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withコロナでの外来リハビリ、感染予防のために注意したいポイント

各医療機関において、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、業務縮小などの対応を余儀なくされるケースもあります。
しかし、医療サービスを提供している以上、感染予防といえども過度に自粛するのではなく、必要なサービスは提供しなければなりません。
本記事では、外来リハビリに通院するうえでの注意点や病院側の工夫について、筆者の取り組み例もあわせてご紹介します。

クラスター感染防止のために外来リハビリで注意したいこと

患者さん側の工夫、感染対策の徹底と来院前の体調管理が大切

患者さん側の工夫、感染対策の徹底と来院前の体調管理が大切

クラスター感染防止のためには、医療スタッフだけでなく患者さんと双方の感染予防対策が重要になります。

●マスクと手洗いだけでは不十分?目からの感染を防ぐことが大切

感染予防対策として、マスクや手洗いなどの感染予防対策は大切ですが、新型コロナウイルスでは目からの感染を防ぐことも大切です。
目を防御するための手段としては、ゴーグルやフェイスシールドの装着が挙げられますが、これらの備品はすべての医療機関で常備されているわけではありません。
病院側としても、診療に関わるスタッフだけでなく、受付などの事務員さんなど多くの備品を確保する必要があります。
そのため、すべての患者さんに配布する十分量が確保できないため、来院した患者さんすべてに渡すことはしないでしょう。
外来のリハビリなど、定期的に医療機関を受診される場合、可能であればこれらのグッズを購入しておくことをおすすめします。
フェイスガードに関しては、使用する際は個人専用とする、素手で外側の面を触れないように気をつけるなどの対応をすることで継続的に使用することができます。
ただし、咳などで明らかに飛沫を受けたときや、その他の汚染がひどい場合は廃棄するほうがよいでしょう。

●不安だから診察はダメ!通院するかしないかの判断が大切

感染拡大を防ぐためには、体調不良の状態で不要不急の外出をしないことが大切ですが、これは医療機関の受診にも当てはめることができます。
たとえば、熱が出ている、倦怠感があるなど、明らかに感染症の症状が出ている場合は、医療機関を受診する前に電話相談をするなどの対応が取られています。
外来の定期受診も同様に、なにかしら気になる症状がある場合は無理せず自宅で安静にするのも賢い選択です。
自身の体調が悪く感染に対する防御力が低下している状態では、他者と接触するのは感染リスクが高く、また医療機関側としても感染拡大になる可能性があります。
体調不良を感じている場合、必ず来院前に電話相談することをおすすめします。
また、医療機関側も入室前に検温を行ったり、来院の有無を判断するためのパンフレットを作ったりしているため、それを参考にするとよいでしょう。

病院側の工夫、感染対策の徹底や診療時間の調整

病院側の工夫、感染対策の徹底や診療時間の調整

ここでは病院側が外来リハビリを安全に行うための工夫についてご紹介します。

●手指消毒や備品の消毒は当たり前、スタッフも完全防備

医療機関のスタッフは1患者1手洗い(消毒)、マスクとゴーグルの着用など、個々の感染対策を徹底しています。
また、血圧計のボタンはスタッフが押す、問診票はスタッフが記載するなど、患者さんが手を触れる機会を制限することも工夫の1つです。
一人ひとりの対応に時間がかかるなど、時間的な効率は悪くなりますが、感染予防が第一に考えられています。
その他には、外来リハビリ時に使用する更衣室は密になりやすいため、パーテーションで区切って着替え用のカゴを用いるなどの対応もあります。

●自主トレの指導を強化して来院回数を制限する

新型コロナウイルスが蔓延する以前は、外来予約がぎっしり詰まっているのが当たり前だったかもしれません。
しかし、たとえマンツーマンでのリハビリだったとしても、人数が多くなればなるほど感染拡大のリスクは高くなるでしょう。
もちろん、患者さんごとに手指衛生や機器の消毒は行っていますが、それでも100%安全とはいえません。
また、待合での3密を避けるためにも、来院頻度を減らす対応も必要になります。
外来リハビリを中止しても症状が悪化する可能性が低い場合、自主練習や生活の注意点を指導することで対応する場合もあります。

