにうまく動作が行えるか、ということが大切です。
そのためには、付き添いやふらついたときに介助が得られる安心できる環境で、ご自身が恐怖心なくできることが重要となります。
めまいの不安がある日常生活動作を繰り返し行う反復運動も、重要なリハビリの一つです。

ご自宅でもできるめまいに対する簡単な平衡機能訓練、注意点をご紹介します

ご自宅でもできるめまいに対する簡単な平衡機能訓練、注意点をご紹介します

めまいは放置すれば治るものではありませんが、軽く考えられがちです。
レベルごとに自宅でもできるリハビリについてご紹介しましょう。

●自宅でも簡単に行える平衡機能訓練

ではここで自宅でも行える平衡機能訓練についてご紹介します。
特に立位での訓練や歩行訓練をするときには、安全性が得られるように、手すりや介助者についてもらうなど、安全管理を十分に行いましょう。

1)座って行える、カードや鏡を使った眼球を動かす訓練

○レベル1

座ったまま両手にカードを持ち、頭を動かさず眼球だけ動かして交互に左右のカードを見る。

○レベル2

頭を動かすことなく眼球の動きのみで、ゆっくりとカードなど動くものを追視する。

○レベル3

レベル2のカードなど追視する物体のスピードを速くする。

2)頭の位置(頭位)を変え、対応する訓練

○レベル1

前の目標物(カードなど)を見ながら、頭を前後に曲げる。

○レベル2

ゆっくりと目標物(カードなど)と同じように頭を動かす。

○レベル3

速く動く目標物(カードなど)を頭を動かして追跡する。

3)立位訓練

○レベル1

両足で立ち、足を左右に開く、一直線上に前後になるように一歩足を前に出す練習をする

○レベル2

目を閉じて体を前後左右へ揺らしバランスを取る

○レベル3

座布団の上で、両足が一直線上に前後になるように一歩足を前に出す

4)歩行

めまいの程度に合わせて、距離や歩く場所などを考慮しましょう。

●有酸素運動も合わせて行おう。規則正しい生活を送ることもめまい改善の大切な要素

めまいに対する平衡機能訓練と同時に有酸素運動も行うことは、精神的な影響を考慮した上でも重要です。
めまいは気分を落ち込ませ、またベッドの上でじっとしている時間が多くなるために、うつ傾向に陥りやすくなります。
軽い有酸素運動を行うことで良眠を得ることもでき、うつ傾向も改善が望めます。
うつ傾向は、めまいの症状をさらに重く、また長引かせる要素の一つです。
歩く、ストレッチや体操など可能な範囲での有酸素運動を取り入れることも重要です。

めまいの治療は平衡機能訓練を薬物療法などと並行して長期的に取り組もう

めまいはお悩みの方が多くいらっしゃるにもかかわらず、軽視されがちで、安静や薬物療法以外の治療法が確立されていないのが日本での現状です。
今回お話しした平衡機能訓練を体に慣らすように長期的に取り組むと同時に、有酸素運動なども取り入れるようにしましょう。

参考:
伊藤妙子, 塩崎智之, 他: 理学療法士によるめまい平衡リハビリテーション―まほろば式―.Equilibrium Res Vol. 77(6): 549-556, 2018.(2020年8月21日引用)

  • 執筆者

    桑原

  • 1998年理学療法士免許取得。整形外科疾患や中枢神経疾患、呼吸器疾患、訪問リハビリや老人保健施設での勤務を経て、理学療法士4年目より一般総合病院にて心大血管疾患の急性期リハ専任担当となる。
    その後、3学会認定呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士の認定資格取得後、それらを生かしての関連学会での発表や論文執筆でも活躍。現在は夫の海外留学に伴い米国在中。

    保有資格等:理学療法士、呼吸療法認定士

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