在宅介護やリハビリなど健康をとり戻す生活に役立つ情報を。

  • Facebook

健康応援 OGスマイル

扁平足で足が痛いときの対策は?トレーニングの方法やインソール、靴などの対応を紹介

「足首の内側が腫れて痛い…」、「ランニングすると足首が痛む…」
そのような症状に思い当たる方はもしかすると扁平足(へんぺいそく)かもしれません。
扁平足は軽度であれば症状が見られないことも多いですが、重度になると症状が出現し、ひどい場合は手術をすることもあります。
今回は扁平足について解説し、痛みが出たときの対策や予防方法を紹介します。

その痛み、原因は偏平足かも?対策と予防方法を紹介

扁平足の状態や原因、症状を解説

扁平足の状態や原因、症状を解説

まずは扁平足とはどのような状態なのかを解説し、悪化した場合に見られる症状についても紹介します。

●扁平足とは土踏まずがなくなって起こる足の変形

二本の足で体重を支える必要がある人間の足の裏は、縦と横にアーチ状に盛り上がった形をしています。
これは効率よく体重を支えるために非常に重要な機能です。
その中で親指からかかとの内側までにある内側縦アーチは一般に「土踏まず」と呼ばれています。
扁平足の最もわかりやすい特徴は、この土踏まずがなくなっている点です。
土踏まずがなくなると、つま先は外を向き、かかとは内側に傾いた状態になります。
以上のような足の変形が合わさった状態が扁平足です。

●扁平足の原因は「後脛骨筋(こうけいこつきん)」の衰え

扁平足の原因は「後脛骨筋(こうけいこつきん)」の衰え

扁平足の主な原因はふくらはぎから足の裏にある後脛骨筋と呼ばれる筋肉の衰えです。
後脛骨筋は足の骨を持ち上げて、土踏まずを作る重要な役割を持つ筋肉で、この筋肉が衰えてしまうと、土踏まずが作れなくなり扁平足になってしまうのです。
後脛骨筋の衰えは以下のような要因により引き起こされます。

  • ○加齢
  • ○肥満
  • ○けが
  • ○過剰な運動
  • など

後脛骨筋はうちくるぶしの下の部分を通りますが、この部分は血行が悪く、上記のような要因によりもろくなったり、負担がかかったりすると傷ついてしまい、筋肉の働きが衰えてしまうのです。
ちなみに生まれてから幼児くらいまで扁平足であることは少なくありません。
これは後脛骨筋が未発達のため見られる症状で、成長につれて後脛骨筋が発達すると多くの場合に改善されていきます。
また後脛骨筋の衰え以外でも以下のような病気やけがにより扁平足が生じます。

  • ○関節リウマチ
  • ○神経の障害、麻痺
  • ○外傷

今回は一般的に多いとされる後脛骨筋の衰えによる扁平足についての対策を紹介していきます。

●扁平足が悪化すると痛みや関節の動きが制限される

扁平足は少しの程度であれば症状が見られないことも少なくありません。
しかし、程度がひどくなれば足を中心にさまざまな症状が見られます。

○足首の内側の腫れや痛み

前述のように扁平足と関係が深い後脛骨筋は、うちくるぶしの近くで傷つきやすく、傷ついた結果として、足首の内側に腫れや痛みが見られます。

○歩行やランニング時の過回内(かかいない)

通常、歩行で踵をついてつま先が離れるまでに、かかとが内側に傾いた状態から外側に傾いた状態に変化して、効率の良い衝撃吸収やスムーズな前進を促します。
しかし、扁平足だと常にかかとが内側に傾いた状態になり、これを過回内(かかいない)と呼びます。
歩行やランニング時の足首の痛みや疲れやすさ、フォームのばらつきによる膝や腰の痛みなどの原因にもなります。

○足首の動きが制限される

扁平足の変形が長くなると、足首の動きの悪い状態が継続してしまい、結果として足首の動きが制限されてしまいます。

扁平足かどうかわかる!誰でもできる3つのチェック方法

扁平足かどうかわかる!誰でもできる3つのチェック方法

扁平足かどうか簡単にチェックする方法がいくつかありますのでご紹介します。

1.土踏まずの有無をチェック

最も簡単に扁平足かどうかを確認する方法が土踏まずがきちんとあるかどうかをチェックすることです。
座った状態や立った状態、運動した後などで足裏の内側に指を入れて隙間があるかどうかを確認しましょう。
さまざまな状態で確認するのは、扁平足でも体重がかからないと見られない場合があるためです。
そのため、座った状態で土踏まずがあるからといって、扁平足ではないということではありませんので注意しましょう。
指が全く入らない、隙間がないような場合は土踏まずがなく、扁平足の可能性があります。

2.too many toes sign

両足で自然に立った状態で、後ろから足を観察する検査です。
通常は足の指は踵で隠れるため、後ろからではほとんど見ることができません。
しかし、扁平足の場合は踵が内側に傾いてしまうため、踵の外側から足の指が複数見えてしまいます。
整形外科での診察でも実施する検査ですが、誰でも簡単にできるのでチェックしてみましょう。

