腰痛・肩こり・関節痛は我慢しないで!整形外科で受ける治療、リハビリを徹底ガイド
整形外科ではスポーツ障害や骨折などの外傷、指のケガなど非常に広い範囲の疾患を専門的に診療していますが、厚生労働省によるとそのなかでも患者さんに特に多い訴えの上位3つが腰痛、肩こり、関節痛となっています。
「病院に行ったらどんな治療をうけることができるの?」
今回はそんな疑問に対して、整形外科ではどのような治療・リハビリを行っているのかを詳しく解説します。
みんな気になる体の痛み!1位はやっぱり腰痛!
1位は二本足で立って歩く人間には避けては通れないもの、腰痛です。
病院ではどのような治療が行われるのか解説していきます。
●腰痛の治療は投薬とブロック注射!
腰痛の多くは原因不明といわれています。
これはレントゲンなどやMRIの検査をしても原因がわからない腰痛が多いということです。
椎間板ヘルニアや脊柱管狭さく症など、原疾患がある場合はそれに応じた治療方針が決められますが、原因がわからない場合は症状を聞きながら投薬や注射、リハビリを行っていくことになります。
投薬 | 注射 |
---|---|
痛み止めの飲み薬と湿布が処方されます。 |
薬を飲んでも効果がなかったり、リハビリでも効果がでない場合、腰の神経に対して麻酔薬を注射するブロック注射を行うことがあります。 |
●リハビリで腰痛改善!安静は一番の敵
ぎっくり腰といわれている急性腰痛症や圧迫骨折の初期を除けば、安静にする必要はありません。
むしろ安静にすればするほど、体幹の筋力低下や柔軟性の低下が起こり、より痛みを引き起こしやすくなります。
リハビリは主にストレッチや筋力トレーニングなどを行う運動療法と、温熱や水、電気などの物理的な力を利用して行う物理療法があり、一人ひとりの症状に合わせて選択されます。
運動療法 | 物理療法 |
---|---|
1)ストレッチ |
1)ホットパック |
第2位は肩こり。デスクワークの人は要注意!
第2位は肩こりがランクインしています。
デスクワークなどで姿勢が猫背になりやすい人に特に多く、姿勢の矯正が重要になります。
肩こりがひどくなると頭痛を訴える方もでてくるため、できるだけ早期に改善したい症状です。
●肩こりの治療に変化?!即時効果の高い注射が!
肩こりに対する治療は飲み薬や湿布などの外用薬と注射になってきます。
近年では新しい治療法としてハイドロリリースといわれる治療法がでてきています。
投薬 | 注射 |
---|---|
投薬では痛み止めや湿布などで様子をみていきます。 |
1)神経ブロック注射 |
●リハビリで姿勢を改善していこう!
肩こりのリハビリは、こわばっている筋肉をほぐしていくストレッチと物理療法が行われます。
しかし一番大事になってくるのは姿勢の矯正です。
猫背になりにくい姿勢を獲得するために、姿勢を保つ筋力とストレッチが重要になります。
運動療法 | 物理療法 |
---|---|
1)ストレッチ これらの運動療法を組み合わせて良い姿勢を維持できるようにしていきます。 |
1)ホットパック |
第3位は関節痛!中高年から徐々に増加!
中高年になると関節の軟骨や半月板という組織が徐々に損傷してきます。
関節痛が進行すると人工関節などの手術が必要になる場合もあるため、できるだけ早期に受診し、適切な治療を受ける必要があります。
●注射でも効果あり!
まずは痛み止めの薬や湿布など投薬で様子を見ていきます。
ほかにも関節内注射を行い、それでも痛みが軽減しない場合は、関節の中を掃除する手術を行ったり、最終的には人工関節の手術をすることになります。
保存的治療 | 手術療法 |
---|---|
1)投薬 |
1)関節鏡手術 |
●リハビリで関節への負担を減らしていこう!
関節痛に対するリハビリでは、関節に負担がかからない状態にするためのトレーニングや、痛みを軽減するための物理療法が選択されます。
また関節痛がある方は関節の可動域(動かせる範囲)が制限されていることも多いので可動域の改善を図っていくことになります。
理学療法ガイドラインでは、運動療法と物理療法を併用すると治療効果が高くなるとされています。
運動療法 | 物理療法 |
---|---|
1)ストレッチ |
1)ホットパック |
まとめ
整形外科に受診すれば投薬から注射などの保存的な治療法、状態に応じた手術療法の選択が可能です。
リハビリも同様に、運動療法や物理療法を一人ひとりの状態に合わせて行っていきます。
大事なことは、少しでも早く治療やリハビリを開始して、重症化させないようにすることです。
重症化してしまうと選択肢が手術しかなくなってしまったり、手術しても完治しない可能性もでてきます。
今「痛み」を我慢している方は、手遅れにならないうちに一度整形外科を受診してみてはいかがでしょうか?
参考:
厚生労働省 国民生活基礎調査の概況 Ⅲ世帯員の健康状況(2018年2月12日引用)
日本整形外科学会 肩こり(2018年2月12日引用)
日本整形外科学会 腰痛(2018年2月12日引用)
理学療法ガイドライン 背部痛(2018年2月12日引用)
理学療法ガイドライン 変形性膝関節症(2018年2月12日引用)