●診療時間の変更やほかの患者との接触を避ける

外来リハを専門にしているクリニックなどでは、診療時間を短くして患者さんの人数を制限しているケースもあります。
しかし、患者さんの人数を制限すると収益性が低下することも現実的な問題であり、クリニック側も四苦八苦しながら日々の診療を行っています。
筆者の知人が勤務しているクリニックでは、逆に診療時間を延長し、患者さんの予約をばらけさせることで感染リスクを減らしているようです。
また、そのクリニックではマスクやフェイスシールドを手作りしたりと、感染予防のためにできる取り組みを考えているとのことでした。
その他には、感染リスクが高い患者さん(高齢者や併存症の多い方)は別枠で予約を設けるなどの工夫も挙げられます。

心臓リハビリ外来における感染予防の取り組み例

心臓リハビリ外来における感染予防の取り組み例

筆者の施設では心臓リハビリ外来を行っていますが、感染予防に関する取り組み例を紹介したいと思います。

●心臓リハビリでは外来通院の必要性が高い

心臓リハビリでは、心臓手術後や心不全の方など心臓や大血管の病気がある方を対象に、医療スタッフ監視下での運動を行います。
心臓リハビリは、安全に運動ができるか、心不全の症状がないかなどをチェックする必要があるため、自主トレ指導やリモートでの対応が難しい側面があります。
特に、退院後すぐは全身状態をチェックするためにも外来リハビリ通院が望ましいのですが、田舎のほうでは対応できる医療機関が少ないのが現状です。
それゆえに、1つの医療機関に患者さんが集中する傾向にあるため、感染対策はかなり徹底されています。

●3段階におよぶ体温測定とフェイスシールド着用

筆者の施設では、正面玄関や救急外来出入り口に温度センサーが設置されており、来院される患者さんや面会者の体温を測定しています。
また、リハビリ科の受付でも非接触型の体温計で計測し、37.5度以上の方は入室をお断りしています。
自宅、病院の入り口、リハビリ室と3箇所での検温を実施することで、発熱している方や体調不良の方を事前に把握するようにしています。
外来リハビリでは、自転車エルゴメーターでの有酸素運動や筋力トレーニングを実施するため、平常時より呼吸数や換気量が増加します。
マスクをしていると息苦しさが強くなるため、運動される患者さんにはマスクを外してフェイスシールドを着用していただきます。
フェイスシールドは1患者さんにつき1つ準備しているため、使用後はアルコール綿で消毒して保管しています。
前述したように、心臓リハビリ外来の必要性は高く、スタッフも患者さんもしっかりと感染予防対策をして運動を実施するようにしています。

●運動療法や検査時の滅菌消毒を徹底

心臓リハビリでは、患者さんがトレーニングマシンに触れる機会が多く、その接触が多いほど感染リスクが高くなるともいえます。
そのため、機器のハンドル部分やシートは1回使用するたびにアルコール消毒を行っています。
また筆者の施設では心肺運動負荷試験を実施していますが、この試験は患者さんの吐く息を分析する必要があるため、感染リスクもかなり高くなります。
ただ、心臓リハビリにとってこの試験はかなり重要であるため、マスクに使い捨てフィルターを装着する、マスクは高圧蒸気での滅菌処理をするなどで対応しています。
また、1回使用するたびに滅菌消毒を徹底するため、1日の検査数は1患者さんのみと限定しています。

医療は自粛できない、一人ひとりの感染予防が大切

不要不急の外出を避けるとはいっても、検査や薬の処方のためには必ず医療機関を受診しなければなりません。
リハビリは決して緊急性が高い治療ではありませんが、過度な活動自粛で体の痛みが悪化する、歩行能力が低下する可能性もあります。
医療においては、必要なサービスまで自粛するのではなく、どうすれば安全かつ安心して提供できるかを日々考える必要があります。
筆者も1人の医療従事者として、医療従事者と患者さんの双方が感染予防に対する意識を高めることで、質の高い医療を提供できると信じています。

  • 執筆者

    奥村 高弘

  • 皆さん、こんにちは。理学療法士の奥村と申します。
    急性期病院での経験(心臓リハビリテーション ICU専従セラピスト リハビリ・介護スタッフを対象とした研修会の主催等)を生かし、医療と介護の両方の視点から、わかりやすい記事をお届けできるように心がけています。
    高齢者問題について、一人ひとりが当事者意識を持って考えられる世の中になればいいなと思っています。

    保有資格:認定理学療法士(循環) 心臓リハビリテーション指導士 3学会合同呼吸療法認定士

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