3.single heel rise test

片足で立った状態で、支えているほうの足の踵を上げてもらいます。
後脛骨筋の働きが低下している場合は踵が持ち上がらなかったり、踵が内側に傾いたままわずかに浮かせられる程度だったりします。
以上のようなチェックに当てはまったり、先ほど紹介した症状が見られる場合は、扁平足の可能性がありますので、早めの対策で状態の悪化を防ぐことが必要です。

扁平足改善・予防のための対策を紹介

扁平足改善・予防のための対策を紹介

扁平足の改善には筋力トレーニングやインソールの使用、靴着用の工夫などがあります。
それぞれ具体的な方法を紹介します。

●扁平足改善・予防のためのトレーニング

扁平足に重要な後脛骨筋の筋力トレーニングのほかにも土踏まずを作るために必要な運動を3つ紹介します。

1)つま先立ち運動

踵を上げることで後脛骨筋を鍛えることができます。
より効率よく鍛えるポイントは、つま先を少し内側に向けることです。
勢いをつけずゆっくり行うことで体重をうまく負荷に利用することができ、けがの予防にもつながります。
10回を1セットとして、痛みに注意しながら行い、余裕があれば徐々にセット数や回数を増やしていきましょう。

2)ゴムバンドによる内返し運動

足の裏が内側を向くように足を捻ることで後脛骨筋を鍛えることができます。
ここでゴムバンドによる抵抗を加えるとより効果的です。
机の脚などでゴムバンドを固定して抵抗をかけながら行いましょう。

※ゴムバンドによる運動については「高価な機器がなくても運動ができる!介護現場でセラバンドを活用する方法」で詳しく紹介しています。

3)タオルつかみ

足裏全体の筋肉を鍛える運動としては、タオルつかみ(タオルギャザー)の運動がおすすめです。
椅子に座った状態で床にあるタオルに足をのせます。
足の指でタオルをつかみ、手前にたぐり寄せるように繰り返します。
余裕が出ればタオルの先に重りとして何かのせることで、抵抗をかけることができます。
このほかにも足指をできるだけ大きく動かしてじゃんけんをするといった運動でも代用できます。

●アーチを補助するインソールや足底板を活用

アーチを補助するインソールや足底板を活用

土踏まずの部分が盛り上がったようなインソールや足底板を利用して、アーチを補助してもらうことで、扁平足にともなう痛みなどの症状の軽減を図ります。
ただし、扁平足は単に土踏まずがなくなっただけではなく、踵の傾きやつま先の向きなど足全体の変形が合わさった状態です。
また、個人によりその症状の程度も異なります。
そのため、症状が見られる場合は、整形外科医師や理学療法士、義肢装具士などに評価してもらった上で、状態に合わせたインソールや足底板を選定、作成することをおすすめします。

●靴を選ぶ注意点や正しい履き方

靴を選ぶときは以下のような点に注意しましょう。

  • ○靴のサイズ
  • ○踵部分の硬さ
  • ○中敷の状態
  • ○ひもやバンドの有無

基本中の基本ですが靴のサイズはきちんとあったものを履くようにしましょう。
特に踵がしっかりと支えられないような大きめの靴を履くのには注意が必要です。
扁平足では踵の傾きが見られますので、踵の固定力がないと、左右に足が傾きやすくなり、扁平足による症状を助長してしまう恐れがあります。
同じような理由で、踵部分の素材が柔らかすぎて、履いていてぐにゃぐにゃと踵が傾いてしまうようなものは避けるようにしましょう。
また、インソールなどを活用する場合を考慮して、中敷が取り外せるかどうかのチェックをするのもおすすめです。
さらに、ひもやバンドで靴をしっかりと固定できるものを選びましょう。
靴の履き方にも注意が必要で、最初に踵をしっかりと靴の後端に合わせて、その後ひもなどでずれないように固定するようにしましょう。
靴ひもを毎回締め直すのは面倒かもしれませんが、足の負担をできるだけ減らすために、できるだけ毎回締め直すようにしましょう。

※靴の選び方については「高齢者の靴の選び方は足の状態や目的に注目!医療介護現場で正しい靴を履いてもらおう」でもご紹介しています。

扁平足は早めの改善を!痛みのある場合は整形外科を受診しよう

扁平足は症状がないこともあるため、あまり気づかずに生活をしている場合も多いです。
しかし、進行すると歩行などにも影響を与えてしまうため、ご紹介した方法で確認してみて、当てはまる場合は早めの改善を心がけましょう。
もし、痛みなどの症状がすでにある場合は、専門家による治療がおすすめです。
早めに整形外科などに受診して治療をするようにしましょう。

  • 執筆者

    蔵重雄基

  • 整形外科クリニックや介護保険施設、訪問リハビリなどで理学療法士として従事してきました。
    現在は地域包括ケアシステムを実践している法人で施設内のリハビリだけでなく、介護予防事業など地域活動にも積極的に参加しています。
    医療と介護の垣根を超えて、誰にでもわかりやすい記事をお届けできればと思います。

    保有資格:理学療法士、介護支援専門員、3学会合同呼吸療法認定士、認知症ケア専門士、介護福祉経営士2級

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)